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中国の公的医療保険制度が破綻を避けるため縮小へ

23年2月15日、武漢市の高齢者デモ

画像引用:https://www.rfa.org/english/news/china/silver-02162023135955.html

中国の公的医療保険制度

中国では65歳以上の高齢者が2億人を超え人口比で14%になり、2034年には65歳以上が21%超、60歳以上は25%以上になると予想されています

日本は2020年に65歳以上人口(高齢化率)が28.8%と世界一ですが、中国も15年遅れぐらいで追走してきている

中国は2022年に初の人口減少になったが日本が人口減少したのは2005年からなので、中国は17年遅れて人口減少が始まった事になります

中国では高齢化に伴い社会制度変更を求められていて定年は60歳から50歳の間だが細分化され地域によって異なっています

男女で定年に差があり男性60歳なら女性55歳(管理職に多い)、男性55歳なら女性50歳(非管理職)のようになっている例が多い

男女に関係なく50歳定年という場合も多く、1950年代の平均寿命がずっと短かった時代に法律が作られてそのまま運用されています

中国は今後短期間に社会保障費の膨張予想され政府は先手を打って給付金額を減らしたが、湖北省武漢市で2月に医療費削減反対の高齢者デモがあった

動画を見ると数千人の高齢者が広場に集まり数百人の警官と押し合いながらシュプレヒコールをしていました

香港メディアによると毎月260元(約5000円)程度支給されていた医薬品の補助が約80元に減額された

中国には議会や国会で法律を審議したり採決する制度がないので、人々はある日法律が変わったのを知らされるだけです

中国の社会保障制度は2018年頃の情報によると(ニッセイ基礎研究所)、学生・児童、高齢者が180元、非就労者(労働年齢内)は300元の保険料を1年間に支払う

保険料には市の財政から1人あたり485元、区の財政からは945元が拠出され、保険料と合わせて基金に積み立てられる

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武漢市は破綻回避で給付金削減

合計すると年間1610元の積立金になり支払った180元(高齢者の場合)の10倍近くになり、ここから医療費の補助を受けていました

例として北京市の病院に入院すると病院のランクに応じて300元、800元、1,300元を自己負担で支払い、大病院では医療費の25%を自己負担する

病院のランクが低いと自己負担額は20%に下がる仕組みで、日本の公的医療保険より自己負担が少なくかなり恵まれていた

だが農民工など正式な戸籍以外に住む人は制度の適用外になり、まったく保険を受けられなかったりかなり低い条件が適用されていた

中国は思ったより良い公的医療保険制度があったがそれがある日給付金が1//3に削減されたので武漢の高齢者が抗議しました

やはりニッセイの記事によると(中国の高齢者デモ、その背景は何か。 _ニッセイ基礎研究所 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=73988?pno=2&site=nliより)

武漢市は去年まで労働者が退職しても同一の医療保険に加入できるうえ保険料を免除され、高齢者への医療給付金を受け取る事が出来た

保険料を支払わずに毎月5000円分の医療給付金を受けていたのだが、高齢者の増加で制度が破綻するのは時間の問題だった

さらに高齢者は入院時などの自己負担割合も現役世代より低く(病院ランクに応じて16%から40%)設定されていたので、高齢者比率が増えるほど赤字が深刻になる

変更された規定でも過去に男性30年間保険料を支払っていた高齢者は支払い金額が無料で医療補助だけを受け取るのは変わらない

制度破綻を避けるには高齢者から保険料を徴収する必要があるが、中国全土で強い反発が予想されるので先送りになっている

なお中国には全国民を対象にした公的保険はなく、北京や上海や雲南省のそれぞれの自治体が独自にやっていて、これは武漢市の例に過ぎない

だが全国の公的医療保険はどこも同じような問題を抱えています

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