バフムート市と両軍が対峙する川

少人数でバフムートを守るウクライナ守備隊
ウクライナ東部のバフムートで3月11日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を率いるプリゴジンが市役所ビルから約1.2キロの場所に立つ動画を投稿した
プリゴジンは離れたビルを差してあれが市役所だと言い1.2キロの場所にいると話し、北側からウクライナ軍の攻撃を受けていると説明した
ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官は24時間で20回の戦闘があり、市内にいる敵の多くはワグネルの兵士でロシア軍落下傘部隊も加わっていると話した
ロシア軍は通常兵力のベテランが失われてしまったので、最精鋭部隊である落下傘部隊をバフムートなどの最前線に送り込んでいる
英国防省によるとロシアは市東部の大半を掌握し中心部のバフムートカ川を最前線に両軍が対峙しロシア側が優勢となっている
英軍によると幅200~800メートルのバフムートカ川西側をウクライナ軍が支配しており、主要な橋を破壊しワグネルの渡河を困難にしている
バフムートを防衛するウクライナ軍を取材したAFPによるとウクライナの兵力は数万人でも数百人でもなく、1回の出撃で約10人が装甲車に送られて前線に派遣される
装備はカラシニコフ、携行式対戦車ロケット、寝袋と地面にひく敷物、缶詰の食料やフルーツジュース、エナジードリンクなどとなっている
米軍が提供した射程約15キロの105ミリ榴弾砲M119が近くで待機していて、前線からの要請に基づいて座標を指定して精密攻撃をしている
断片的な情報を見ただけでもウクライナ側のバフムート守備兵力が圧倒的に不足しているのが分かり、もし数万人も投入できていたらワグネルの前進を防止できていたでしょう
ウクライナ軍は公称20万人と言われているがロシア軍と対峙する前線の長さは日本列島の3000キロより長く、全土に平均して配置したらどこも手薄になる
それはロシア側も同じだがウクライナ軍の兵力はロシア軍の半分程度に過ぎないのではないかと思います
中長期で衰退するロシア
ロシア財務省によると2023年1~2月の予算収入は前年比で25%減少し支出は前年比52%増の5744兆ルーブルに達した
財務省によると石油・天然ガス収入は9479億ルーブルで前年比46%減少し、西側諸国の価格上限設定や輸入制限が効果をあげているのを証明した
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は23年3月8日、、ロシア経済が中期的にみて大幅に縮小するという予測を示した
専務理事は中期的に見て7%縮小するだろうと述べたが「中期」が何年あるいは何か月を差すのか明言しませんでした
IMFは1月の発表では23年のロシアの成長率を0.3%とし、24年は2.1%の成長が見込まれると予想していた
ロシア寄りの発表でIMFは一部で「プーチンの犬」と呼ばれているが、ゲオルギエバ専務理事の発言は批判への弁解のようにも聞こえる
ロシア経済の今年の成長率については、世界銀行がマイナス3.3%、経済協力開発機構(OECD)がマイナス5.6%になると予想している
ロシア経済は22年にはエネルギー高騰によって支えられ、ウクライナ戦争によって軍事生産がフル稼働になり、先進国からの輸入が途絶えたのでロシア産の農産物や日用品の生産が増えた
一見するとロシア経済はうまくいっているが海外特に先進国からの投資が皆無になったので、中長期では衰退していきます