1年前に訪問したらG7を主導できたが遅いうえに軍事支援はなく金額も少ない

1年遅いウクライナ訪問
3月後半はウクライナを巡って両陣営で政治的な動きがとても激しく、今後現実の戦局や両軍の行動にも影響が及ぶでしょう
まず3月17日に国際刑事裁判所ICCがウクライナの子供を連れ去った容疑でプーチン大統領に逮捕状を出し、対抗措置としてロシアもICC役員の捜査を開始した
3月20日に以前から決まっていた習近平のロシア訪問でモスクワに到着し、プーチン大統領と4時間半もウクライナ情勢などで会談した
翌日も習とプーチンは会談しプーチンを中国に招待し、和平を提案する一方でロシアへの支援を表明し欧米との対立姿勢を明確にした
そんな中で21日に日本の岸田首相はポーランドから列車でウクライナのキエフを訪問し、図らずも習近平のロシア訪問と同日にゼレンスキー大統領と会談した
岸田首相のキエフ訪問は1週間以上前に週刊誌やゴシップメディアが報じていたので、実際には秘密でもなんでもなくメディアは皆知っていたようです
記事によると岸田首相の外遊日程はG7や国会などで塞がっていて、インド訪問の後にウクライナを訪問するのは決まっていたという事でした
習近平のロシア訪問は2月後半には欧米ディアが報じていたので、意図して同じ日程にしたのではなく岸田首相の日程がその日しか空いていなかったようでした
国際刑事裁判所ICCが習近平訪露の直前にプーチンの逮捕状を出したのは明らかに意図的で、習近平は国際的に恥をかく事になった
習がロシアを訪問し岸田首相がキエフを訪問した事で主要国の陣営が固まり、どの国がどの国を支援するのかがよりはっきりとしてきた
岸田首相は21日のゼレンスキー大統領との会談で戦闘で使用しない装備品40億円とエネルギー分野などで約600億円の支援を表明した
またウクライナへの中継地として利用したポーランド首相と会談、ODAを通じてポーランドへの支援も表明した
日本はどちら陣営の国なのか?
ポーランドはウクライナからの避難民1000万人近くを受け入れている他、欧米の大半の支援がポーランドを経由しポーランドもウクライナに多くの支援をしている
日本はG7などで合意した対ロシア制裁に参加する一方でロシアから天然ガスなど地下資源を輸入するため対立しないようにしてきた
いつでもウクライナを切り捨てる姿勢を保ったまま形式的に支援していた訳で、より深くウクライナを支援する欧米諸国からは冷ややかな目で見られていた
日本のロシアへのエネルギー依存度は数%で欧州諸国と比べるべくもなく少なかったが、なぜか日本政府はサハリン2などにこだわり続け、『ロシア陣営』であるかのような態度を取ってきた
今回岸田首相はやっとウクライナを訪問したが戦闘で使用する軍事支援は表明せず、西側主要国でウクライナに軍事支援していないのは日本だけです
これで日本はロシアから僅かな天然ガスを得られるが失った物も多く、軍事支援した国が最新の技術や情報や経験を得たのに日本はそうした物を得られない
ドイツやフランスやイギリスやアメリカはウクライナでのドローンなどを利用した戦闘に参加しているが、日本は数千キロ離れて眺めているだけです
加えて日本は同盟国や西側陣営から「戦友」と思われず、逃げ足を残したままウクライナを形式的に支援しいざとなったら逃げだす国だと思われている
ウクライナ支援に積極的な米英は勿論、「ウクライナ負けろ」とまで言っていた独仏すらウクライナへの軍事支援に踏み切っているのに対し、どちら陣営なのか明確にしない日本の異様さが目立っている