ウクライナが使用しているというマキシム機関砲

前線の兵器不足
ウクライナは各国から軍事支援を受けているがその実態は不十分で前線の兵士に十分な兵器が行き渡っていない実態がわかってきた
AFPの取材によるとウクライナ東部バフムートではソ連時代に製造されたS60対空機関砲を使用して友人6人がロシアと戦っている
S60数門はソ連軍が1950年代に製造した「KrAZ」製トラックの荷台に取り付けられ、兵士36人からなる砲兵部隊をウォロディミル(37)が率いている
ウォロディミルが語るにはS60は鉄くずとして保管されていたもので知り合いやボランディア、NGOからの寄付でトラックを何台か購入した
南東部のマリウポリで全滅したアゾフ連隊は地元有志の防衛部隊だったが、かれの部隊も最初ウクライナ政府に所属しない自警団だったのかも知れない
S60は1950年に対空機関砲として開発され毎分1000発を発射可能で電子装備は無いが、トラックに搭載して使用できる
2014年のウクライナ紛争で親ロシア派武装組織が使用していたが、今は”親ウクライナ派”も使用してワグネルやロシア軍と戦っている
地上攻撃をするときは毎分1000発ではなく1発ずつ狙って撃つか、数回連射する程度で他の兵士が弾薬を用意し補充する
トラックは不可欠で取材時にもロシア側のドローンが現れると攻撃をやめ移動したが、ドローンで位置を把握されると遅くても数分後に砲弾が飛んでくる
英字ネットメディアによるとウクライナ軍は第一次大戦で使用されたマキシム機関砲を持ち出し、陣地で使用している写真も掲載されている
水冷で毎分500発を発射できるが重量があって移動に適さず、陣地の中に据え置くような使い方に向いている
ロシア側もまた第一次大戦で使用した火砲を持ち出してワグネルが東部で使用したのが撮影されている
両軍とも砲弾や通常兵器が枯渇
両軍が次々に旧式兵器を投入するのは新型兵器が不足しているのと、砲弾などが枯渇したのを示している
典型的なのはミサイルで精密誘導の新型ミサイルは必ず命中するが、すべて撃ち尽くしたのでラジコン飛行機ののようなドローンを使用している
ウクライナを軍事支援する国々は思いついたように戦車などを送るが、毎日数万発消費する砲弾はあまり送られてこない
少なくとも毎月100万発の砲弾を消費するが西側の砲弾はソ連製火砲と適合せず、西側の火砲は少量しか送られてこない
ウクライナ国内で砲弾やミサイルを内製化しようとしているが本格化しておらず、70年前や100年前の兵器を前線で使用している
ウクライナは戦争中にソ連規格と西側規格の火砲が共存し、しかも西側仕様の兵器に切り替えるという難事をやらなくてはならない
一方ウクライナ国防省が発表した3月20日までのロシア軍損害は兵士16万8150人で戦車3570両、装甲車6998両、航空機305などとなっている
消耗戦になるにつれ巡航ミサイルのように1回で消耗する兵器が枯渇し、砲弾を使用する火砲のように無限に繰り返し使える兵器が重要になっている
その一つはウクライナが受け取る数百両の戦車で、ウクライナ軍は近いうちに反抗に転じると予告している