バフムートの戦況は”安定化”しているという

バフムートの戦況はどうなっている?
東部の激戦地バフムートでロシア軍が息切れしているという現地の報告と、ウクライナ軍の苦戦が続いているという報告が錯そうしている
ウクライナ陸軍のオレクサンドル・シルスキー司令官は3月23日、バフムートを巡る戦いでロシア軍が「息切れ」しているとの見方を示した
過去数か月にわたってワグネルはバフムートに攻勢をかけてきたが司令官はロシア側がかなり弱体化していて、我々はまもなく好機をとらえるとも話している
ロシアは人員や装備の損失にもかかわらずバフムートを奪取しようとし著しく戦力を失っていると指摘した
ゼレンスキー大統領は3月22日バフムート近郊の前線を訪問し、ウクライナ軍兵士を激励し兵士たちに賞を手渡した
ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官は3月24日、バフムートでの戦闘は依然厳しいが防衛部隊の多大な努力によって状況を安定化させていると語った
イギリス国防省はロシア軍がバフムート攻撃でこれまで維持していた「限定的な勢い」を失いつつあるかもしれないとの見方を示した
英国防省はウクライナの防衛は北と南からの包囲の危険にさらされているとも指摘した
米戦争研究所は3月23日に、ウクライナはなおロシアの雇い兵組織ワグネル・グループに対して劣勢だと分析した
バフムートは楽観できる状況ではないもののワグネルはブフムートカ川東岸に達したあと川を渡れず停滞し、小規模な砲撃を行っている
ウクライナ軍の防衛部隊は依然として3方向から包囲されているが西側の道路は隣の市に通じていて、最低限の補給や交代はできている
各国が提供する戦車は4月頃には100両などまとまった数になる筈で、バフムートの外周にいるロシア軍やワグネルを後退させるかも知れない
ロシア国民が毎日500人失われている
ロシア軍とワグネルの消耗は非常に激しくウクライナ軍の発表によると今までに16万人が失われたが、この中に負傷兵が含まれているのかは分からない
一般的に戦闘で兵士がなくなるとその2倍から3倍の負傷者がでるので、もし16万人がなくなったなら50万人ものロシア兵が戦線離脱した事になる
米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)は23年3月にロシア側の死者数は7万人と推測していて、これだと負傷者込みで25万から30万人程度になる
ロシアは22年9月に30万人の動員をしたがその30万人は既に戦線離脱し、23年年明けにもロシア軍の定員を35万人増やして増員した
さらに最近ロシアは年内に40万人に増員を契約軍人の増加で賄おうとしていると欧米メディアが報じている
ウクライナでの敗戦はロシア国内では報道規制されているが知れ渡っていて、入隊希望者がいるとは思えないので強制的な動員の可能性がある
22年2月の侵攻時にロシア全体の戦闘員の人数は40万人程度で、そのうち15万人以上をウクライナに投入したが少なくとも30万人程度は既に失われた
兵員の損失を30万人動員で補ったが今も毎日500人程度が失われ続けているので毎月1万人以上、1年間では15万人から20万人以上が失われる筈です
ロシアの人口は日本とあまり変わらない1.4億人なので、日本で毎日地震で500人の人が死傷しているのと同じ状況です