ウクライナは小型機をベースに長距離無人機を開発している

国産ドローン計画が進行中
ウクライナ北部の工業団地にあるエアロドローンという会社はマイクロソフトを退社したエンジニアが創設し、以前は農薬散布用のドローンを制作していた
侵攻後はウクライナ軍のために軍用ドローンを開発していて、数千キロを飛行し数百キロの爆弾を投下できる性能を目指している
ウクライナ政府は国内を拠点とする80社以上のドローン製造企業と提携していて、数十種類のドローンを様々な目的で利用している
ウクライナのレズニコフ国防相は、同国が何十万機ものドローンを必要としていてその多くを国内ドローン産業から調達したいと考えていると語った
ウクライナには多くの西側諸国が軍事援助しているがほとんどは「ロシア領攻撃に使用しない」「防衛目的でのみ使用する」などの縛り付きとなっている
アメリカはハイマースなどの長距離兵器使用で、事前に攻撃目標を知らせるよう要求し、ロシア本国への越境攻撃を禁止している
こう口出しをされたのでは有効に使えないので、ウクライナがロシアに反撃するには国産の長射程攻撃兵器が必要になります
ウクライナは2023年に5億5000万ドル(約720億円)近くをドローンに投じると表明している
だがレズニコフ国防相は「ロシア側でもUAVの改良に力を入れている」として近い将来ロシアとウクライナの戦力が拮抗する事はないという見通しを示した
ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は2023年に、標的に突入し爆発するカミカゼタイプの無人機に力を入れると述べた
ロシアは22年末から23年にかけて数百機のロシア製自爆ドローンを投入し、ウクライナの発電施設などを攻撃して停電させるなど戦果を挙げた
ドローン戦の研究者は、ウクライナのUAV戦力はロシアが運用するイラン製のカミカゼ・ドローン「シャヘド136」に比べて見劣りがすると評している
ウクライナはロシア領への攻撃を活発化させる
ウクライナはミサイル搭載可能なトルコ製「バイラクタルTB2」からノルウェー製偵察ドローン「ブラック・ホーネット」米国製カミカゼドローンなどを提供されたが、いずれも「ロシアを攻撃してはならない」という縛り付きなので使いどころがない
ウクライナの国防専門家タラス・シュムト氏によれば国内での航空ドローンの生産量は3─4倍に拡大し、年間数千機の生産能力がある
先ほど登場したエアロドローン社の「エンタープライズ」は軽飛行機を無人化したもので条件によっては3000キロ以上の航続距離を持つ
エアロドローン社の無人機運用コストは1機あたり15万ドルから45万ドルで、トルコ製バイラクタルtb2の1機5億円の10分の1となっている
ロイターの取材によるとエアロドローンのエンジニアは「200キロの装備を積んで1200キロ飛行できる」と語ったという
ロシア軍がウクライナ攻撃に使った自爆ドローンは8割以上撃墜されていて、ウクライナ軍がロシアを攻撃しても同じ結果になると思うが、ロシアは攻撃される可能性がある場所に対空ミサイルを張り巡らせる必要がある
するとロシア軍はウクライナ侵攻に差し向けていた戦争資源をロシア本土防衛に使わざるを得なくなり、ウクライナにとって有利になるでしょう
ウクライナ軍は22年末と23年3月の少なくとも3回、無人機を使用してロシア内陸部を攻撃し、攻撃方法が不明なロシア側の爆発は数十件も発生している
するとロシア国内でロシア軍への批判が高まり、モスクワなど重要拠点で対空ミサイルを展開し、その分ウクライナ侵攻は手薄になった筈です
ウクライナからロシア領へのドローン攻撃がもっと活発になると、ロシア軍はさらにウクライナ侵攻からロシア防衛に方針転換せざるを得なくなります
ウクライナは巡航ミサイルや砲弾や各種兵器の国産化を進めているが、それらの部品や工作機械は結局のところ日米欧など先進国に依存している