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中国からの撤退企業は身ぐるみ剥がされる?

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中国から資金を持ち出せないとFOXビジネスで語るモビアス氏

画像引用:https://jp.reuters.com/article/china-outflows-mobius-idJPKBN2V8008 「中国から資金持ち出せず」、著名投資家モビアス氏の発言が拡散 _ ロイター

都市伝説か事実か

人口に膾炙した(広く知られた)話として中国に進出する時は簡単な手続きで話が進むが、撤退する時は投資した資金も中国で得た利益も持ち出せずすべて置いて帰る事になる

何度かそうした記事を書いた事もありますが中国ビジネスの専門家と称する人の反論を最近ネットで目にする事が出来た

住友銀行で中国に赴任してから中国ビジネス関連企業に移籍して現在は中国ビジネスコンサルティング会社を経営しているらしいが名前を書く必要はないと思われます

コンサル氏によると中国ではルールを守ればお金の持ち出しは可能で、株主配当は正式な手続きを踏めば日本や外国に送金が可能です

また外国企業が中国から撤退する時は撤退にかかる費用経費を差し引いた残余資金も、正式な手続きを踏めば日本や外国への送金が可能です

言い換えるとコンサル氏は「それ以外の方法で持ち出すのは違法になる」と言っている訳で、トヨタやホンダが中国でいくら稼いでも配当金以外を受け取れない仕組みです

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問題は「正式な手続き」が面倒なことと、撤退時の費用が多額なので事実上撤退時にはそれまで投資した資金を持ち出せなくなる事です

外国企業が中国から撤退するには「税務関連」「従業員の給与(解雇の補償金)」「賃貸不動産賃料」「政府によるペナルティー」などを払うが差し引きゼロになるかマイナスになる事が多い

中国で儲かっている企業は撤退しないと思うので撤退するのは赤字企業、するとこれらの経費を差し引けば持ち出せる金額はゼロになります

過去に多くの日本企業が中国に進出しては撤退したが、儲かって利益を手にして日本に持ち帰ったという例を聞いた事がありません

2014年1月の日本経済新聞の記事『中国撤退「イバラの道」』では「従業員50人、日本人3人程度の中規模の日系企業でも撤退費用は1億円、期間は2~3年もあり得る」という専門家の意見を紹介していました

もし大手自動車メーカーが中国から撤退するとなればその数百倍か数千倍かかるであろうというのは想像できます

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理論上は持ち出せるが実際には持ち出せない

「中国進出は簡単だが撤退時に身ぐるみ剥がされる」とはこの事で、撤退時は何か事業がうまく行っていないので残った資産も撤退経費で取られて国外に持ち出せなくなるのです

中国は共産主義なので日米欧とは仕組みが大きく違い、まず中国にあるトヨタ・ホンダ・日産などは「日本企業」でも日本企業の現地法人でもありません

東風日産、広汽本田などは中国企業が株式の50%を保有し役員の半数以上も中国企業から出すと法律で定められています

つまり経営方針も撤退も中国企業と中国の役員に決定権があり、日産やホンダやトヨタに決定権はありません

日本の本社が決定しても中国の合弁会社は承知しないので撤退を決めるのが困難で、政府などへの手続きにも数年かかります

中国側の役員には地方政府や共産党の息がかかった人が必ず入っていて、日本で言う天下りの役職みたいになっています

外国企業は「中国で儲けた金を別な国で投資する」という柔軟な資金運用はできず、中国で得た利益は必ず中国で投資する仕組みになっています

これも理論上は可能だが実際には手続きが難しく長期間かかり中国政府との衝突が避けられないので、実際には困難な例です

2023年3月に著名投資家のマーク・モビアスが中国の資本規制のために資金を国外に持ち出すことができないと述べ中国に投資しないよう呼び掛けた

モビアス氏は上海のHSBCに口座を持っているが政府が制限を課したためお金を引き出すことができないとテレビインタビューで語った

中国政府は「お金を引き出すことができる」と言うが実際には20年分の非常に詳細な、用意するのが不可能な書類を要求して移動できなくした

日本企業が撤退する時も数十年間にわたる毎日の金銭記録などを要求するので、「理論上は持ち出せるが実際には持ち出せない」

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