先進国の椅子に座るメンバーも変わる可能性があります

普遍的映像コンテンツを作る国は3つだけ
20世紀から2010年頃まで世界各国には役割分担があり頂点のアメリカは巨大IT企業群を筆頭にハリウッド映画などのソフト産業を得意とした
日本は失われた30年の続編を続けているが製造業と輸出に固執し、賃金が半分以下の国と無謀な戦いをし連戦連敗を続けている
日本から製造業を奪ったのは韓国と中国で、最近はベトナムやインドがもっと安い賃金で輸出を増やしています
中東は石油を輸出する後進国でアフリカは人口増加と食糧危機に苦しむさらに遅れた国、というのが20世紀末の各国の役割でした
ところが新型コロナ後の世界は気が付けば一変していて、日本はおそらくあらゆる製造業が衰退する代わりに欧米が得意としたソフト産業が発展する
注目すべきは映画の聖地ハリウッドが目に見えて衰退し日本製(下請けが韓国だったりするが)アニメ作品が全世界で影響力を増している
アメリカの映画市場は約1兆円弱で全世界は約3兆円、アメリカのGDP3000兆円や全世界GDP1京円と比較すればどうでも良い規模だが影響力は大きい
ハリウッド映画は売り上げは小さくても世界中にアメリカの精神を広める役割を果たし、売り上げは1兆円でも影響力は(計測できないが)その100倍にも達するでしょう
日本アニメが欧米を始め世界中で見られるのも日本の精神が全世界に広まる事なので、売り上げやGDPでは測れないほどの影響をもたらします
(イスラムなどを除く)全世界で見られるコンテンツを製作できるのはアメリカの映画、イギリスのドキュメント番組、加えて日本のアニメだけでこの3つは地球上で普遍性を獲得しています
イギリスは今ではGDP6位まで衰退したが、文化的影響力によって欧州の中でも特別な国足り得ています
ウクライナ侵攻で最も詳細な報道を一貫して続けてきたのはイギリスのメディアで、もしイギリスが報道しなければ今ごろ「ウクライナはロシアの一部だそうだ」と世界中の人は思っていた可能性がある
変わる世界のバランス、先進国の入れ替えもありえる
かつてアメリカが独占していた映画産業の一部を日本がもぎ取り、日本が独占していた製造業は中韓がもぎ取り、それもベトナムやインドが奪いつつあります
石油が取れるだけの後進国だった中東は巨額マネーによって一足飛びに先進国を目指していて、ドバイだけを見れば中東が先進国になったように見えます
中国は90年代に世界の工場と呼ばれていたが、今は日本の1990年のように製造業のコスト上昇を高価格製品への転換で補おうとしてます(この方法を試した全ての国が失敗した)
アフリカは遅れた地域だったが人口増加率では世界最大であり、2050年以降は世界で唯一人口が増加する地域になっている筈です
すると低価格製造業の中心はアフリカに移動し、90年代中国のように世界の工場として発展する国が出現するでしょう
製造業が移転すると今まで製造業で食ってきた国は高度成長が終わり苦しくなり、中韓は低成長になり失われた何十年かを過ごします
欧州は各国バラバラだったのをEUに統合して大成功したが、統合による急成長も終わりドイツなどのバブル的好景気も終わります
ドイツは景気が良すぎて国民が週40時間以上働くのを禁止し「週休4日制」を検討していたが、そうした時代も終わり低成長になります
以前は取るに足らない後進国だった国が中進国を捉え、中進国は先進国を脅かし、先進国同士でも競争があるので先進国程低成長です
アメリカは90年代以降ITで世界の覇者に君臨したが、アメリカ以外の国も成長したので今後GAFAMの独占は崩れていくでしょう
こうして世界のバランスが変わり上手く行けば日本は成長軌道に乗るが、失敗すれば世界ランキングでさらに下位に下がります
戦後ずっとアメリカを中心とする勢力が世界を率いてきましたが、反米的な国が経済力を持つことで先進国クラブが揺らぐかも知れません