ハルキウ(ハリコフ)奪還に進軍するウクライナ軍(22年9月)

ウクライナ軍大攻勢は5月か6月
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)2023年4月23日報告によると、この日ロシアの複数の軍事ブロガーが『位置情報を伴う映像と文字報告』によって確認し得る方法で、ウクライナ軍が前進したという情報を投稿した
ロシアの軍事ブロガーは国民への影響力が大きく日本における”有識者”のような役割を担っていて、クレムリンでプーチン大統領に招待される事もある
そのブロガー達の投稿ではウクライナ軍がドニプロ川(ドニエプル川)東岸オレシキーの北西部で活動していると書かれていました
ただロシアの軍事ブロガーの情報によると奪還は一時的なもので、ロシア軍が不在の間に一時的に占領したが既に撤退したという
現場は川を挟んでヘルソン市の対岸に位置する場所で、ロシア軍はここに砲兵陣地を築いてウクライナ側に砲撃を繰り返しています
ウクライナ軍の大規模反攻が5月に迫っているという情報があり、両軍は頻繁に兵力を移動させていてその間隙をついたものだったかも知れない
米紙ニューヨーク・タイムズは4月24日、米当局者の話としてウクライナ軍は5月にもアゾフ海沿岸を含むウクライナ南部で大規模な軍事作戦を行う可能性が高いと話した
そんな事を米軍が話しても何のメリットもないので、その情報はロシアを攪乱させるためのフェイクの可能性が高いし、フェイクと思わせておいて本当なのかも知れない
要するに信ぴょう性はゼロに近いのですがウクライナ軍は22年9月にハルキウで電撃戦を実行し成功させた実績がありました
ハルキウ攻撃の前の8月にはクリミア半島で謎の爆発が続き、サボリージャ原発やドニエプル川などの南部で活発な動きがあったため東北部のハリコフでロシア軍は手薄になっていた
ウクライナ軍はハルキウ攻略のために用意できる戦車を総動員して投入し、ロシア軍が準備を整える前に奥深く侵入し大混乱したロシア軍は撤退していきました
同じようなパターンだとすると狙った攻略地点の反対側で盛んに小規模な攻撃を仕掛け、ロシア軍をそちらに引き付けてから一気に行動を起こすでしょう
戦果なければ支援を打ち切る国が出る
最も意外な場所としてはクリミア半島上陸、ありそうなのはヘルソン州やサボリージャ州、激戦地バフムートがある東部のドンバス地方は避けるでしょう
ウクライナ軍は反攻作戦のためにNATO諸国で訓練した5万人の兵力を確保したとされ、ロシア軍のウクライナ駐留兵力は20万人以上ではない
22年2月の侵攻前に国境で訓練していたロシア軍は15万人で、英国防省などによると最大時20万人のロシア軍が居たが10万人以上が負傷などで失われ交代要員が来たが十分ではない
一方のウクライナ軍も新たに補充した5万人を除けばロシア軍より兵力は少ないと想像され、もしウクライナ軍が反抗作戦で5万人を失えば補充はほぼ不可能になります
ロシア軍は「冬攻勢」を予告して実際に東部を攻撃したが目立った成果を挙げずに終わり、ウクライナ軍の攻勢も同様に期待外れだったらNATO諸国は支援を縮小して和平(領土を正式に割譲する事)をウクライナに勧めます
ウクライナとしては最初で最後の大規模な反攻作戦になるので負ければ戦争は負けて終了、下手をすると欧米諸国は興味を失いロシアに併合されるでしょう
米紙ワシントン・ポストは4月24日、ウクライナ軍が23年2月にモスクワとクリミア半島ロシア側の港湾ノボロシスへの攻撃を準備したが、米政府がロシアの核攻撃を招くと中止を要請しウクライナは応じたという
また22年10月にはロシア軍が占領しているサボリージャ原発に向けて特殊部隊600人を渡河させたが、激しい反撃にあって撤退したという
22年12月にはウクライナ軍の長距離無人機によりロシア内陸部の飛行場などを攻撃し、小規模ではあったがロシア政府を動揺させた
ウクライナは認めていないがクリミアやロシア領で起きている爆発はウクライナ特殊部隊によるものとも言われていて、かなり大胆な作戦を実施している