ニューヨークのフードバンク

フードバンク初利用者が急増
ロイターによるとアメリカでは最近フードバンク利用者が急増していて今まで利用した事がなかった人達が大勢訪れて食料を貰おうとしている
NPOアトランタ・コミュニティー・フードバンクによると食料支援の需要はパンデミック時と同じくらい高く、ジョージア州アトランタで食糧配給に頼る人の40%は今まで配給を受けていなかった
フードバンクで配給する食料は企業・個人からの寄付で活動には政府からの補助があるが、利用者の急増によって多くの棚が空になっている
米国勢調査局によると4月前半に食料配給を受けた世帯数は1140万戸以上で前年同期よりも15%増えている
NPOフィーディング・アメリカ責任者のビンス・ホール氏によれば失業率が最低水準なのに需要が急増したのはフードバンク50年の歴史で初めてだと語っている
4月前半に無料の食料配給を受けた世帯数は1140万戸以上、専門家は「利用者は店舗で食料を買う余裕がなくなり配給所のありがたさを実感している」と説明している
以前はフードバンクを利用するのを敬遠していた人ももはや恥ずかしがる余裕がなくなったので、アメリカ経済が今後かなり悪化する兆候だと考えられている
フードバンク利用者が急増している要因と考えられるのは第一にコロナパンデミックの給付金の多くが打ち切られ、一時的な豊かさが失われたのが挙げられる
トランプ政権とバイデン政権はそれぞれ300兆円以上の緊急経済支援をしていたので、働くより高収入になる人が続出し車や家やゲーム機が飛ぶように売れていた
アリとキリギリスの寓話のように給付金をため込んで節約すれば良かったが、多くの人はキリギリスだったようで短期間に消費してしまった
第二の要因はインフレでアメリカは9割の人が貧困に苦しんだとしても残り1割が超お金持ちなので、富裕層消費によって物価がどんどん上昇しています
多くの人は不況で食べ物を買えないのに値段を確認しないでネットショッピングする人が数千万人も居るので、物価上昇が止まらない
コロナ支援打ち切りとインフレのWパンチ
中でも深刻なのは家賃の上昇で富裕層は不動産投資を辞めないので大都市の家賃はコロナ前のワンルーム30万円から50万円以上に上昇しました
アメリカは借主の保護制度が存在せず、家賃を払えないと義理で数週間待つことはあるが翌月には部屋から追い出されてホームレスになります
日本は世界で最も借主を優遇する賃貸制度なので、半年くらい滞納しても追い出されることは稀で、これは逆に保証人を要求するなど審査の厳しさにつながっている
アメリカは家賃滞納者を簡単に追い出せるので入居時の審査は激ゆるですが、支払日の翌日に退去を求められることもあるそうです
都市の郊外はどこにでもホームレスパークのような通りや公園があり、コロナ前に全米で50万人だったホームレスは今後100万人に増えると予想されています
なおアメリカでは車上生活者や居候、施設収容者もホームレスに含めているので日本で言う路上生活者よりもずっと多い
日本では「生活保護を受けるか支援なしか」のゼロか100かみたいな制度だがアメリカではフードバンクの他に政府によるフードスタンプSNAPが存在し、規模としてフードスタンプのほうが大きい
米政府は2020年4月から超低所得世帯へのSNAPを月95ドル加算していたが23年3月で打ち切りになり、310万人が支援額を削減された
全米でSNAPを受給しているのは人口の約12%に当たる約4000万人で、平均して月約1万3000円(95ドル)支給されている
つまり95ドル追加支給を打ち切られた世帯は食糧費が半額になってしまった訳で、残る手段はフードバンクになります
CBSニュースによれば、アメリカ人の2人に1人は生涯にフードスタンプを受けた経験があり、全米で2500万の小売店がフードスタンプを受け付けている(ほぼ個人商店のみ)
フードスタンプには貧困層の救済という他に小規模な個人商店を保護する機能もあったので、規模縮小で閉店する個人商店も出て来る
食料問題を悪化させているのは学校における給食の貧しさで、多くの学校では「一食あたり」3ドル徴収しているのに非常に貧しい
日本の小中学校では月4000円程度つまり1食150円程度でかなり豪華で、これは日本は「給食の材料費」だけを徴収し人件費や設備費を自治体などが負担しているからです
アメリカは給食が子供の食糧事情の向上に役立っておらず、ウォルマートとかでパンとジュースを買うような内容です