子どもを産みたい女性が減ってしまった

2月として最少の出生数
韓国統計庁は23年2月26日に2月の出生数を発表し、1万9939人で去年2月の2万705人を下回り2月として史上最少になりました
今までの月間最低値は昨年12月に記録した1万6803人で、韓国では年の前半に出生数が多く後半になるほど減少し年末に生まれる子供はなぜか少ない
1月の出生数は前年同月比6.0%減の2万3179人で、本来なら1月から3月は年間でも出生数が多いので後半はもっと減少すると予想されています
前年同月比減は2015年12月から87カ月連続、人口減少は2019年11月から40カ月連続、2月の婚姻件数は対前月比2541件(16.6%)増の1万7846件と増加しました
婚姻が増えたのは社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)が緩和された影響で、22年の婚姻件数は約19万2000組で史上最少だった
1月の婚姻件数は1万7926件で前年同月比21.5%増加していて、コロナで延期していた結婚に踏み切る人が多いとみられこの傾向が続くか注目されています
一般的に結婚してから子供を産む女性が大半なので婚姻数が増えると翌年出生数が増え、逆に婚姻が減れば翌年の出生数は減る傾向があります
もしかすると韓国は今年後半から24年にかけて結婚した女性が子供を産むことで、久しぶりに出生数が増える可能性があります
22年の婚姻数は25年前の半分、10年前の4割減でこのまま歯止めがかからないのではないかという悲観論が増えています
注目すべきは初婚年齢で男性33歳女性も31歳でそれぞれ日本より2歳ほど高くなり、30代の新婦が20代新婦より多い状態が続いています
30代で結婚した女性は「産んでも1人」という事が多く、仮に2人以上子供が欲しいと思っても加齢によって子供ができにくくなっています
韓国統計庁は、25~49歳の人口が減少を続けていて人口構造的な問題から婚姻件数が減っていて、婚姻が減っているので出生数も減っていると分析した
結婚したい女性や子供を産みたい女性が少ない
国務調整室の調査では「出産の意向がある」と答えた女性回答者が約半分の55.3%、結婚の計画があると答えた女性は69.7%だった
中国の大都市でも20代女性の半数は「結婚する予定も出産する予定もない」と回答していて、若い女性の半数は子供を産まない可能性が高い
なお日本で朝日新聞などが実施した意識調査では、「結婚したら子供を産むべき」と考える未婚女性はたった36%しか居ませんでした
日本の若者の間では「子供を作るのは個人の趣味」という考えが広がっていて、子どもができると生活が貧しくなるという考えも広まっています
韓国に話を戻すと婚姻や出産が減っている背景には若者の経済的苦境があり、過当競争で疲弊して燃え尽きた若者がとても多い
韓国では大学進学率が男性は100%を超えるほど学歴競争が激しく、大学卒業後に資格塾に数年間通ったうえ2年間兵役に行ってそれから一流企業就職を目指します
有名企業の正社員になる平均年齢は30歳だが、それからまた競争があり平均40代で解雇され、そこで生き残っても50代で退社する人が多い
韓国の大企業はすべて財閥で一族経営なので、重役はオーナーの親族で固められ部外者はよほど優秀な数人しか定年まで生き残れません
韓国では解雇手続きが簡単なので能力が衰えたら即解雇、日本のように新入社員とか窓際社員がいないので「正社員平均給与」はGDPと比較して高めです
代わりに韓国企業には「正社員」がそもそもほとんど存在せず、稼げる間は稼げるけれどもその期間は非常に短いのが特徴です