『超大国中国』に真っ先にすり寄った国は真っ先に離れていった

債務の罠と落ち目の中国
一帯一路が始まったのは2014年のことで前年13年に習近平が「シルクロード経済ベルト」を提唱し、その前は新シルクロードなどと呼んでいました
2014年の北京APECで習近平は陸路のシルクロード(一帯)と海のシルクロード(一路)を統合して貿易や投資を促進する計画を示した
陸のシルクロードは中国から中央アジアを経由して欧州に至り、海上シルクロードは東南アジアからインド洋を通って中東とアフリカに至ります
アジアインフラ投資銀行(AIIB)も2013年に提唱し2015年に発足、2016年に最初の年次総会を行い加盟国は103か国に拡大している(2021年)
一帯一路は2017年に第一回フォーラムを開催し2019年に第二回を開催、2023年の今年は第三回開催が予定されているが期待感は減少している
一帯一路が提唱された2014年には「数年で中国はアメリカを超える超大国になる」と予想されていて、米国のオバマ大統領すら「中国がアメリカに代わる超大国になる」としばしば発言していた
だが発足した2015年に中国の株価などが暴落する「チャイナショック」が発生し2017年には米トランプ政権発足で米中対立が始まり雲行きが怪しくなった
香港民主化運動やウイグル弾圧後の2020年には武漢で新型コロナウイルスを発生させ、米バイデン政権で対立はさらに悪化しロシアはウクライナに侵攻した
22年2月にウクライナ侵攻が始まる前は中国による台湾侵攻の方が現実味があり、ロシアと中国は同類と考えられナチスともイメージがだぶった
一連の出来事は中国のイメージを失墜させ、もはや先進国の誰も中国が民主主義国になるとは考えず巨大で暴力的な帝国になると考えている
2022年に中国は初めて人口減少に突入し、人口減少と高齢化は数十年続き中国の成長や活力を徐々に奪っていくでしょう
一帯一路とAIIBは一見すると他の国際金融機関と同じ体裁をとっているが、実際には中国一国だけが決定権を持ち英仏すら発言権はない
中国を最初に捨てたのはあの国だった
スリランカやパキスタンへの中国からの融資は先進国から「債務の罠」と批判され、スリランカは国ぐるみ差し押さえられそうになって日本や欧米に助けを求めてきました
パキスタンは今は中国から属国のように扱われているが全世界で最初に中華人民共和国(共産中国)を承認した大恩人で、もしパキスタンが承認しなければ早期に消滅していたかも知れない
それまで中国の共産軍はテロリストか武装組織としてしか考えられておらず、共産国家ソ連も中国を対等とはみなさず相手にしていなかった
中国は建国後長期間に渡って世界最貧国だったが、その中国に何度となく救いの手を差し伸べてきたのも盟友のパキスタンでした
中国に優しくするとどういう目に遭うかはパキスタンが如実に示していて、スリランカと同様に国ぐるみ丸ごと中国に差し押さえられようとしています
助け合うとか恩人とか義理とか同士とかいろいろな事を言うのだが、北朝鮮やロシアとも中国は利害損得で結びついているだけです
中国は超大国にならないのがはっきりしてくるとそれまで持ち上げていた国々が離反し始め、真っ先に中国を裏切ったのは「親子」の筈の韓国でした
中国と韓国は互いに親子と認め合うほど親密で朴槿恵大統領は「韓中軍事同盟で日米を倒す」と北京で宣言していたほどだった
それが「どうやら中国は落ち目らしい」と分かると真っ先に中国から離れて日米に接近した辺り、彼らの本心を見た気がします