差し押さえを逃れるために車を隠すと、より多額の請求をされるという警告

数百万台が差し押さえ危機
サブプライムショックは2007年から2010年に発生した世界経済危機の最初の始まりになった破綻で、サブプライムローンが焦げ付いて連鎖的に全ての金融制度が破綻しました
サブ(2番目の)プライム(優良)は日本で言えば2等級顧客で、信用不安がある人向けの融資枠で金利はプライムの10%から15%に対し15%から20%です
さらに優良な顧客には10%以下で貸し出していて、イーロンマスクやビルゲイツやバフェットには実質ゼロ%で数千億円も融資しています
アメリカでは年8%以上のインフレが続き23年に入っても6%以上、物価上昇でローンの支払いが困難になった人たちが増えています
物価上昇の結果、生活費を払うとローンの支払いが出来ず車や住宅などの資産が債権者に差し押さえられるケースが急増しています
債権者に差し押さえられた車両は競売にかけられますが、回収業者やローン会社は保管スペースの不足や人手不足に悩まされています
住宅の場合は差し押さえられた家を買い取る投資家が増えており中古住宅市場に影響を与えています
車や家が差し押さえられると元の価値よりずっと安くなってしまい、500万円で買った車は数分の1程度にしかならずローン残価が残ります
家の場合は5000万円の家だとしても売って手元に入るのは数分の1、やはりローンが残り借金がすべて消える訳ではありません
2021年3月の自動車ローン調査では、30日を超える滞納が2.6%だったが2023年3月に5.3%までに上昇し、滞納者が増えていました
滞納日数が60日から90日になるとローン会社が派遣したレッカー車が車両を回収して差し押さえ、その後競売にかけられます
長期間滞納している差し押さえ予備軍は全体の1.8%ですが、アメリカの新車販売は年間1400万台で中古車は4000万台なので1%が年間50万台に相当します
物価は上昇したが労働者の収入は増えず
5000万台の車を買う人全員がローンを組むわけではないものの、おそらく50%くらいの人(や企業など)はローンを利用するのではないでしょうか
2019年(コロナ前で好景気だった)のニュースでは全米で700万人が90日以上自動車ローンを延滞していたので、現在はもっと多いでしょう
2022年下半期頃から差し押さえされる車両が増え、保管スペースが常に埋まっているローン会社がある
2020年以降半導体不足や物流・生産混乱の影響で注文があるのに新車生産台数が減少し、中古車価格が上昇して新車より高額になる例が出てきた
特に故障が少ない日本車のカムリやシビックの中古車が高くなり、加えて電気料金も何割か値上がりしガソリン価格は10年前の2倍にもなった
2010年以前はアメリカのガソリン価格は日本の半額でリッター60円くらいだったが、22年の高騰では日本より高い170円台をつけていた
アメリカでは賃金上昇が続いているがそれはシリコンバレーのITエンジニアの話で、多くの労働者の収入は物価上昇率を下回っています
人々に最も大きな打撃を与えているのは不動産価格の上昇で、賃貸料金は通常その物件の価格の1%から数%の家賃に落ち着きます
特に都市部では不動産価格が上昇すればオーナーはすぐ家賃を上げ、払えなければすぐ追い出して良い事になっています(州によって違う)
人々は車より家を優先するが車がないと働けない地域では、差し押さえられると無収入か低賃金になり結局ホームレスになります