韓国の電気・ガス代は安いが国民は値上げに猛反発している

国策で電気を安くしていた
韓国国営の韓国電力公社(KEPCO)は23年5月12日、第1・四半期決算は6兆2000億ウォン(46億8000万ドル)の赤字だったと発表しました
政府設定の電気料金は2022年に11%上昇したが天然ガス、原油、石炭の総コストは64.5%上昇しコスト増加をカバーできなかった
赤字幅は22年第1・四半期の7兆8000億ウォンから縮小したが8期連続の赤字、22年末の負債は192兆8000億ウォン、自己資本に対する比率は約459%だった
同社は2022年12月期に韓国企業として過去最大となる32兆6030億ウォン(約3兆3000億円)の営業赤字を計上していた
韓国電力(KEPCO)はコスト削減や資産売却で26年までに25兆ウォン以上を節減する計画を発表した
韓国電力の鄭升一(チョン・スンイル)社長が5月12日に巨額赤字の責任を取って辞意を表明した
鄭升一社長は産業通商資源省出身の官僚で任命したのは文在寅前大統領、ユン大統領の現与党は野党時代から韓電巨額赤字の責任を追及してきた経緯があった
韓電社長は国営なので大統領が任命権者となっていて、日本の民営大手電力とは事情が違い、旧国鉄のほうが近いかも知れません
韓国の電気料金は実質的に政府が決める公定価格で、日本の場合は各電力会社が申請した価格を国が認可する形になっている
韓国のシステムはより政治に左右されやすいので政権与党は人気取りや票集めのために電気料金を低く抑えたことが巨額赤字の原因になった
韓電側は再三料金引き上げを訴えユン政権は引き上げに応じたものの、支持率低迷に配慮して23年4月の料金引き上げを見送った
GlobalPetrolPrices.comによると22年11月時点で韓国の住宅用電気料金は1kWh当たり126.4ウォンで、世界148カ国の97番目だった
安すぎる電気ガス代に慣れ切った国民
韓国よりも安い国はロシア(102位)やサウジアラビア(116位)など、エネルギー大国が多かったが輸入国で韓国より安い国は少ない
OECD加盟38カ国では37位でトルコ(世界109位)だけが安く、韓国は1位のデンマーク(669.5ウォン)の5分の1、日本(315ウォン)の40%に過ぎなかった
最近1年の電気料金上昇率は英国(89%)、スペイン(45%)、ドイツ(43%)だったが韓国の上昇率は17.9%に過ぎなかった
韓国の天然ガス料金も22年6月基準で1MJ当たり17.98ウォンでスペイン(62.8ウォン)、ドイツ(53.06ウォン)、英国(51.07ウォン)、フランス(40.02ウォン)より大幅に安い
しかも原油や天然ガスの輸入料金は日本が商社や政府の長期契約によって安く購入しているが、韓国は日本より高く購入している
これほど電気やガス料金は安いのに国民や業者からは「高すぎる」と悲鳴があがっていて、今までの値上げですら耐えられないと言っている
特に打撃を受けているのは生産性の低い飲食業で、韓国料理は長時間煮込むような調理法ほど良いものだとされています
ガス代は1年間で2倍近く上がったので、ソウルの平均的な食堂では冬のガス代は2万円台だったが4万円に上がった
今までが恵まれ過ぎていた気がするのだが韓国のガス価格は1MJ(カロリーあたり料金)20ウォン、同じ計算で東京ガスは33,7ウォンになります
電気料金は1kWh当たり126.4ウォン(22年11月)で、日本は1KWあたり29円を超えたので約290ウォンという事になります
もはや世界一安いのが当たり前になっていて、少しの値上がりでも大打撃を受けてしまいます