アゾフ連隊のボフダン・「タヴル」・クロテヴィッチ司令官代理はアゾフスターリ製鉄所で最後まで残って捕虜になり、捕虜交換で帰国し「アゾフ旅団」として再結成し現在はベラルーシ攻撃を計画している

ウクライナ軍は自由に情報発信しているのではなかった
ウクライナ保安局(SBU)は5月18日、16日のロシアによるキエフへのミサイル攻撃の際に迎撃ミサイルが飛行する様子を撮影しSNSに投稿したブロガー6人に刑事手続きを取ったと発表した
身柄は明らかではないが逮捕されているとみられ、ウクライナ人ブロガーに対してはかなり厳しい処分だといえます
保安局は巡航ミサイルや弾道ミサイルを迎撃する動画をロシア側が入手し、防空システムへの対抗策を講じる事でロシア側を有利にすると主張している
ブロガー6人は自宅から携帯電話とコンピューターを押収され、容疑者は最大8年の禁錮刑を言い渡される可能性があるという
ウクライナ軍のドローンがロシア戦車を破壊する場面などが頻繁にSNSで投稿されているが、ああした動画はすべてウクライナ政府が検閲し統制した上で投稿されている
むろんウクライナにとって有利に働くような動画だけを投稿している訳で、ブロガーが撮影した動画を投稿するのは許されないらしい
個人的に一番関心があるのはウクライナ兵が食事をしている場面が一度も公開されていない事で、特別に用意した豪華な食事をする場面しか投稿されていません
ロシア側も侵攻初期にはロシア兵が持参したスマホで撮影した動画が投稿されていたが、22年夏以降はほとんど無くなったと思います
ロシアでは国民の戦意を煽る愛国的な軍事ブロガーが日本で言う文化人のように、テレビ出演して国民を戦争に駆り立てています
大物の軍事ブロガーはクレムリンに出入りしてプーチンから表彰されたり、ウクライナ占領地で行政上の地位を得たりしテレビでは軍の上層部を批判したりしていた
他のロシア人が政府や軍上層部を批判すれば即逮捕だが、有名ブロガーは特別な権利を与えられて時には軍や政府を無能呼ばわりしていた
23年4月2日にサンクトペテルブルクのカフェ爆発でなくなったウラドレン・タタルスキーは、もっとも過激な主張で世論をウクライナ侵攻へと誘導しプーチンのデジタル歩兵と呼ばれていた
伝説のアゾフ連隊が復活
ロシア軍は22年に30万人を招集し年明けにも10万人以上を動員したが、年内に40万人以上を新たに動員する準備をしているようです
一方のウクライナ軍も成人男性の出国を禁じたうえでかなり強引な招集をしたと報じられ、当然ながら全員が志願兵というわけではない
SNSでは男性がウクライナ腕章をつけた兵士らに抑え込まれ、車両に無理やり乗せられる場面が何度も投稿されていました
ロシア軍による侵攻直後からウクライナ軍の勝利が報じられていた時期は志願兵が多かったが、マリウポリやセベロドネツクが陥落しバフムートで苦戦してから志願兵は少なくなったようです
ゼレンスキー大統領は大規模な反攻作戦を実行する為に、新たに数万人規模の志願兵を募集しているが志願者が少なければ強制的な招集になるでしょう
2022年5月20日にマリウポリのアゾフスターリ製鉄所で最後まで立てこもっていたアゾフ連隊が降伏しロシア軍の捕虜になったが、多くの兵士が『事故』などでなくなった事にされ帰還しなかった
そのアゾフ連隊が再興を目指してアゾフ旅団として新たな兵士を募集し、既に1000人以上の若者らが参加して訓練を受けているという
アゾフ旅団のボフダン司令官代理は5月20日の降伏でロシアの捕虜になり奇跡的に生還した1人で、ほとんどの仲間は帰らなかった
ロシアの独房ではウクライナが存在するのか滅亡したのかも知らなかったが、いつかアゾフ連隊を再建してロシアと戦う決意をしていた
「アゾフ連隊」は23年5月に「アゾフ旅団」に昇格し、あらたに100人規模のドローン部隊を創設し参戦する準備を整えつつある
敗走するウクライナで唯一ロシア軍に戦いを挑んだアゾフ連隊はウクライナではカリスマ的な人気があり、この部隊に参加を希望する若者が多い
ボフダン司令官代理はロシアに協力するベラルーシを攻撃して親ウクライナ政権樹立を計画しているという