ゼレンスキーがG7首脳やインドと肩を並べた様子は、後に第二次大戦のヤルタ会談のような意味を持つかも知れません

勝利に近づいたゼレンスキー
23年5月21日、バイデン大統領らG7出席者に続いてウクライナのゼレンスキー大統領が来日しサミット首脳会議に出席しウクライナ支援会議の様相を呈した
アメリカは首脳会談で新たに3.75億ドルのウクライナ軍事支援を表明し存在感を示し、最近中国を訪問する等怪しい行動をしていたフランスのマクロンもここでは歩調を合わせた
イタリアはフランス・ドイツとともに一時ウクライナ支援に慎重つまり打ち切りたがっていたが、日米英の支援積極派3か国に押された格好になっている
カナダはアメリカと歩調を合わせているのでG7のウクライナ支持は4か国、3か国はウクライナ支援をしているものの積極的ではなくできれば支援を辞めたいと考えているようです
バイデン大統領はゼレンスキーとの会談で「全てのG7メンバーとともにウクライナを支援してきた。どこにも行かないと約束する」と言ったが過去には違っていた
22年2月22日の侵攻初日にバイデンはウクライナの占領を既成事実とし「支援しない」と言い、ホワイトハウス報道官は「キエフ占領まであと12時間」など面白半分に実況中継をした
その後もアメリカはミグ29提供を申し出た東欧諸国に「ロシアを刺激する」と反対して中止させ、戦車の提供も「ロシアを刺激する」と反対してきました
もしアメリカが侵攻初日に大規模な支援をしポーランドに米軍を待機させていたら、ウクライナ軍は初戦の勝利の勢いのままロシア軍を駆逐していたでしょう
広島G7の最大の成果は支援に反対している独仏伊3か国を封じ込めたのとF16戦闘機提供を決定した事でした
戦車と違って戦闘機は整備の支援もしなくてはならないが、現在提供を申し出ている国だけで20機以上、アメリカとカナダも提供するとかなりの規模になるでしょう
G7にはインドのモディ首相も招待されたがインドは対ロ制裁に一貫して反対し参加せず、ロシア産エネルギーを大量に買い付けてウクライナ侵攻を支えている
インドは侵攻以前からロシア製空母や戦闘機を購入し現在も軍事関係を続けていて、G7招待にはインドとロシアを引き離す意図が伺えた
バフムートは陥落も計算通りか?
インドはG7でロシアやウクライナに特になにも表明していないが、インドが「対ロシア同盟」のG7に招待されて仲良くしているのはプーチンにとって不愉快極まるでしょう
G7には韓国も招待されたが韓国はこの栄誉を勝ち取るため日本や岸田首相にペコペコし、アメリカにもペコペコしウクライナには軍事支援を表明した
G7前にはロシアや中国や独仏伊などを中心に「ウクライナを降伏させて”平和”を実現しよう」という勢力があったが、G7が団結を示したことでそうした空気は一掃されるでしょう
ウクライナでは5月20日にワグネルのプリゴジンが「バフムートを完全占領した」と言いロシア国防相も「アルチェモフスク(バフムトのロシア名)を解放した」と正式に発表した
因みに中国・北朝鮮・ソ連のような共産主義国は侵略して廃墟にするのを解放と言い、解放後にも住民多数を犠牲にしてきました
ウクライナの発表は二転三転していたが「まだ戦闘が続いている」としながら「ウクライナ軍の支配下にはない」とロシア側の主張も認めている
地図を見れば一目瞭然でG7前の地図では建物がある市街地の9割ほどがロシア側に占領されていて、ウクライナ軍は残りの2割以下と街の西側を守っていた
ウクライナ軍は最初バフムート市の全域を守っていたがワグネルの突撃とロシア空挺部隊の包囲によって徐々に削られていき、今では市街地からは追い出されている
一方でウクライナ軍は市街地に立て籠って包囲される状況から解放されたので、無意味な塹壕戦に戻らなくても済みます
西側の支援によってウクライナが優勢に戦えるならば、バフムートの塹壕で戦うのはあまり意味が無いでしょう