トヨタは反日暴動以降、中国で上げた利益以外の投資をしていない
中国国内で人民元がクルクル周っているだけである
引用:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/7c/c7c785b19ccc109e4ed105c633dcc838.jpg
トヨタが販売台数世界一から陥落し、代わりに中国市場で躍進したVWが世界一の座に就いた。
トヨタは中国市場を捨てて、あえて世界一競争から降りた。
世界一から降りたトヨタ
トヨタが3年ぶりに中国で新工場を建設し増産体制に入ったというニュースが駆け巡った。
その少し前、2014年の世界販売台数でVWがトヨタを抜いて世界一になったというニュースが流れた。
トヨタの2014年世界販売台数は1016万台だった。
トヨタは前年比0.3%増に対し、VWは前年比3%増の、1019万台だった。
トヨタの総力を挙げれば3万台くらい”売った事にして”自社買いでも何でもして世界一になれた筈だが、何の抵抗もしなかった。
むしろ世界一から落ちるのを望んだように見える。
両方のニュースを分析して『世界一を奪われたトヨタは焦っている』やっと重い腰を上げて中国を重視し始めたといった解説がなされた。
ドイツのVWグループはゴルフで有名だが、大衆車を生産するありふれた自動車メーカーに過ぎなかった。
それが短期間に買収攻勢を掛けて他社を次々に傘下に入れ、売上を倍々ゲームで増やしました。
現在ドイツの自動車メーカーでVWグループでないのは、BMWとメルセデスだけになった。
VWはまた1980年代から中国市場を重視し、現地生産に熱心に取り組んでいた。
2014年、VWの中国販売は368万台で2年連続の首位に立ちました。
VWの世界販売に占める中国の比率は35%に達している。
トヨタの中国販売は100万台で、わずか10%に過ぎない。
新工場の実体は
まず中国新工場への投資額は同時に発表したメキシコ1200億円に対して、中国は約525億円と半分以下でした。
まず敷地は新たに取得するわけではなく、既存工場に隣接する空き地だという。
生産ラインは1ラインに過ぎない。
生産規模は年間約10万台で、今までの103万台の1割に相当する。
大きく見えるがVWの中国生産が360万台なのを思い起こせば、増産というより現状維持と受け取れる。
本気でVWのシェアを奪いに行くなら、数十万台から100万台の増産があってもおかしくない。
さらに新工場の稼動は3年後で、その前もその後も、生産増加のための対策は特に無い。
新工場への投資額525億円についても、合弁相手の広州汽車集団が半分を出資し、さらに中国トヨタは合弁会社なので、トヨタの持分はその半額の約100億円でしかない。
さらに新工場投資は、中国で稼いだ利益の再投資で賄うので、トヨタ本体の負担はゼロ円なのである。
増産に乗り気なのは中国の合弁相手だけで、トヨタは「金は1円も出しませんよ。それで良ければ勝手にどうぞ」の姿勢である。
中国では年間2500万台が売れるが、生産能力は5000万台もあり、完全に過剰生産になっている。
そこで増産しても利益は望めないという計算である。
中国軽視のトヨタ、重視のVW
中国でもトヨタブランドは価値が認められているので、売ろうとすれば売れる筈だが、まったくやる気がない。
2012年の中国における反日暴動、日本企業打ちこわしからトヨタははっきりと中国軽視の姿勢を見せたが、これ以前からトヨタの中国依存度は他社より低かった。
理由として考えられるのは、中国は進出した企業の特許や商標権、ブランド、企業秘密、技術的成果を奪い取ろうとする。
中国に進出したら最後、数十年掛けて開発した成果を根こそぎ奪い取られる。
トヨタはハイブリッド車など技術を重視する企業なので、これらを明け渡すのは論外であった。
ハイブリッド車も特許が切れるまで中国での生産を見合わせている。
反日暴動も影を落としたが、外国企業の権利が保護されない事に警戒心を持っている。
例えば中国でいくら儲けても、そのお金を国外に持ち出す事はできない。
中国市場が拡大している間は良いが、縮小し始めたら人民元など使い道が無い。
中国から撤退する外国企業が相次いでいるが、撤退しても資産を国外に持ち出すことができない。
中国から撤退する時は、全てをドブに捨てて出て行くしかない。
また中国には厳密には外国企業が1社も存在せず、現地企業になっている。
中国のトヨタは、トヨタと現地企業の合弁会社に過ぎず、意思決定権は中国側にある。
中国に進出して依存度を高めた企業は、企業の存亡を中国人経営陣に握られてしまうのである。
合弁企業の経営陣や重役の中国人というのは、要するに共産党から送り込まれた、政府の目付けのような連中である。
こういう不自由さがトヨタの中国軽視の原因になっている。
コメント
なぜトヨタは中国から撤退しようとしないのでしょうか。
やる気がないのであれば新工場など作らず
早々に手を引くのが良いと思うのですが。
また新工場への投資額は生産台数に対して大きすぎるように思いますがどういうわけなのでしょうか。