米軍は中国の侵攻を日本-フィリピンで食い止められず、オーストラリアで防衛するプランを描いている

驚異の原潜計画
米国、英国、オーストラリアによる安全保障会議「AUKUS」(オーカス)は23年3月13日米カリフォルニア州サンディエゴで首脳会議を開き超大型潜水艦計画を発表した
目玉は米国製潜水艦をオーストラリアに輸出する事で、まず2030年代初頭米ヴァージニア級原子力潜水艦3隻を輸出し、追加で2隻購入できるオプションも設定する
2027年からは、米英が西オーストラリア州パースにあるRANの基地に少数の原子力潜水艦を配備する
アメリカはイギリス、オーストラリア海軍のために新規開発の原潜SSN-AUKUSを設計・建造し2030年代後半から引き渡しを予定している
新設計攻撃型潜水艦はイギリスが設計し、英豪で建造されることになるが、3カ国すべての技術が用いられる
アメリカは潜水艦の建造能力を高めヴァージニア級原潜のメンテナンスを改善するため、今後数年間で総額46億ドル(約6100億円)を投じる
オーストラリアはイギリスが開発する原潜を元にアメリカの技術を取り入れて国産原子力潜水艦を建造し、2040年代初頭に配備し8隻まで増やす
バイデン米大統領は豪州が配備する原潜は「核兵器は搭載しない」と述べたが、逆に言えば「核兵器を搭載可能」とも受け取れる
こうした原潜は核ミサイルを搭載するもので、常時核弾頭を搭載しなくても搭載可能な原潜を保有する事が抑止力につながる
原潜は帰港せず無限に航行できる事と大型ミサイルを搭載するが、価格が高価であるために配備数が少なくなる欠点がある
もし潜水艦を防衛目的に使うなら小型で低価格な潜水艦を多数保有するべきだが、原潜はその目的には合致しない
日本のディーゼル潜水艦が1隻700億円で米原潜は4000億円なので、防衛目的で多数配備するなら同じ予算でディーゼルは5倍以上配備できる
将来的に日豪韓へ米軍が核を配備か
オーストラリアは最初日本の「そうりゅう型」を輸入したいと申し出て、当時の為替レートで12兆円になる予定だったが原潜にした事で30兆円以上に膨らむ
オーストラリア政府は国民の反日感情と政権交代で形だけの入札をやりなおしフランスの潜水艦を選定したが、これは設計図すらない最低の潜水艦だった
フランスは自国の原子力潜水艦の動力をディーゼルに取り換えて「性能は原潜と同じです」とセールストークをし、嘘を真に受けた豪政府はフランスと契約したが、後に騙されたのに気付いて反故にした
2016年頃から米中対立が本格化し米軍は米中戦争で日本列島の後方、オーストラリアに防衛線を敷く新防衛計画を発表していた
当時の計画ではもし中国が侵攻してくると日本列島からフィリピンでは防衛しきれず、米軍はより安全なオーストラリアを拠点にして戦う事になっていました
オーストラリアの防衛力を強化する事がアメリカの防衛計画と合致したために、これほど簡単に原潜輸出が認められたと考えられる
オーストラリア原潜計画が日本に与える影響ですが、オーストラリアが核弾頭搭載可能な原潜10隻以上を保有するのに日本が『非武装の』潜水艦だけというのはいかにもバランスが悪い
日本の20数隻の潜水艦隊はすべて防衛目的で相手の軍艦や輸送艦を沈めるのに特化していて地上攻撃能力はない
防衛省は弾道ミサイルを発射できる垂直発射管を備えた潜水艦を開発したい意向だが、それに通常弾頭の巡航ミサイルを搭載してもあまり意味がない
アメリカは日米韓で核抑止力の情報共有をする協議体の創設を打診しているが、これが意味するのは日韓への核の配備だと思われる
米軍艦や米軍機による核の持ち込み、ドイツやイタリア方式で米軍が管理する核弾頭を日韓が使用するなどが考えられる
アメリカはおそらくアメリカが管理する核を同盟国が使用するような核配備を望むはずで、英仏のように新たな核保有国が続々と誕生するのは望んでいない