自販機が電気を浪費したと、事実と逆の事を言っていた
引用:http://www.takeshou-gr.co.jp/refresh/images/graph.png
「自動販売機は大量の電気を浪費している」誰が言い出したのか常識になっています。
だが計算してみると同じ金額を売るのに、自販機はコンビニの1割しか電気を使わない。
東北地震の時に「自動販売機が大量の電気を消費している」とマスコミと世論から攻撃されていました。
本当に自販機はコンビニやスーパーと比べて電気を食っているのかを検証してみます。
間を取って一日平均50万円と考えて年間売り上げは1億8000万円以上になる
東京都内の平均的な1店舗の年間電気料金は約334万円らしいので、売上と電気代の割合は1.85%になります。
考えなければならないのはコンビニやスーパーは『店全体』を冷房あるいは暖房するので、電気代の総額も見ないといけない。
そして店舗の冷蔵庫は明らかに、冷蔵庫自体を倉庫としても使っています。
コンビニやスーパーの冷蔵シューケースは間口1200で消費電力300Wくらいの物が、壁一面に並んでいる
このサイズの冷蔵庫一つで月1万円の電気代は掛かっていると推測できるが、使用条件で差が出るので一概には言えない。
だが店全体で月30万円以上の電気代を考えると、妥当なのではないかと思えます。
コンビニ売上の2%弱は電気代と考えると、非常に高いです。
ヒートポンプ自販機、ピークシフト自販機などの節電型への切り替えが急速に進んでいる。
自販機の消費電力は600w以上はありコンビニ冷蔵庫の2倍もあるが、フル稼働した時の最大値です。
夏の日中は冷却を弱くしたり、冬は熱を再利用したり、定格最大出力で稼動する事はあまりない。
以前は月5000円の電気代だったが、最近の機種は年間平均で月2000円未満になっている。
自販機のドアを開けるのは、すごく売れている自販機は毎日だが、平均すると数日に一回です。
常温のドリンクを補充して、冷えるまでの数時間しか最大電力にはならない
日本中の自動販売機の1ヶ月の電気代は90億円くらいと試算されていて、年間の総電気料金は1080億円。
自動販売機の台数は505万台もあり、月の電気代は平均1800円くらいになっている。
年間の総売上は5兆2000億円以上なので、売上に占める電気代の割合は約0.2%になります。
同じ売上を得るのに自販機は、コンビニの10分の1強の電力しか使っていませんでした。
頻繁に開け閉めするコンビニの冷蔵庫や、店全体を冷暖房する電力も考えると、このくらいになる。
なお設置台数や数字は調査した年度が違うので誤差があります。
この理由として考えられるのは
1、基本的に開け閉めしないので、真夏に冷やしていようが、真冬に温めていようが熱は逃げない。
2、密閉性が高くガラス部分が無いので熱の出入りが少ない。
3、コンビニのケースは倉庫代わりにしているが、それよりは入れておく本数が少ない
4、一定年数で新型機に入れ替わるので、節電型への移行は急速に進んだ。
夜間照明は街灯にもなっている
引用:http://www.anotherlounge.jp/blog/img_blog/2008/d8e1191605f3_A64B/_5043402.jpg
東北地震の後で自動販売機が槍玉に挙げられ、次のように批判されました
「東京都の消費電力の20%を自販機が消費している」(日本中の合計で)
「自販機は2台で家庭1軒分の電力を消費している」
定格電力と実際に消費する電力の違いを知らず、あるいは知っていても嘘を言う人が続出した。
「定格消費電力600Wの自動販売機を24時間フル運転した場合、月2万円の電気代がかかっています
という言い方なのだが、これは真夏に一ヶ月自販機のドアを開けっ放しにした時の電気料金です。
自販機は家庭用冷蔵庫より密閉性が高いうえに、開け閉めしないのでフル稼働するのは補充後の数時間だけです。
困った事に石原慎太郎という東京都知事が、この考えに取り付かれてしまい、自販機悪玉論の先鋒に立っていた。
大地震の時のような状況ではとかく、真実よりも情報量と声の大きさが物を言います。
「自販機は省電力」と小声で言うよりも「自販機は東京の電力の2割を使っている!」と言えば受けるのです。
実際には自動販売機の飲料はスーパーやコンビニより、遥かに低電力で販売されていました。