工事費用は業者が負担し利益だけを受け取れる
引用:http://www.p-avenue.co.jp/cgi/search/data/upfile/14-1.jpg
駐車場経営が空き地の手軽な投資として行われているが、儲かるものでしょうか。
コインパーキングはずっと昔から在った気がするが、全国に普及したのは2000年以降でした。
コインパーキングには、大別すると踏み切りの遮断機のように棒が下りてくるゲート式と、ロック式とがあります。
90年代以前はゲート式しかなかったが、現在ではロック式が爆発的な勢いで普及している。
昭和の時代に個人が自動車を所有するようになり、保有台数が人口に迫っていくと、駐車場不足が深刻化しました。
時はバブル経済で都会では建築ラッシュになり、空き地はどんどん減り車は増えて行きました。
空き地におじさんが立っている有人駐車場だけでは足りなくなり、タワーパーキングという駐車専用ビルが建設された。
さらにゲート式の無人駐車場や、自治体が運営する路上の一時駐車場も開設されたが、駐車場不足はむしろ悪化した。
人口1.2億人に対して自動車は8000万台なので、目的地についても駐車場が無くて降りれないといったケースが続出した。
ロック式コインパーキングが登場したのは1991年で、普通の駐車場にロック板と自動生産機をセットした「タイムズ」が始まった。
ロック式は工事費が安く思えるが、意外にもロック板の設置など駐車1台辺り20万円ほどの費用が掛かっている。
清算機も100万円ほどするので、10台程度のコインパーキングでも300万以上が掛かっています。
対する遮断機が下りるバー方式はロック板と地下工事が不要なので、清算機と遮断機だけで良い。
しかも駐車1台ごとの設備は不要で、入り口にだけ設置するので、大規模にしても工事費用は同じです。
逆に言えば少規模でも大駐車場と同じ工事費が掛かり、清算機200万と遮断機200万の、合計400万円はする。
計算すると15台以下ならロック式が安く、15台以上ならゲート式が安くなり、15台だと400万円で同じ程度になります。
最近増えているコインパーキングの殆どは15台未満なので、ロック式だけが増えている事になります。
今書いたのはオーナーが設備を購入して工事費を負担した場合で、駐車場サービス会社と契約すればもっと安くなります。
「タイムズ」のようなサービス会社は「一括借り上げ方式」と呼ぶ契約方法を用意していて、オーナーは1円も支出しなくていい。
駐車場そのものをサービス会社に貸してしまい、工事も運営も会社側が負担するので、オーナーは賃料だけを受け取る。
工事費や経営リスクは全てサービス会社が負担する代わりに、賃料は当然少なくなります。
これらのコインパーキングでは、一体いくらの収入を得られるのでしょうか。
サービス会社のモデルケースは多くの場合、駐車1台当たり5万円の収入が得られると書いて在ります。
勿論これは「成功例」で、固定賃料の場合も場所によって大きな差があると想像できる。
需要が少ない土地で契約したら月1万円にならない事があるだろうし、自己負担方式だと赤字になり負債を作るでしょう。
さらに契約の盲点をつくような「悪質業者」の被害例が多く報告されている。
典型的な悪質業者は「初期投資無料」をエサに固定賃料契約を高額賃料で勧めてきます。
1台当たり毎月6万円とか夢のような数字で契約して、実際最初はその金額を支払います。
だが契約では「状況に応じて賃料は変更される」という一文があり、業者が変更できるようになっています。
最初6万円だった賃料は翌月5万円、次は3万円とどんどん下げられていき、最初の半額以下にされるのが普通です。
業者にしてみればオーナーに支払う金額を減らすほど自分の収入が増えるので、「固定賃料」と言っても減らせる契約にしてあるのです。
多くのオーナーは「こんなものか」と思って下がっていく賃料を受け入れるが、中には「自主運営方式」に変更する人も居る。
「自主運営方式」は全ての費用を自腹で払う代わりに、売上の多くがオーナーに入る制度で、集金は業者が代行する場合が多い。
収益が一気に増える可能性がある代わりに、損失を出すリスクも自分で負わなければならない。
リスクを負わなければ利益も得られないという、世の中の基本どおりの仕組みになっているという事です。
コインパーク開業には資格も登録も不要だが、逆にアパート経営のような税制優遇措置も、あまりありません。
初期投資が不要ですが利益も少ないので、土地を取得して駐車場を始めても、それで利益を上げるのは困難です。