他人の金でマネーゲームしているディーラーでも、負け始めたらこうなる
引用:http://wordleaf.c.yimg.jp/wordleaf/thepage/images/20150824-00000010-wordleaf/20150824-00000010-wordleaf-081666548f281ef73c80871dad04b14be.jpg
金融危機や世界同時危機では、株安、原油安などあらゆる投機商品の値段が下落します。
現代では投資のハードルが低くなり、例えば1000円からでもミニ株や投信が買えるし、100円でFXが出来る。
ですがショートは普通の買い「ロング」より利益を得るのが難しいので、市場全体では必ずロングが多くなります。
実際は「ロング」も「ショート」も必ず同数ですが、ショートは業者が保有し、一般客はロングを保有しています。
相場が下落すると一般人は含み損を抱える事になるが、これがかなり大きな負担になります。
日経平均は2015年8月のチャイナショックでは盆休みから4日間で2000円も下げましたが、これは10%に相当します。
ですが信用取引ではレバレッジ(倍率)を掛けられるので、レバ2なら20%、レバ10なら100%の含み損です。
仮に10万円をお小遣い投資していて日経平均をレバ10でロングしていたら、4日間でパーです。
それがお小遣いではなく100万円とか1000万円だったら、樹海に旅立とうか考えるレベルです。
こんな場合SNSやネット掲示板では「○○○万円損した」という不幸の報告が殺到する事になります。
2011年の3月頃だったと思いますが、30万円で日経平均のオプション取引していた人が、追証1億8000万円を請求されました。
11年3月だから地震の前にポジションを建てていて、地震後に損失になった訳です。
彼がやっていた取引は一ヵ月後に日経平均が○○○○円以上なら利益が上がり、それ以下だと損失になる物でした。
2011年は前年から穏やかな相場が続き、彼は元手の30万円を6千万円に増やし、さらに増やそうとした。
そこに襲ったのが東北地震で、設定期限が来るまで損切りもできずに眺めていた。
日経平均が下がるほど損失が膨らむ仕組みなので、最終的に1億8000万円の追証を請求されました。
6千万円という大金であっても、相場の暴落の前では紙切れのように吹き飛んで消えます。
因みにこの人は証券会社と示談が成立し、大部分を払わずに済んだそうですが、これが地震という特殊な状況を考慮されたからでしょう。
普通は証券会社は絶対に債権放棄に応じないし、ドラマの悪徳金融のように地の果てまで追いかけてきます。
「あらゆる投資家が破産した原因は全てレバレッジだ」といった有名な投資家がいましたが、中でもオプション取引は最悪の物です。
成功時の利益が大きいなら、失敗時の損失も大きく、そのうえ業者に天引きされる手数料も大きい。
パチンコでも競馬でも投資でも、この悪の原則は世界共通です。
地震の時の日経平均
引用:http://www.rizimg.net/img/chart/p/nikkei/chart_20110315.png
レバレッジを掛けるよりもっと最悪の投資法が存在し、それは「ナンピン」と呼ばれる追加投資です。
大半の人は「ナンピン」と言わずに追加投資など別な言葉で置き換えるが、内容は同じで「損失隠し」「気休め」に過ぎない。
日経平均が10%下がったとき、同じ金額を購入すれば平均して5%下がっただけになり、相場が回復したとき早く利益を得られる。
一見すると正しい投資法ですが、資金には限りがあるので、もっと下がり続けたらもっと損失が膨らみます。
追加投資して評価額が減少すると、例えレバレッジをかけていなくても、実質的なレバレッジが上昇していきます。
評価額減少で証拠金が不足したら、追証を請求されるかロスカットされて初めて、損失が現実になります。
この最終局面を迎えるまでは、損失はアニメのような架空世界に過ぎないので、投資家は現実になるのを避けようとします。
ナンピン、追加投資、押し目買いなど、どう言い換えても同じですが、損失ゼロになるまでのハードルを下げようとします。
ナンピンした後は、する前よりも損益分岐点までの「高さ」が低くなったので、自分が正しい事をしたような安心感が得られます。
だが相場は一旦下げだすとほとんどの場合、坂道を転がる雪だるまになってしまい、止められません。
含み損という雪だるまはあっと言う間に巨大化して、もはや何かに激突するまで止まらなくなります。
だから著名投資家の本には必ず「小さいうちに損切りしなさい」と書いてあるが、大半の人は逆の事をします。