戦闘機Dassault Rafaleは次々にキャンセルされた
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引用:http://www.bestdreamworks.com/hobby/items/1227//h4.jpg



兵器輸出で赤字だったフランス

兵器輸出の先進国で大儲けしていると思われていたフランスだが、実は赤字だった。

調べてみると米露中など「輸出大国」はどれも、儲かっているとは言いがたい。

日本では数年前に武器輸出が解禁され、防衛企業や政府が海外への売り込みに力を入れた。

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商業的な成約は1件も無いが武器を輸出すれば大儲けできるのでは無いかという期待がある。

だがそうした期待に冷や水を浴びせるように、武器輸出先進国のフランスが大損失を計上していた。

2015年ごろにフランス政府は600億ドル(7兆円)の損失を被った。


損失のほとんどはインドとエジプト向け戦闘機Dassault Rafaleによるもので、大半がキャンセルされた。

インドは126機のDassault Rafaleの購入を予定していたが、やはり大半をキャンセルした。

フランス製戦闘機は元々、政治的理由でアメリカ製を購入出来ない国にとって、代用品という位置づけだった。


輸出攻勢をかけたのがロシアで、カタログ性能がフランス戦闘機より優れ、価格が安い。

もっとも最高速度や航続距離、爆弾搭載量で優れても、電子装備やミサイルの性能で優れているフランス戦闘機が実戦では勝つでしょう。

とはいえ購入する国はカタログで性能を見て決める訳で、フランスとロシアが戦って決める訳ではありません。



激化する価格競争

こうした事は戦闘機以外の兵器でも起きていて、東西冷戦の壁がなくなった事で、西側の国もロシア製兵器を購入しています。

アメリカは自国が世界最大の兵器購入国なので、輸出が多くても少なくてもあまりダメージを受けません。

性能が良ければ日本のような国が購入するので、値引きは一切しない殿様商売をしています。


フランスは兵器輸出を振興し、大いに儲けようという政策を取っていました。

だがロシアの低価格攻勢に加えて、中国も兵器輸出を拡大し、韓国なども輸出を目指している。

これらの国に対して性能で勝つのは簡単だが、価格で勝つことは不可能です。


日本はオーストラリアに潜水艦を輸出しようとしてキャンセルされたが、兵器の世界では日常茶飯事です。

結局どんな兵器でも現代では複数国の競争になってしまい、「値段はいくらですか?」と相手に聞かれるのです。

価格を引き下げる原因の一つになっているのは中国で、中国の輸出先はパキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、アフリカなどが占めている。



儲かっていない兵器輸出国

パキスタンは中国から最新潜水艦8隻を50億ドル(6000億円)で購入するが、経済は破綻していてお金を持っていない。

じゃあ何で支払うかというと鉱物資源と物々交換で支払うとされていて、早い話無償供与に近い。

石ころの値段を6000億円にすれば「6000億円で売れた」事になり、中国は武器輸出で世界3位になれる。


パキスタン、バングラデシュ、ミャンマーにはいずれも実質武器援助をしているが、お金を受け取った事にしている。

世界最大の輸出国アメリカは年間100億ドル以上を輸出していて、凄い金額のように一見思える。

だがたった1兆円に過ぎないので、ペットボトルのコーラでも輸出したほうがマシな「市場規模」でしか無いのです。


そしてアメリカは同盟国や友好国に対して、膨大な無償援助を行っているのを忘れてはならない。

アメリカは1兆円を輸出しているが、同時に無償援助で損をしているので、トータルすれば全然儲かっていない。

「武器商人は儲かる」という人が居るが、確かに商人は儲かると思うが、国家は儲かっていない。


実は世界の兵器「輸出」市場はかなり小さく、1位アメリカが100億ドル、2位ロシア60億ドルでした。

3位以下は10億ドル程度に過ぎず、全世界合計でも300億ドルに過ぎません。

世界の軍事費合計は1兆7470億ドル(約206兆3400億円、2013年)に対して、非常に小さいと言えます。


この小さな市場の中に日本が割って入っていって、大儲けができる可能性は少ない。

武器輸出国のほとんどは友好国に無償援助しているので、差し引きしたら赤字で輸出しています。

日本は日本で従来どおり自国の中で完結する防衛産業を基本にして、加えて輸出も目指す程度で良い。