ベア型ETFは株価と反比例の値動きをする
引用:http://kabu.com/item/fund/feature/img/bull_bear-graph01.gif
中国危機をきっかけに世界中の株価が大きく下げ、日経平均も2万円超から1万8千円割れまで下落しました。
下落では大きな損失を被るものですが、下落時に利益を狙う投資商品も存在している。
下げ相場で利益を得る投資
世界的な株安であらゆる投資が値下がりし、世界で数百兆円が失われました。
通常どんな投資でも円高・株安の時には下げるものですが、こんな時に急上昇する投資商品があります。
別名「恐怖指数」と言われているVIX指数は、投資家心理が悪化するほど上昇するので、株価と反対に動きます。
VIX指数は米国のS&P500オプションの価格から将来のボラティリティ(変動幅)を予測した数値です。
投資家心理が悪化するとVIX指数が高まり、投資家心理が安定すると、指数は低くなります。
リーマンショックの時には空前の高数値を記録し、VIX指数で大きく儲けた人も居ました。
別な投資対象としてはベア型投資信託は、株価が下落すると利益が出るように運用されている。
この特性を上手く利用すると、株価の下落時に、他の投資対象での損失をカバーする事もできる。
株や先物、為替取引では空売りをショート、Sするなどと言いますが、これらは単純に値動きが逆さになります。
多くの人は一つの投資対象で大きな損失を受けないように、分散投資でリスクヘッジすると思います。
日経平均を買い、FXでドル円を買い、投資信託を買い、ETFを買い、日本株をなん銘柄も買います。
しかし市場が悪化したときに、これらは同時に値下がりするので、リスクを増やすだけでリスクヘッジになりません。
ベア型投資信託
相場の下落時に上昇する投資対象としては、「ベア型投資信託」のような物があります。
ベア型は相場の下落時に上昇し収益を狙える商品で、少しの値動きでも、2倍型や3倍型は高いリターンが狙える。
当然ながら上昇相場では逆に損失が出るが、これとは逆に株価に正の連動する「ブル型投資信託」も存在している。
ベア型ファンドは投資信託、ETF、ETNで購入でき、証券各社で用意されている。
株価に連動して2倍の値動きになるものが多く、大きな利益を狙えるのを売りにしている。
上昇相場では「ブル型」で儲けて、下落相場では「ベア型」で儲ければ、少ない資金で大きな利益が狙える。
通常の投資商品と「ベア型」を組み合わせれば、どちらかが損失を出してもどちらかが利益を出すので損失は小さくなる。
ただしこの状態では両建てしているのと同じなので、決して利益は出ないでしょう。
活用する方法としては、相場が下がりそうだと予測できる状態で「ベア型」ETFを建て、危機が去ったら決済するなどになる。
「ブル型」「ベア型」は複利効果が有るので利益が出れば、株価の値動きの2倍以上の利益が短期間で得られます。
代わりに長期保有には向いていないので、明確な下げ相場の予測を立てた時だけ、活用する。
ETFは、株式市場の取引時間中に市場価格で何度でも売買でき、信用取引より手続きが簡単です。
分散投資しても下げ相場で全部値下がりすれば、リスクは減らない
引用:http://finalrich.com/fund/image/fund-risk-despersion.gif
VIX指数は使いにくい?
VIX指数が「ブル型・ベア型」と違うところは、相場が悪化したときだけ急激に指数が上昇し、普段は低値安定している事です。
それなら低値の時に仕込んで置き、急上昇したときに売れば良い気がしますが、そうできない事情がある。
VIX指数の特徴として、大きな危機のとき以外には低値安定なので、急上昇するのは数年に一度です。
手数料なしで保有し続ける事ができるなら、投資のリスクヘッジとして、これを買っておくのも悪くない。
リーマンショックが起きた2009年には20以下だった指数が80以上に上昇したので8倍になりました。
このVIX指数に連動したETFが、VIX先物指数で、中期と短期があります。
短期の方が値動きの上下が大きく、平常時と比較して10倍から20倍以上にも上昇します。
だがVIX短期先物は1ヶ月ごとに限月のある先物なので、定期的に買い換えてポジションを維持しなければならない。
この手数料によって、急激に跳ね上がるとき以外は、段々と目減りして右肩下がりになる現象が起きています。
先ほども書きましたがVIX指数が大きく上昇するのは、3年とか5年に一度というような経済危機の時だけです。
これに投資して儲けようとしても非常に気の長い話になり、目減りする口座残高を眺めているのは現実的ではありません。
VIX先物は使い難く儲けにくい、リスクヘッジにも向いていないと言われる所以です。