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インドネシア高速鉄道 まさかの白紙撤回 日中鉄道戦争の結末

ジャワ島を縦断する巨大プロジェクト
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引用:http://www.jakartashimbun.com/images/2014/2014-01-30-01-21-44_1.jpg

インドネシアの700キロを越える高速鉄道の受注を巡り、日本と中国が争っていました。

だがジョコ大統領は9月3日「どちらも受注せず、中速度の鉄道に変更する」と述べた。

景気悪化と財政難

インドネシアと日本政府が進めてきた高速鉄道計画が、白紙撤回され波紋を呼んでいる。

ジャワ島を縦断する約730キロの高速鉄道計画のうち、首都ジャカルタからの140キロが今回の計画だった。

2012年頃には日本の受注が有力になっていたが、その後政権交代や世界的な景気悪化、中国の割り込みがあった。


中国は日本が無償援助した新幹線技術を無断でコピーし、国内で建設したほか輸出も目指しています。

今までに中国新幹線を採用した国は一カ国も無いが、インドネシアが輸出第一号になると期待していました。

インドネシアはASEANの中でも人口が最大で、鉄道、電力、港湾や道路などのインフラ計画が目白押しです。

高速鉄道はその中でも目玉だったのだが、「乗車料金が高すぎる」建設費が巨額であるとの理由から2015年に凍結されてしまった。

中国のメディアはこれに独自の解釈をし、「日本の新幹線が高すぎるので、中国の高速鉄道が受注した」と報道した。

ジャカルタ-バンドン間120キロの予備調査を、中国とインドネシアが合同で行う事に合意している。(日本は既に調査済み)

これが2015年の春ごろまでの状況だったが、インドネシア当局は日本と中国を天秤に掛けて交渉して、条件を比較した。

ジャカルタとスラバヤ間の料金は日本円で1万円以上であり往復2万円にもなり、労働者の月収にも近い。

ところが格安航空(LCC)なら片道3000円からと半額以下であり、建設しても無駄になるという危惧はもっともな事でした。

インドネシアの都市以外の人は、鉄道を見た事がない人が大勢居て「高速鉄道より吊り橋が必要」だと政府要人は発言している。

4月22日、インドネシア大統領は「高速鉄道計画では日本と中国のどちらかが選ばれる。」と明言し、今年中に決めると示唆した。

この後日中双方がインドネシアに有利になる条件に変更して再提案したとみられている。

高速鉄道より吊り橋が必要

中国は受注第一号を目指して採算割れの格安の金額を提示したとされ、労働者も低賃金の中国人を大陸から動員する。

日本側は金利0.1%という事実上のマイナス金利で事業費を融資する条件を提示しました。

この金利だとインフレによって、長期間多額の金を借りるほど、実質的な返済金額は小さくなっていく。

インドネシア政府は15年の8月末までに日中どちらかに決定すると発表したが、当日になって延期が発表されました。

さらに9月3日になって、「日中どちらも採用せず、従来型鉄道で高速車両を運行させる」という驚愕の発表がなされた。

スティオン調整相は「ジョコ大統領は、高速鉄道を作らないと決めた。中速鉄道で十分」と語った。

インドネシア政府は9月2日に最終的な決定をする会議を開催したが、日中双方の案ともに、負担が大きすぎると反対意見が続出した。

これを受けて大統領は、国家予算を投入せず、融資への政府の保証もしない方針を確認した。

つまり鉄道建設に政府は金を出さないという事で、独立した事業体として資金を集めて行うのだろう。

140キロの高速鉄道建設に必要な予算は50億ドル(約6千億円)で、そのうち5000億円を年利0.1%で融資する条件を日本は提示した。

中国は総工費60億ドルだがたった2年で完成させる計画を提示して、「非現実的だ」と指摘された。

中国案では約7000億円全額を融資するが、年利2%と高いので、返済期間が長くなれば支払い金額は多くなる。

インドネシア政府は時速300キロ以上ではなく、時速200キロ以上で総事業費が4割程度圧縮される計画を望んでいると発表した。

ナスティオン経済担当調整相は、日中双方の大使を呼んで説明し、両国に改めて計画の提出を求める考えを示した。

ジョコ大統領は首都ジャカルタと地方の格差拡大を是正する必要に迫られていて、高速鉄道で格差が拡大するのを敬遠したという指摘もある。

コメント

  1. ナカソネ より:

    まあ日中両国にとって良かったじゃないの。チキンレースみたいになっていたし。お互いに財政厳しいでしょう。ところで 中国はいよいよ金無いのかな。今回の危機では大型財政出動せずに金利引下、人民元切下げなど金かからない金融政策ばかり。あと気のせいかもしれないが面子ロケット打ち上げ狂気みたいにしてたのが、最近ピタっと止んだような。

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