拍手!2拍手!3拍手!4拍手! (記事が良かったら拍手しよう)
読み込み中...
スポンサーリンク

人民元の国際化遠のく IMFは自由化要求 SDRとAIIBは夢か

共産党の都合で、上がったり下がったりする基軸通貨は御免だ
e5fe51b62f7e
引用:http://s020.radikal.ru/i712/1406/25/e5fe51b62f7e.jpg

中国はGDPでアメリカを抜くとともに、人民元を基軸通貨にして、名実ともに世界の支配国家になろうとした。

しかし今、人民元は1997年のタイ・バーツのような暴落圧力に晒され、懸命に買い支えている。

突然の通貨ルール変更

少し前に人民元国際化が盛んに言われていましたが、最近はさっぱり聞かなくなりました。

8月11日には為替レートの算出方法を変更し、事実上人民元の切り下げを行いました。

この頃中国は内需低迷と株価下落に悩んでいて、輸出を拡大して問題を解決しようとしたと推測されている。


中国政府と人民銀行は為替を自由化したら結果的に人民元が下がっただけで、自由化されたのだと説明した。

だが人民元下落を見越した突然の通貨政策変更は、外国からは管理経済の強化と指摘されました。

特にアメリカは人民元を安値誘導して、輸出を有利にして米国に損失を与えるものだと警戒している。

人民元は8月11日に2%、翌日も2%以上下げ、2日間で5%近くも通貨下落した。

この下落幅自体は実は他の国と比較して小さい変動幅で、例えば日本は75円から124円に約5割も変動している。

問題は中国政府の意向によって、ある日突然ルールが変更されてしまったという不自然さへの不信感とされている。

昨日までドルに連動させて市場操作していた人民銀行が、唐突にルール変更して外国の投資家に損失を与えた。

通貨が5%下がれば、アメリカなどの投資家が保有していた中国資産が5%目減りし、収益性が悪化してしまう。

サッカーの試合中に審判がルール変更を宣言したようなもので、外国勢は一斉に反発し外資撤退に繋がった。

対立する日米と欧州・中国

中国は近年、人民元を米ドルに替わる基軸通貨にし、アメリカに代わる超大国になる事を目指していました。

その象徴がIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)通貨に選ばれる事で、日本円や英ポンドと同格になる。

2015年にはアジアインフラ投資銀行を発足させ、英独仏など57カ国が参加し、人民元を「支持した」とされている。

8月11日の切り下げによって中国は、SDRの必須条件である通貨の自由化を放棄したと見做され、批判が強まった。

IMFは8月19日、人民元の公式準備通貨採用は、少なくとも今後1年間は無いと発表しました。

AIIBに加わったドイツ等は人民元の採用を強く推しているが、米国は強く反対しています。

人民元がIMFのSDR(公式準備通貨)に採用されれば、中国の影響力が強まり、軍事的政治的拡大に拍車を掛ける。

英仏独の欧州はアジアがすべて中国の植民地になっても、自分の財布が潤えばそれで良く、アメリカは太平洋を挟んで対立している。

もしASEANのうち一カ国でも中国の支配下になれば、中国軍は自由に太平洋に出入りでき、日本列島は中国海軍に包囲される。

また日本の貿易ルートの過半数はASEAN周辺を経由しているので、食料や原油の輸入も中国の許可が必要になります。

アメリカから見るともしASEANと日本が「中国化」したら、アメリカ西海岸で中国軍と対峙する事になる。

ハワイやグアムは点に過ぎないので、カリフォルニアの沿岸で中国潜水艦や空母が行動する事になります。

こうして日米と欧州は、中国への態度を巡って対立する事になった。

中国の外貨流出、外資撤退

8月11日に人民元を切り下げられ、理不尽な損失を被った外国勢は、損失が拡大しないように資金を撤退しました。

日本の盆休みを挟んで18日頃から中国株が急落し始めたのは、外資の資産引き上げも一役買ったと見られている。

6月には5200をつけていた上海総合株価指数は、8月には3000を割り込んでしまいました。

人民銀行と政府は政府系公社を総動員して株を買い支えた他、株の売却や空売りを禁止したり、逮捕者まで出た。

皮肉な事に株の買い支えや金融緩和は人民元の暴落危機を誘発し、8月11日に切り下げたのに現在は買い支えている。

日本やアメリカの金融緩和と同じで、人民銀行が緩和政策で株を買い支えるほど、人民元は下落していきます。

この数年、アメリカは人民元が安すぎると批判し、中国側は安値で維持しようと攻防があったのに、立場は逆転しました。

今では人民元は政府が買い支えなければ暴落する危険な通貨であり、実力とは不相応に高すぎると評価されている。

人民元の評価が急落したのは、中国経済の実力が過大評価されていたからで、実力に相応しい水準に通貨も下がろうとしている。

IMFは人民元のSDR組み込みの条件として、3年以内に完全な変動相場制に移行する事を求めました。

中国の経済成長の秘密の一つは、政府の決定によっていつでも好きな為替レートに固定できる事で、自由化されれば重要な武器を失う。

日本は1985年のプラザ合意や、その前のニクソンショックからずっと為替変動に悩まされてきましたが、中国も同じになってしまう。

コメント

  1. 暗黒星雲 より:

    人民元安防衛のため、買い支えをやらなければならなくなっていたとは皮肉だ!
    中国の米国債残高は今どのくらいになってるのかな?(元買ドル売りしてるんでしょうか)
    韓国人は相手が自分より身分が上か下かについて
    イ〇のようにこだわるところがある。
    素直に相手の言うようにしてやると自分のほうが偉いからだと錯覚してしまうので、相手がどうしてもと哀願してくるまで検討(通貨スワップ)すべきではない。

  2. ナカソネ より:

    「タイのバーツと同じ」で笑った。中国自身もSDRもうあきらめているのでは。中国の数々の失態のタイミング絶妙だった。株の暴力的PKO、人民元の切り下げ。為替予約の制限。等々さらにあの前時代的な軍事パレード。あんなもん見せられて、どうして通貨国際化できるのか。AIIB参加した国も後悔してるだろう。あと2年早かったら当時の中国ならAIIBもSDRもうまくいったかもしれない。ぞっとするは。神は見ているね。最近の中国の一連の失態は本当に痛快。韓国中央日報が今になって日本と通貨スワップしたいような記事書いていたが、おまえらは紙くず人民元のほうがお似合いだ。

  3. sage より:

    9月ではなく、8月では

タイトルとURLをコピーしました