海警2901は強力な武装を誇る
引用:http://image.club.china.com/twhb/2015/5/25/272425572/pictuku/1432526880994.jpeg
中国が約1万トンの巡視船を建造し、尖閣周辺に展開しようとしています。
この大型巡視船は複数建造され、南沙諸島や西沙諸島にも配備されるようです。
1万トン級巡視船「海警2901」
9月5日、中国最大の巡視船「海警2901」が、中国海警局に配属され浙江省舟山に停泊しているのが分かった。
8月末ごろに海警局東海分局に配属され、東シナ海で展開される可能性が非常に高くなった。
1万トン級の巡視船は世界最大だが、さらに複数を建造しているという。
「海警2901」76ミリの機関砲を主砲として備え、30mm機関砲を左右に2基装備している。
後部にはヘリコプター用甲板を備え、大きさから想像すると格納庫には大型ヘリ2機が格納できるでしょう。
艦影を見ると、確かに大きいのだが巡視船というよりも、高速の砕氷船のように見えなくも無い。
なんだか全体の構造とか、艦橋構造物、煙突や備品などが、最新の海上保安庁の巡視船より古臭く見える。
中国はなぜこれほど巨大な巡視船を複数建造するのかについて、様々な観測が飛び交っている。
日本の海上保安庁は満載9,350トンの巡視船「しきしま」を1992年に配備したが、目的はプルトニウム運搬船の護衛だった。
プルトニウムはウランより危険な物質で核兵器に転用される恐れがあり、海賊に襲われる危険があるとされた。
自衛隊の護衛も考えられたが、軍隊である護衛艦の出動は好ましくないとされて、大型巡視船が建造された。
海賊やテロ対策として砲撃にも耐える構造と重武装、3万7千キロを航行できる航続距離を持っている。
だが建造したがフランス側の事情で護衛は不要になり、冷戦も終わったのでソ連と対峙する事も無かった。
一種の無用の長物と化したのだが、一躍脚光を浴びたのは尖閣諸島に中国船が押し寄せた2012年でした。
中国船は民間船舶や「海監」「海警」と呼ぶ巡視船が連日尖閣海域に現れて、隙を見て上陸しようとした。
美しいシルエットが特徴の「しきしま」
引用:http://mitoi-photolog.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2010/03/22/458.jpg
軍艦並みの武装の巡視船
「しきしま」の行動は秘密にされているが、尖閣周辺を定期的に巡回しているという事です。
「しきしま」は大きさや攻撃力だけではなく、航空管制能力を持ち、ヘリコプターの運用能力も高い。
巡視船団の指揮艦として、中国側に強いプレッシャーを与えていた事でしょう。
「しきしま」は40日間連続航行し、地球一周に近い距離を燃料補給なしで移動することができます。
尖閣諸島周辺でも1ヶ月以上補給なしで止まれる訳で、味方にすれば頼もしく、敵にすればこれほど嫌な奴は居ません。
そうした「しきしま」の行動をつぶさに研究した中国海警局は「ひとつうちも作るか」と思ったでしょう。
恐らく中国海警局は「海警2901」を尖閣諸島のある東シナ海に配備し、建造中の船は西沙諸島のある南シナ海に配備する。
あるいはもう1隻か2隻建造して南沙諸島に展開するなどの用途が考えられます。
巨大な巡視船はその武装が注目されるが「海警2901」は76ミリの機関砲を搭載しています。
「しきしま」の砲は35mm2連装機関砲を前後に2基で、海賊やゲリラを追う払う為の装備です。
姉妹艦の「あきつしま」は少し仕様が違い40mm機関砲と強化されたが、やはり船を沈めるという目的は持っていない。
「海警2901」の76ミリ機関砲は例えば「むらさめ型護衛艦」の76mm速射砲と同じ口径なのです。
海上保安庁は9000トン級「しきしま級」を2隻、5000トン級や4000トン級を数隻保有している。
これらの船は他国の巡視船と主砲を撃ち合って交戦する事はなく、そうなったら自衛隊の出番になる。
中国海警局が軍艦並みの砲を搭載した事の意味は良く分からないが、他国の巡視船も中国に対抗して重武装化するでしょう。
中国人はこれで「わが国は最強になった」と考えているが、巡視船の軍拡に火をつける事になるかも知れない。
ASEANの国々や日本、台湾や韓国、米国なども一斉に大型巡視船の建造と武装の強化を進めるのが予想できる。
いかに中国が海警局を強化しても、周辺国に包囲されれば、危機を招くだけではないだろうか。
コメント
中国が約1万トンの巡視船を建造し、尖閣周辺に展開しようとしている。沖縄県知事はどうするの?
中国好きの民主党、共産党、社民党及びシールズは歓迎デモするよね?それともダンマリ戦術?
もちろん、朝日新聞は安保法案は大騒ぎするけど、中国のやることはダンマリだよね。それとも歓迎の記事書くの?
大砲で威嚇しつつも、実は体当たり戦法の船ですね。
巡視船は軍艦ではないので、体当たりを阻止する為に発砲すると、相手が先に発砲したというプロパガンダ口実を与えてしまいます。
世界の紛争は、いかにして相手に先に手を出させるか、を考えています。
米海軍もサラミス海戦の復活とかで、対応策に苦慮しているとか・・・。
海上保安庁も真剣に考えないと、避難を装った上陸漁民(民兵)の保護を名目に、巨大巡視船がやってくると止めようがありませんよ。