引用:http://www.garbagenews.com/img15/gn-20150425-08.gif
2015年前半は14年前半に「XP買い替え」が起きた反動で、4割近く売り上げ減少しました。
だが調査してみると、成人から50代以下の日本人の80%以上はパソコンを所有していた。
撃沈されたパソコン市場
パソコンの売上が急激に減少し、15年度は前年比30%減の減少が予想されています。
このままではパソコン自体が消滅しかねないが、一方でこれとは正反対のデータも発表された。
パソコンの世帯保有率が67%を越えて史上最高に達したというのだが、どちらが正しいのだろうか。
パソコンの出荷台数は2010年の1527万台がピークで、2014年は1491万台でした。
ここまでは微減だったのだが、15年は30&近い減少になると考えられている。
一体どうして、今年になって急激にパソコン売上が減少するのだろうか。
2015年の第一四半期国内出荷台数(3月まで)は、前年同期比41.5%減、320万台に止まりました。
同じく第二四半期(6月まで)は、前年同期比36.0%減の253万台で、撃沈と言えるほど酷い売上だった。
ここまでは2014年にXPのサポート終了特需があったという「上手い言い訳」が存在していた。
だがそもそも特需があった2014年も、辛うじて前年並みを維持していた程度だった。
結果として2015年前半(1月から6月)の出荷台数は、573万台で前年比38%減少だった。
7月以降は14年にXP終了後だったので、一ケタ台の減少で済むと考えられるが、年間20%以上減少する。
売れていないが所有している
これらの数字は1999年以来の低水準なので、パソコン業界は20世紀に逆戻りした事になります。
違うのは当時のパソコンが20万円以上したのに、現在は5万円以下が売れ筋になっている。
パソコン業界はかなり厳しく、お先真っ暗な状況と言えるでしょう。
パソコンがこのような状態になった犯人は言うまでも無くスマホやタブレットで、2010年が境目だった。
スマホ普及率は2010年に3%以下だったが、2015年は37%を超えているので、パソコンから移動したと分かる。
人々はパソコンを買うのを止めてスマホを買っているが、これとは違うデータも存在している。
パソコンの世帯普及率は2012年から増えなくなったが、現在も67.5%を維持して微増を続けている。
「パソコン離れ」が言われている20代以下の若者が急激に伸びて、15年は所有率86.6%になった。
この若者らが年取ってもパソコンを使うなら、パソコンの保有率はもっと増えるでしょう。
逆にパソコン保有率が減ったのは30代から50代で、最近2年間で84%に減少しました。
最初からパソコン保有率が低い60代以上を除くと、日本人の8割が現在もパソコンを保有しています。
気になる傾向として、中学生のパソコン保有率が「先進国中で最低だった」という内閣府の調査が有った。
買い替えサイクルが長くなった
数字を見るとノートPCとデスクトップ合計で29%に止まっているが、家族と共有のパソコンは含まれない。
逆に日本の中学生のゲーム専用機保有率は携帯と据え置き合計で108%に達し、世界最高だった。
ゲーム機は売れていないと報道されているのに、中学生は全員所有していました。
中学生のタブレットとスマホ・携帯電話所有率は合計で56%なので、意外にも彼らはスマホよりゲーム機が好きです。
これらの異なる色々な調査結果は何を示しているのか考えてみると、子供は言われているようにスマホ大好きではない。
最も好きなのはゲームで、スマホを利用する最大の理由もおそらくゲームをする事でしょう。
大人に関してはパソコンを買っていないのに保有率が増え続けているのは、買い換えていないのを意味する。
90年代や2000年代と違い、2010年代はパソコンの進化が遅くなり、5年以上経っても普通に使えます。
彼らは所有するパソコンが古くなって使えなくなれば、そのうち買い換えると予測できる。
買い替えサイクルが長くなっただけなら、パソコンは消滅せず一定の地位を保ち続ける事になるでしょう。
それよりも子供がパソコンに接していないのが気がかりですが、今の30代から50代が子供の時にパソコンは無かった。
成人してから自分の金で買うのが日本人にとってのパソコンだった訳で、彼らも必要に成ったら自分で買うのかも知れない。