本格NHK大河としては最後になった2007年風林火山
この後はアイドルとお笑い芸人を集めただけになっていった。
引用:http://atky.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/1024_01.jpg
朝から晩までテレビ欄をチェックしても、見たい番組が無いと嘆く人が多い。
テレビ全盛期には良質な番組が多かったが、無料テレビでは製作不可能になってしまった。
見たい番組が無い
テレビがつまらなくなったとは、随分前から聞かれるようになったし、実際面白くない番組が多い。
一番良い時間帯のほとんどをバラエティ番組が占領し、同じような芸人が毎日同じ事をしゃべっている。
特に深刻なのがテレビドラマの不振で、NHK大河が一桁視聴率を連発しているのは象徴的です。
テレビドラマは「ドラマ村」のような村社会で製作されているので、90年代にドラマ枠が減って村人が減少した。
最初は京都太秦などで製作する時代劇が減少し、現在は1本もなくなってしまった。
すると時代劇を製作すること自体ができなくなり、特番やスペシャル枠の時代劇は、以前より質が低下した。
時代劇が好きなお年よりも、明らかに質が低下し、演技がヘタクソになった時代劇には見向きもしなくなった。
これと同じ現象が今、女性向けドラマや2時間ドラマ、刑事ドラマなどあらゆるドラマで起こっている。
テレビドラマは「ドラマ村」で製作されるので、テレビ界全体での村の大きさが、良いドラマを作る条件になる。
ドラマ全盛期には同じ俳優、同じスタッフが、かけもちで時代劇と刑事ドラマ、お昼の奥様ドラマ等も制作していた。
こうしてドラマが大量生産されるほど、作品の質は向上していき、視聴者は引き付けられていった。
ドラマ崩壊の第一歩になったのは80年代の漫才ブームで、漫才を放送するためにドラマを削っていった。
国民全員が見る前提の無料テレビ
当時もバラエティ番組への反発はあったのだが、ドラマ枠も健在だったので互いに共存できていた。
90年代にバランスが狂い始め、良質なドラマを作る力がどんどん低下して行った。
2000年代以降は、テレビ局でのドラマ制作部が「過疎の村」のようになり、今は「限界集落」になっている。
もうすぐ日本のテレビ局では、まともなドラマを製作できなくなるでしょう。
俳優、女優といっても昔のような「本職の俳優」は居なくなり、アイドル歌手やバラエティタレントがやっている。
彼らはマトモな演技は出来るのだが、視聴者を唸らせるような演技は決して出来ない。
ドラマ村が小さくなった結果、村人も小粒になって視聴者を納得させられなくなったので、さらに視聴率が減る。
インターネットが普及して人々がテレビを見る時間もどんどん減っているので、衰退する一方です。
スカパーなどの衛星放送では昔のドラマを放送しているが、それもどんどん質の低いドラマに入れ替わるでしょう。
アメリカでも同じ問題が10年ほど早く進行して、同じように「くそドラマ」を連発していました。
だが現在はテレビを有料化する事で潤沢な制作費が回るようにして、再び黄金時代が到来しようとしている。
アメリカではテレビの無料放送が赤字になり、2010年に全て有料放送に切り替わりました。
無料テレビというビジネスモデルは国民全員が見ることで成立するが、視聴率が下がったので破綻しました。
アメリカは無料テレビ廃止
現在のアメリカでは月に8000円から1万円支払わないと、「テレビ」そのものを視聴できません。
多数の地上派テレビとケーブルテレビのセットが1万円弱で、見たいチャンネルだけだと非常に割高になる。
これが大成功してテレビ業界はバブル状態になり、視聴率ゼロ%のスポーツ番組にも大金がばらまかれた。
日本の野球選手がアメリカに行って数十億円や100億円の契約金を受け取ったのは、全部ここから出ています。
誰も見ていない野球(アメリカでは人気が無い)すらバブルなので、人気ドラマはハリウッド映画並みの資金が出ている。
テレビ有料化の波はネットの動画配信も巻き込んで、ネットフリックスのようなネットテレビを成長させた。
同じ金を払うならネットで好きな番組だけを見た方が良いという人が、動画配信を利用している。
日本のテレビ局の「くそ化」が急速に進んでいるのを見ると、この流れが日本にも遠からず来る気がします。
ドラマと同様に深刻な危機を迎えているのがアニメ業界で、多くのアニメは赤字で製作されています。
深夜アニメの場合、テレビ局からは制作費無料どころが、アニメ会社がお金を支払って放送している場合すらある。
総務省に保護されているテレビ局だけが常に大儲けで、アニメ製作スタッフは時給100円とかで働いている。
アニメ、ドラマの無料放送を廃止してしまい、ネットや有料放送だけにしてしまえば、好きな人はお金を払います。
新作として発表される先行放送は有料で、再放送は無料というようなやり方もあるでしょう。
前にもこういう事を書いたら「有料化なんかしたら誰も見ない」という意見が多かったが、本当にそうだろうか?
ちゃんとした品質のドラマやアニメが放送されるなら、アメリカのように金を払う人は多いのではないでしょうか。
ネットフリックスは日本人の好みに合わないので大成功はしないでしょうが、有料化への動きは確実に進むでしょう。
だいたいテレビ局で最も見られていない?NHKは月2300円の「有料テレビ」です。