介護施設の不祥事が相次いでいる
引用:http://livedoor.blogimg.jp/v168/imgs/f/e/fe7c43a2.jpg
介護施設での労働条件の悪さが報道され、信じられないほどの安月給、重労働で働いています。
原因は国が介護予算を毎年カットして「財政健全化」を行っているからです。
介護職員の現状
介護施設で入居者への事故や虐待が相次ぎ、悪質な介護業者の実態と、職員の質の悪さが浮き彫りになりました。
岡山市の介護業者「メッセージ」が運営する川崎市の介護施設では、入居者3人が相次いでベランダから転落していました。
同じ業者が運営する川崎・東京・三鷹、横浜、名古屋などの施設では、職員が日常的に入居者を暴行したのが分かっている。
この介護業者の施設は高級老人ホームで、家族が入居費や管理費を支払い、施設を訪問していたため発覚した。
一人ずつ個室を持っていたため、家族が隠しカメラで職員の様子を撮影し、証拠映像として公開していました。
だがこのように面倒を見てくれる家族が居ない入居者や、いわゆる貧困者の入る施設では、状況はもっと酷い筈です。
介護職員によるこうした行為は例外的な事ではなく、頻繁に発生しては報道されています。
こうなっている温床は介護業の労働条件の悪さにあり、低賃金重労働で長時間勤務が当たり前になっています。
要介護者は早朝から深夜までずっと何らかの介護を必要としており、休む暇は無く、長時間残業が行われている。
まともに残業代を支払っていては経営が成り立たないので、基本給しか支払わないのが常識にすらなっています。
他に就職先がある人は実態を知ると止めてしまい、働き口が無い人だけが介護職員として残ります。
自然、介護職員は就職出来ない中年男性や、ホームレス寸前の人などが集まっています。
現状では求人に応募すれば100%採用され、かなり勤務態度が悪くても解雇されません。
国は介護にかかるコストをカットしており、重労働なのに給料は下がるばかり、職員の質も下がるばかり。
老人を持ち上げる体力が必要なので女性には向かないとされていて、男性職員が多い。
介護職員の収入
介護職員の労働条件がどのようなものなのか、マスコミで報道されたり、ネット上の体験談で知る事ができます。
前述の事情から、まともに介護を勉強するようなタイプは、就職した瞬間に「失敗した」と気づいて辞めて行きます。
よって多くの人は無資格で介護の勉強をしたことも無く、単に労働者としてパートやアルバイトなど非正規雇用されています。
非正規なので時給労働だが残業代は出ず、ボーナスも当然ありません。
正社員だとボーナスが支給されるが基本給が低く、ボーナスも少ないので年収400万を超える人はあまり居ない。
労働時間は朝から晩までずっとで、休みはほとんどなし、これだと労働基準法違反なので、休んだ事にしています。
休んだ事にして残業もしない事にするので、その分の給料は支払っていません。
介護福祉士という国家資格を取得すると専門職という事になり、他の人より給料が高くなります。
しかし無資格の人より月に数千円高いだけで、要するに労働時間が長い人が、給料も高くなる仕組みです。
給与は有料老人ホームの中堅職員として働いている人で、総額20万円を超えると「高給取り」だそうです。
介護施設で手取り20万円を超える人は居ないそうで、おそらく手取り15万くらいでしょう。
コンビニ、外食、警備など時給1000円のバイトを8時間25日やると、総支給20万円になるので、それより安い。
労働の質を上げるには国の予算が必要
男性が介護職員として働いた場合、数多くの資格を取り中堅社員として働いて、やっと妻子を養える収入を得られるそうです。
給料と体力以外にもキツイ部分があり、入居する高齢者は病気だったり身体に異常がある人がほとんどです。
家族が面倒を見れなくなったり、介護しないといけなくなった人が入居するので、健康な入居者は居ません。
排泄がうまく出来ない、食事をすればこぼしまくる、汚しまくり掃除しない、入浴出来ない人が大半の訳です。
施設の中は異臭がする事が多く、職員の衣類や髪の毛にも臭いが染み付いて、帰宅しても取れない場合があります。
そして身体が不調な高齢者は会話が不自由だったり、精神が不安定な人も多いので、想像すると非常にキツイです。
職員は一人一人の高齢者の体調を管理して、生活の補助をしているので、もはやマトモではない勤務状態になります。
こういう状況なので職員として長く勤めている「ベテラン」ほど変な人が多く、変な人でなければ介護職は続けません。
介護職を辞める人の原因が、圧倒的にこの手の人間関係で、次いで給与の少なさなどとなっている。
こうして介護の問題点を見ていくと、結局多くの事が「国の介護予算の少なさ」が原因なのに気づきます。
高齢者が臭いとかは、それを承知で就職する人には辞める理由にはならない事が多い。
「変なベテラン職員」が多いのはブラック業界に共通していて、給料が安いからその手の人が多いと言える。
財務省や国はいつも「国財政が逼迫している」「財源が無い」と言って介護や福祉予算を縮小してきました。
だが実はこの言い訳は嘘であって、日本には日本銀行という紙幣印刷工場が存在しています。
介護職員の給料くらいは紙幣を印刷すれば工面でき、使ったお金は消費され、税収として政府に帰ってきます。