過疎地のGSは一度閉店すると、出店することは2度と無い
引用:http://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/028/354/614/28354614/p1.jpg?ct=361ddc0250ff
ガソリンスタンドの閉店が続き、ついに最盛期の半分近くにまで数が減ってしまいました。
ガソリンスタンドが少ない「GS過疎地」や給油不可能な地域まで出来ようとしている。
ガソリンスタンドの大量閉店
ガソリンスタンドの数がついに最盛期の半分に減少し、給油困難地域が深刻な問題になろうとしています。
1994年には6万ヶ所存在したが、2018年には3万70ヶ所に減少し、さらに減少を続けています。
車で遠出をする人が減り、若い男性の月間走行距離は、1990年代の半分に減ったというデータもある。
ハイブリッド車や軽自動車など、燃費の良い車が普及し、ガソリンを道路に撒くような大型車が売れなくなった。
追い討ちを掛けたのが政府の失策で、2013年までに老朽化したタンクの改修を義務付けました。
地下タンクの改修には1基100万円掛かり、灯油と軽油タンクも必要なので、最低500万円から1000万円は掛かる。
大手や繁盛店はコストを負担できたが、ギリギリで運営しているスタンドには、借金して営業を続ける意味は無かった。
ガソリンを売るだけでは利益を得られなくなり、大手は洗車機やカフェ、点検整備の充実で補っている。
設備を拡大できない小規模店や、そもそも人口が少ない地域では、淘汰されて大量閉店しました。
利益率が低いので増税による減収も響き、2012年の温暖化対策税や、2014年の消費増税で閉店が相次いだ。
経済産業省はガソリンスタンドが3ヶ所以下の自治体を「GS過疎地」と呼び2017年に312市町村に増え、全体の17%以上になった。
ガソリンスタンドは灯油販売所も兼ねているので、灯油の入手が難しくなり、寒冷地では深刻な問題になる。
ガソリン需要が少ない地域では24時間営業する意味がないので、給油できるのは朝8時から夜8時までに限られる。
給油計画を建てておかないと、どこかで燃料切れという事になりかねません。
また農家の農機具に給油出来ないといった事例も出て来ています。
総務省や経産省はようやく間違いに気づいたのか、少ない費用で運営できるスタンドを検討しています。
コンビニにスタンドを併設し、コンビニ店員が給油する「駆けつけ型GS」などが考えられている。
大量閉店の原因を作った地下貯蔵タンクについては、地上に設置して費用を抑える事も検討している。
国土交通省によれば、高速道路で100キロ以上もGSがない「空白区間」が83ヶ所存在している。
燃費がリッター10キロとして、燃料計が残り10リッターを指してから、スタンドを探しても間に合わない計算になる。
高速道路上での停止は重大事故に繋がりかねないが、営業に応募する石油会社がなければ手の打ちようが無い。
最終手段として自治体や役所、公的事業者などが高速GSを営業する手段もあるが、現在は検討されていません。
奇妙な事にガソリン需要は毎年減少しているのに、自動車の保有台数は毎年増え続けています。
低燃費化と走行距離減少が、ガソリン需要減少の主な原因になっているのが分かります。
ガソリン需要は最盛期の6147万Kリットルから、5063Kリットルに減少したと最初に書きました。
減少率は17%に過ぎず、ガソリンスタンドが半減するほど消費量は減っていなかったのです。
GSが半減した理由としては、80年代頃のブームで増えすぎていたのが最大の要因とされています。
場所によっては100mの間に3軒以上もGSが並んでいたのは、どう考えても多すぎました。
第2の理由は過当競争と増税、安全設備でガソリン1リッター当たりの利益率が減少した。
1990年代には1Lあたり10円以上の利益が在ったそうですが、現在は2円以下だそうで、なるほどやってられません。
軽自動車に30L給油して利益は30円か60円で、100円ショップで駄菓子を売ったほうが儲かる。
今後の見通しですが、ガソリンそのものの需要減少はゆっくりとしたものであり、今後も急速には進みません。