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中国銀聯カード(ユニオンペイ)使用制限 外貨流出懸念か

そこらじゅうで見かける「銀聯カード使えます」の掲示。
観光客が国外で使うたびに外貨準備が減少する。
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引用:http://tkysstd.com/wp/wp-content/uploads/2015/01/gnri_02.jpg

中国政府は中国人が海外で使用できる銀聯カードの、現金引き出し制限を決めました。

これを調べていくと、意外にも中国の外貨準備の急速な減少と、深刻な外貨不足が浮かんできます。

海外での「銀聯カード」を使用制限

9月29日、中国政府は銀聯(ユニオンペイ)カードの使用制限を突然発表しました。

銀聯カードは最近日本の量販店でも取り扱っていて、クレジットカードのように使える。

中国の銀行で預金してある残高を、海外で引き出すことが出来るデビッドカードで、本当のクレジットカードではない。


クレジットカードがあまり普及していない中国では、多くの人が銀聯カードで海外決済をしています。

中国国家外貨管理局(SAFE)は、来年から年間10万元(約190万円)を海外での使用上限にすると発表しました。

さらに今年は年末までに5万元(約94万円)を使用上限にすると発表しました。

なお制限は現金の引き出しで、買い物には適用されないようです。

銀聯カードには元々、1日1万元(約19万円)の使用限度が有ったが、これも今まで通り有効です。

中国政府と人民銀行が外貨の海外使用に非常に神経質になっているのが伺えるが、どうしてなのでしょうか?

銀聯カードの中国および外国での総取引額は数十兆円と言われていて、取扱高は日本のJCBカードより多い。

もっともJCBはクレジットカードなので審査があり限度額があるが、銀聯カードは自分の預金を引き出すので無審査上限なしでした。

ワシントンポストによると2012年に中国人の海外での消費額は850億ドル(10兆円)で、この何割かに銀聯カードが使用された。

日本において2010年の一年間で総計480億円決済され、平均決済単価は3万円でした。

銀聯カードで外貨流出

銀聯カード発行枚数は2013年で32億300万枚、クレジットカードは3億3100万枚なので、ほとんどの中国人が複数の銀聯カードを持っている。

中国人が海外で銀聯カードを使う理由は、まずクレジットカードが普及しておらず、多くの人は持てない。

また中国政府は国外に5万元以上の持ち出しを禁じていて、もし可能だとしてもそれだけの現金を持ち出すのは不可能でしょう。

中国の銀行カードは国際化しておらず、海外で現金を引き出せないので、残る手段は銀聯カードのみという事になっています。

銀聯カードは手数料を取らず外貨に交換できるとされているが、交換レートの差額で儲けているので、本当の無料ではない。

銀聯カードはゆうちょ銀行、セブン銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行など日本のATMで現金を引き出す事ができます。

中国政府が銀聯カードの制限を始めた理由はまず、マネーロンダリングが考えられます。

政府幹部や共産党員が不正に海外に持ち出している金は、不正蓄財としてプールされています。

資産家が安全の為に海外に逃避させる金額も膨大なもので、持ち出し制限にも関わらず銀聯カードで送金している。

2015年に入って株安を背景に人民元はドルや円に大して急落し、人民銀行が買い支えるという事がありました。

人民元を政府が買い支えるなど以前は考えられなかった事で、中国経済の低迷が続けばさらに人民元が売られるでしょう。

日本人にはピンと来ないが、自国の通貨が安くなるのは外貨が流出するのを意味し、外貨準備高が急減します。


外貨準備が底をつきかけている?

1997年のアジア通貨危機でアジア諸国がバタバタを倒れたのは、外貨が無くなって外国への支払いが出来なくなったからでした。

中国といえども外貨不足は致命傷になりかねないが、去年末に4.6兆ドルだったのが9月には3.5兆ドルに減少しました。

しかも実際に確認できる外貨準備は2兆ドルだけで、他は炭鉱や石油採掘権などに化けていて、現金化できないとみられます。

ここでワシントンポストの記事を思い出すと、中国人が海外で使う金額は年間10兆円つまり100億ドルでした。

不正送金やマネーロンダリングを含めても、中国の外貨準備を揺るがすほどの大金ではないが額面通りには受け取れない。

中国は米国債1兆2000億ドルほどを保有しているが、8月の買い支えの為に約300億ドル売却しました。

1.2兆ドルの300億ドルだからどうでも良いのですが、「中国はそんなに困っているのか?」と世界は驚きを持って報道した。

ほんの少し米国債を売るだけで、外貨不足が知られて信用不安になってしまうので、米国債は売れないのです。

つまり中国が3.5兆ドル(400兆円)の外貨準備があっても、通貨防衛に使える「現金」がほとんど無いのでした。

今回の銀聯カード使用制限は図らずも、中国は外貨のやりくりが苦しい事を伺わせました。

日本では中国人観光客による「爆買い」が止まると心配されているが、年間200万円近く使えるので、普通の観光客に影響は少ないでしょう。

「中国銀聯」は世界最大のカードだと持ち上げているが、最初に書いたようにこれは「クレジットカード」ではありません。

コメント

  1. ナカソネ より:

    ↓>広西省でテロが発生した。
    チワン族自治区のことですね。
    これまでのチベット、ウイグルの反乱とは
    次元が違うことだとラジオで解説していたなあ。
    チワンの人はこれまで中国政府に抵抗しない
    おななしい民族とされていたので、このチワンの
    人がテロを起こしたとしたら、中国政府の衝撃は
    相当深刻なものらしいですよ。
    まあ肝心な漢民族にも強烈な不満が溜まっている
    わけですが。
    今後は予断を許さないですね。

  2. 暗黒星雲 より:

    見せ金を置いておかなければいけないとは、中国人らしい。いわゆる見栄を張ることと似ている。中国人は投資には敏感なので、元安になることがわかっていれば元を売ってドルを買う動きも止まらないのでは。ドルの金利切り上げは一旦回避されたが、先延ばしにされただけ。元安が急に来たら中国は危ない。インフレが起きて暴動が発生し、共産党政権の危機がくる。その際、不満を外に向ける。こんな、シナリオでしょうか。すでに太平天国の乱の発祥地である広西省でテロが発生した。

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