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TPPは経済同盟による冷戦 ロシア中国の受け止め方

ロシアのプーチン大統領は国連総会でTPPを非難した
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引用:http://www.haaretz.co.il/polopoly_fs/1.2739768.1443457216!/image/447909642.jpg_gen/derivatives/regular_936x702/447909642.jpg

大筋合意したTPPを巡って各国の反応がかなり違っています。

安倍首相は安全保障を強調し、アメリカは経済成果を強調し、中韓露は否定的に受け止めています。

TPPのおかしな交渉

TPP(環太平洋経済パートナー協定)が政府間で合意し、各国の国会で承認し批准されれば、発効する見通しになりました。

交渉の中身は何も公開されておらず、様々な憶測を呼んでいるが、日本のマスコミは『世界の40%の経済規模』という一言だけを繰り返している。

別に日本が世界の4割を植民地にする訳ではないので、何割でも日本の利益になる訳ではありません。


最悪の場合、日本以外の国は儲かり、日本だけが損をしたという、いつものパターンになるかも知れません。

日本の安倍首相はTPPの内容や経済効果には何も触れず「安全保障にとって重要な役割を果たす」と話しました。

TPPの何が日本に経済の恩恵をもたらすかの説明は無く、農業分野で打撃を受けないよう補助金を増やす考えを示しました。

つまり日本にとって経済的恩恵は今のところ良く分かりませんが、外国では違った受け止め方がされています。

アメリカのオバマ大統領は「米国の価値を反映した合意だ」と強調し、各分野でアメリカの輸出が増えると説明しました。

一方米議会ではアメリカの医薬品が充分に保護されていないと反対意見が多く出ています。

アメリカ議会の言い分ではTPPは自動車などアメリカが弱い分野は保護しながら、医薬品や映画などでは障壁を撤廃するべきというものです。

このように各国が好き勝手な自己主張を展開し「飲めないのなら合意しない」と先延ばしにしていました。

日本を除く各国は国会議員は交渉内容を知っているが、日本は甘利代表一人しか知らない事になっていて、日本人だけが何も知らされて居ない。


中韓の否定的な反応

韓国はTPP合意を「しまった」「また日本に騙された」という報道一色になっている。

韓国は個別の国との自由貿易協定(FTA)を重視していて、アメリカや中国など主要国とすでに締結しています。

先んじて独自の自由貿易圏を築いてきたが、個別に見るとTPPより不利な条件なので、TPP発効後はむしろ重荷になってしまいかねない。

韓国が世界経済を主導していると思っていたのに、ある日ひっくりかえされてしまい、政府への批判が強まっています。

韓国政府はこの数日「TPP参加を前向きに検討している」というメッセージを発していて、参加を急ぐべきとの世論が強まっている。

韓国は日米のTPPと中国のAIIBを見比べて、AIIBにだけ参加しTPPを断った経緯がありました。

中国外務省は表向きTPP合意を歓迎するメッセージを発表し、マイナスの影響はないと強調しました。

だが中国のメディアや知識人、ネット上の発言では「日米が経済戦争を仕掛けてきた」という論調でヒートアップしている。

中国の言論はTPPを日米の新貿易ルールによる対中包囲網とみなしている。

アメリカのオバマ大統領は中国を名指しして「中国に経済ルールを書かせない。我々がルールを書く。」と宣言しました。

米経済誌ウォールストリートジャーナルは「中国は国際貿易の覇権争いに敗れた」と書き立てて煽りました。

同誌は日本は、中国がこの地域の主導権を奪おうとしている事に危機感を持っていたと書いた。

TPP合意によって地域の支配者になる中国の野望は打ち砕かれ、中国がTPPに参加すれば、アメリカのルールへの服従を意味するそうです。

甘利とフロマンの日米代表
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引用:http://image.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2015/10/05/uid050462_201510052343420a98b8e7.jpg

パニックに陥ったロシア

各国の中で最も強い拒否反応を起こしているのは、以外にも中国ではなくロシアでした。

ロシアのペスコフ大統領報道官は「閉鎖的な仕組みで、経済ブロック化へ懸念を表明せざるを得ない」と表明しました。

プーチン大統領は国連総会で「WTOとは関係ないところで排他的な経済圏が形成され、世界経済を崩壊させようとしている」と述べました。

ロシアの経済専門家は「米国が考えているのは軍事的政治的機能を持った連合体である。」と分析しています。

「目的はアジア太平洋を米国の単一の価値観の下で統一し、一極支配をする事にある」

アメリカと欧州にはNATOという軍事同盟があるがアメリカとアジアの間には個別の安保条約しかない。

TPPの見た目は経済貿易協定にすぎないが、閉鎖的経済ブロックに参加する国々は、米国の支配を認めた国だけであると続いている。

日本はTPPによって非常に多くのものを失い、不利な条約を押し付けれるだろうが、にもかかわらず日本が参加するのは軍事的理由である。

日本はアメリカとの軍事同盟によって安全保障を得ており、それは経済や政治でもアメリカに従わざるを得ない理由でもある。

アメリカはTPPによって、自国に従わない国々を排除し、閉鎖的貿易圏を形成しようとしている。

特に排除されているのがロシアと中国で、TPPは事実上この2国の経済封鎖を目的としている。

我々は必要ならロシア、中国、インドなどの国々でTPPに対抗する経済圏を形成できる。

という風に、ロシアとしてはとにかく『気に食わない』という事を延々と主張しています。

ロシアはウクライナ問題以降、欧米の経済制裁を受けていて、同時に世界不況でも打撃を受け経済が苦しいと言われています。

TPPに拒否反応を示すのも、より一層経済的苦境に陥るのではないかという危機感が原因のようです。

コメント

  1. より:

    出来ればTPPに参加するのは来年に延ばして欲しいねぇ…
    このままだとオバマの無能な仲間たちである民主党が来年の選挙で我々はTPPを成立させたと言って票を集めるだろうからね、日本としては是非とも共和党に政権を取って欲しいところだ
    けど、かと言ってTPPにはどうせ参加する事になるのだから早い内に参加する事に越したことはない、全くもって難しいねぇ…

  2. ケンケン より:

    良い記事でした。
    農業だとか、ガラパゴス的なマイナスイオンイメージばかり持たないで
    輸出にもっとシフトしTPPを活用するしかないですね。遅かれ早かれネット社会の中、いずれ国交間の距離は身近になるのだから。

  3. 名無し より:

    トトメス様非常に興味深い記事を立ち上げてくださってありがとうございます。
    TPPに関してマスゴミの報道は偏狭で、よくわかりませんし。中露の反応もほとんど取り上げません。今更あわてて日本を非難するケー国は馬鹿げてますが、オバマの路線は混乱を招いているようにしか見えません。中東の混乱やウクライナの混乱も仕掛けたのは、べいこくですからね。きっと中露からみると憤慨なのでしょう。日本にとっても自動車業界以外は全く利益のないTPPですからね。マスゴミはそう書くべきと思います。

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