「実際は124だったのに1を削った」とミクシーは説明しました
引用:http://livedoor.blogimg.jp/puzzledragonsc/imgs/5/a/5a8e91af.jpg
人気スマホゲーム「モンスト」の公式動画で、関係者だけが5分の1の値段でガチャを引いている場面が公開されました。
mixiは「動画の編集ミス」と説明したが騒動は収まらず、課金したお金の返金を要求しているユーザーも居ます。
「モンスト」景品表示法違反の疑い
今やゲーム界の主流になり、1社で1千億円以上の売上になったスマホゲームですが、問題も起きています。
携帯電話ゲームの元祖、グリーとモバゲーで「ガチャ事件」が起きたのは2012年でしたが、スマホで同じ事が繰り返されていると指摘されています。
騒動が起きているのはミクシーが運営している「モンスト」ことモンスターストライクで、運営関係者だけが低料金でガチャ引き放題なのだという。
不正が指摘されたのは10月16日で、モンストの動画がネット動画のYouTube公式チャンネルで公開された事に始まりました。
公式チャンネルは運営がゲームの宣伝の為にプレイ動画などを公開していて、この日もタレントらしき数人がゲームをする動画が更新されました。
「【ガチャすぐプレイ】モンスト女子部!無敵だよー、ほんとだよー!「ろあ」と「プリンセス・ノッコ」に挑戦!【モンスト公式】」という長いタイトルでした。
動画の序盤の部分で出演者の一人がガチャを引いた場面がアップになったが、画面上では大問題が起きていました。
モンストでガチャを引くには「オーブ」という物が必要で、他のゲームの「コイン」のような役割りを果たしています。
ガチャを1回引くには「オーブ」5個が必要で、この時出演者は24個のオーブを持っていたので、残り4回しか引けない筈でした。
だが動画上では「24個のオーブでガチャ残り回数24回」と表示されていて、1個のオーブで1回のガチャを引いているように映っていました。
オーブは30個2000円なので1個約67円、一般ユーザーはガチャ1回335円だが、運営の関係者だけが1回67円で引いていた事になります。
動画を見たユーザーは怒り、GーーgleとAppleに課金した金額の返金を求める騒動に発展しました。
ガチャの操作は違法行為
仮にガチャに必要なオーブの値段が、一般と運営との間で5倍違っていたと仮定して、それの何が問題なのでしょうか?
コンビニオーナーが自分の店のお握りを食べても合法な訳で、それと同じようにも思えます。
だがコンビニオーナーは店の商品を食べても良いが、ゲーム運営者がガチャの確率や価格を操作するのは違法行為です。
数年前グリーがガチャの確率を任意に操作していたのが発覚し、大騒動に発展した事がありました。
これ以前にグリーは「ゲームガチャは景品ではなく景品表示法の範疇に入らない」と主張していました。
グリーの言い分ではゲームアイテムは「レンタル」であって販売していないので景品に当たらないという事でした。
だが消費者庁はコンプガチャ事件をきっかけとして「ゲームガチャは景品であり景品表示法商品である」と定義しました。
結局ゲームガチャの定義があいまいだった時期の行為は不問として、以降は景品表示法を遵守する事で決着したのでした。
mixiがもしモンストで、運営関係者だけ5分の1の価格でガチャを引かせていたのなら、景品表示法に違反している筈です。
宝くじの価格が500円なのに、関係者だけ100円で買っていたら事件ですが、それと同じになります。
この件についてmixiは「動画の表示を編集しただけ」と発表しています。
出演者が大量にオーブを所持しているという印象を与えないために、本当は「124個」のオーブだったのを「24個」に編集したと言っている。
この説明でユーザーが納得するのかは良く分かりません。
不正をしても発覚しない課金制度
124個なのか24個なのか疑惑は晴れないが、全てはサーバー内のデータに過ぎず、運営管理者しか確認することは出来ない。
ここにスマホ・携帯ゲームで不祥事が起きる温床があり、ユーザーが疑惑を訴えても「疑惑」だけでは警察は調査しません。
不正を行っても運営会社が自分で調査しない限り絶対にバレない、従って不正を行う者が絶えない。
現在はほとんどのネットゲームでアイテム売買が禁止されましたが、以前はネットオークションや買取サイトで換金できました。
これを利用してゲーム開発者や運営者が、自分でアイテムを増殖させて利益を得る例が、一時は頻発していました。
mixiの疑惑も正直「またか」という感じでこの業界のクリーン度はかなり低いといわざるを得ません。
消費者庁はガチャの不正を禁止したとはいっても、誰かが監視している訳ではなく、現実には不正をやってもバレません。
ゲームの難易度を調整して課金するようにしていたり、ガチャの設定を調整しているのではないか、という疑惑を持っているユーザーは多い。
mixiでは「動画の編集によって紛らわしい印象を与えた」事に謝罪しましたが、謝罪するポイントはそこか、という印象も受ける。
もし「mixi運営がオーブの値段に差をつけている」と仮定した場合、どんな方法ならこの行為は可能なのだろうか。
おそらく一般ユーザーのアカウントとは別に、特別なアカウントを設定し、様々な優遇措置をする方法なら可能でしょう。
例えば運営や開発がゲームのバグを確認するのに、ユーザーと同じく課金しなければならないのは不自由なので、こういう事はありえる。
(この記事は「モンストで不正を行っているとユーザーが問題視している」事を取り上げたので、mixiが不正をしていると書いてはいません。)