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北海道新幹線 潜在需要2500万人を取り込めば黒字化は可能

飛行機より1時半半遅く、7千円高いが、近い条件の広島東京間では利用者が多い
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引用:http://www.shinkansen-hakodate.com/wp-content/uploads/2008/03/travel_time11-1024×644.png

北海道新幹線の料金が片道2万2千円以上と発表され、一斉に失望の声が上がっています。

近い距離の東京・広島間が1万9千円と比べると高く、JR北海道の消極的な姿勢が目立ちます。

がっかり料金

北海道新幹線の開業は2016年3月するのが決まり、運賃や運行本数なども発表されました。

料金は函館から東京間2万2,690円(普通車指定席と運賃)で、一斉に高いという声が上がりました。

東京から函館に電車で行く人はあまり居なかったと思うが、現在は特急列車と東北新幹線を乗り継いで6時間ほど掛かります。


北海道新幹線では東京・函館間は約4時間で結ばれるのだが、飛行機だと約1 時間 20 分で行け、毎日10本運行しています。

飛行機の料金は1万3千円から1万6千円ほどなので、新幹線は7千円以上高く、時間は1時間半は余計に掛かります。

利点としては飛行機と違って新幹線は荷物の重量制限が無く(実はあるのだが)大きなトランクを2個持ち込んでも料金は同じ。

とは言えそれほど荷物を持ち込む人は少ないので、北海道新幹線には競争力が無いようにも見えます。

東京から1時半半長く、7千円多く払って新幹線で北海道に行く人は少ないだろうし、東京より遠い人は利用しないでしょう。

だが北海道新幹線で恩恵を受ける人は意外な所に居て、実は北海道と東北各県を移動する人は多い。

話は幕末から明治維新に突然遡るが、北海道は明治維新で敗れた東北列藩の流刑地として利用され、東北に縁のある人が多い。

明治以降も北海道に移住した人の多くは、新潟や福島以北の農民が多かったので、北海道と行き来する人は多い。

北海道と本州を行き来する全ての旅客輸送人数は、国交省によると2013年は2213万人だった。

高すぎる新幹線料金

このうち東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・群馬・栃木と道南(札幌・函館など)はたったの130万人弱でした。

関西や四国・中国・九州から来た人も居るでしょうが、北海道と東北を行き来する人はとても多いのが分かります。

東京から函館までは4時間が掛かるが、東京から広島までも4時間掛かるので、比べると利用者がどのくらい居るのか推測できます。

東京から航空機で広島に行く所要時間は1時間30分で、料金は約1万5千円になります。

新幹線で東京から広島に行くと、所要時間4時間1分で、普通指定席で19,080円になります。

東京函館間は新幹線料金が2万2,690円と高い以外は、ほとんど似たような条件になっているのが分かります。

広島・東京間の鉄道利用率は60%以上なので、東京函館間も新幹線料金を2万円以内にすれば60%以上のシェアを取れる筈です。

800キロ程度の移動では、人は2倍以上の時間と5千円多く掛かっても、6割の人が新幹線を選んでいます。

ではなぜ北海道新幹線は、もうすこし料金を値下げして2万円以下にしないのか、これには割りと深刻な問題がありました。

東京広島間と東京函館間には決定的な違いがあり、一つは海峡トンネルがある事で、もう一つはJR北海道が赤字経営な事でした。

海峡トンネルの維持費だけで約78億円が掛かり、北海道新幹線全体の160億円の半分を占めています。

しかもトンネル内では貨物列車も通るので実質140キロしか出せず、同じく貨物列車のせいで本数を増やすのは難しい。

本州からの観光客は約600万人で輸送人数(往復)2200万人を超える。
JRでは新幹線利用者は1割程度に止まると想定している
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引用:http://www.jrhokkaido.co.jp/network/map/img/do_1.gif


目標が低すぎる北海道新幹線

開業から3年間は年間160億円の支出に対して、収入は100億円に止まる見通しで、年間54億円の赤字になると予測されています。

ただし赤字路線の廃止と相殺するので、JR北海道全体での赤字は以前と変わらない。

JR北海道では高すぎる料金の理由を、「収支を考えれば、むしろ足りない。航空会社との競争のため低く抑えた」と話しています。

北海道と本州を行き来する全ての旅客輸送人数は約2200万人で、もし50%の利用者を新幹線が獲得すると、それだけで年間1000万人になる。

一人2万円払えば2000億円の収入、一人1万円だったとしても1000億円になります。

JR北海道の計算は少し消極的すぎ、もっと顧客獲得の積極策を打ち出しても良い気がします。

国交省の調査では毎日6万人が北海道と本州の間を移動していて、そのうち北海道新幹線の乗客数は乗車率100%でも一日1万人程度しか輸送しません。

乗車率は恐らく50%くらいなので実際の輸送人数は一日5千人を想定していて、これは北海道本州間の潜在需要の1割に過ぎません。

北海道新幹線が札幌まで延伸し、本数を大幅に増やす、料金を値下げし、時間短縮を図るなどすれば、2200万人の何割かは利用するでしょう。

運行本数を増やす物理障害になっている青函トンネルの貨物列車については、廃止の提言も出されています。

現状でも貨物列車は収入が少ない割りに負担が大きく、新幹線開業後は大きく足を引っ張る存在になります。

あるいは老朽化した青函トンネルに加えて、新たな青函トンネルを建設する案も出ている。

巨費を投じて新たなトンネルを建設するのは無駄とも思えるが、潜在利用者が2500万人も居るのを考えると、充分に採算が得られる可能性が在ります。

コメント

  1. より:

    はじめまして。
    私は大宮近隣の住民は意外と北海道へいく場合新幹線を選ぶ方が多いと思いますがどうですか?

  2. totakuma より:

    北海道新幹線の料金は安いとは言わないが、山陽・九州新幹線の通し料金と比較して特に高いとは言えない。
    九州新幹線も山陽新幹線と別料金になっている。
    JR東日本の東北・上越新幹線(大宮乗換)、上越・北陸新幹線(高崎乗換)で別料金の方がおかしいと思う。

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