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習近平の爆買い外交 イギリスに7兆円投資 どこから調達するのか

中国の実質的な外貨準備はゼロなので、外国から借金をしてイギリスに投資するしかない
YHTG
引用:http://ichef.bbci.co.uk/wsimagechef/ic/976×549/amz/worldservice/live/assets/images/2015/10/22/151022051255_cn_xi_jinping_david_cameron_976x549_epa.jpg

習近平がイギリスを訪問し、7兆円をイギリスに投資すると発表しましたが、その内容が謎を呼んでいます。

中国は人民元買い支えの為に米国債や日本国債を売却したほどで、実は使える外貨準備が無いのです。

習近平の爆買い外交

中国の習近平国家主席がイギリスを訪問し、10月21日にキャメロン首相と英中首脳会談を行いました。

両国からは総額400億ポンド(620億ドル、7.4兆円)のの投資契約が発表されました。

ほとんどは中国がイギリスに投資する案件で、イギリスから中国への投資はあまり無い。


代表的なものは英南西部のヒンクリー・ポイント原発に、中国広核集団(CGN)が60億ポンド(1.1兆円)を出資します。

ロンドン東部の「ロイヤル・アルバート・ドック」再開発計画に、中国ABPが40%を出資し、推定で数千億円規模になります。

ABPはこの他、英国全土で大規模なインフラおよび住宅プロジェクトへの参加を計画していて、これもかなりの金額になるでしょう。

チャイナ・エクイティは、アストン・マーチンの電気自動車に5000万ポンド出資し事実上買収するようです。

吉利汽車(ジーリー)は既にロンドンタクシーを買収しているが、無公害タクシーに5000万ポンドを投資します。

アトラクション施設のマーリン・エンターテイメンツも中国が事実上買収して、上海にレゴランドを開園し300億ドルを投資します。

イギリスと中国の企業、大学の間で20億ポンド(3700億円)を超える契約が交わされました。

中国は石油メジャーの英BPから、年間100万トンの液化天然ガス(LNG)を20年間購入する契約を交わしました。

液化天然ガス(LNG)が、およそ100億ドルに相当し、この他のエネルギーも合わせると120億ポンド(2.2兆円)以上の契約を交わしました。


いくつかの疑問

英クルーズ船運航大手カーニバルは中国国有企業2社と26億ポンドを投じて、中国でクルーズ事業を始めます。

ロールスロイスの旅客航空用エンジン20機分を購入し14億ポンドを支払う契約をしました。

この他自動車のジャガー、保険大手のロイズ保険が中国企業や政府などと契約を交わしました。

こうして見ると7.4兆円のうち、石油・ガスの輸入が2.2兆円を占め、不動産開発が恐らく1兆円程度を占める。

原子力発電所が1.1兆円で、その他の案件もほぼ全て、中国側が資金を出す契約になっているようです。

大変な大盤振る舞いだが問題がいくつかあり、一つは中国はどうしてこんな支出をするのかという点です。

二つ目はその7兆円をどこから工面するのかという点で、三つ目はそもそもそんな金が中国にあるのかという点です。

一つ目の「どうしてこんな支出をするのか」は、なぜ他の国はイギリスでの投資に手を出さないのかと言いかえられます。

日本やアメリカやドイツやフランスは決してイギリスに投資しませんが、理由は「儲かる筈が無い」と考えているからです。

他国が手を出さない事に中国が金を出すという事は、ほとんど全てが赤字の事業案件です。

例えばイギリスの原発事業が儲かるなら、米英仏日がとっくに手を挙げている筈で、韓国ですら手を挙げたでしょう。

不動産開発や石油・ガスの輸入にしても、それほど魅力的なら他の国がとっくにやっている筈でした。

他の案件も含めて、中国側に利益をもたらしそうな物が一つも無く、全て中国の自腹、自己負担なのです。

旧ソ連が良くやっていた事ですが、超大国としての面子を保つため、ありもしない金をばら撒いて、巨大プロジェクトを連発しました。

中国の大盤振る舞いも、イギリスに対して超大国として振る舞い、面子を保って繋ぎとめておくためと推測できます。

中国は資金を持っていない

二つ目の疑問は「7兆円をどこから工面するのか」でしたが、これが全く不明で中国は使える外貨準備を持っていません。

8月に中国株価危機が発生し、同時に人民元暴落危機も発生しましたが、この時中国が約27兆円の為替介入をしたと米国が発表しました。

日本政府がやる為替介入は円売りですが、中国は人民元を支える為に元買い介入をしていました。

両者の決定的な違いは、円売りは元手がタダ(日銀が発行すれば良い)なのに対し、元買いはドルを消費する事です。

この後中国は保有していた日本国債4.5兆円を売却し、1000億ドルの米国債を売却したと報道されたので、実は外貨準備の現金が無いのです。

中国の外貨準備は最大約4兆ドル(450兆円)だったが、15年になって急速に縮小し3.5兆ドルを割り込んでいる。

しかも中国の外貨準備のうち、存在を確認できるのは米国債保有残高1兆2237億ドルと、金の準備高約592億ドルだけです。

他の外貨準備は全て、アフリカの鉱山や中東の石油掘削権、オーストラリアの炭鉱、不動産開発など換金不能な物に化けています。

こうした中国の海外投資は全て赤字とされていて、所在を確認出来ない2.2兆ドルの外貨準備は現実には存在していません。

じゃあ中国は現在、どうやって外国への支払いをしているのかというと、間違いなく日米欧からの借金で賄っています。

中国が創設したAIIBという国債投資機関も、外貨準備がないのだから日米から借金して拠出するしかありません。

三つ目の疑問は「そもそもそんな金が中国にあるのか」という事でしたが、日米欧からの借金でイギリスに投資するしか無いでしょう。

こうした借金は表向き中国政府ではなく、民間の経済活動という事になっています。

裸の王様が贅沢三昧で国を滅ぼす童話がありましたが、何となく習近平と重なって見えます。

コメント

  1. チャイナコリア より:

    習近平は飼い犬の韓国に命令するだけ。
    宗主国様の為なら韓国が金を出すから心配してない。
    韓国は貿易黒字でドルを溜め込んで隠しているんだろ。

  2. eagleoff より:

    近々、中国元のSDR構成通貨入りをする(予定な)ので基本的には元を大量に刷り元で7兆円分支払い可能と考えているのでは・・・

  3. ナカソネ より:

    通りすがり様>これから南シナ海で殴りあいしようっていうのに
    そうなると米国は中国を敵国認定して中国の米国債を無効にできますね。
    中国がいよいよ米国債を大量売りしなければいけない時も米国債の暴落を防げます。

  4. ナカソネ より:

    さすがトトメスさん。マスコミはどれも、キンペイの訪英については、物凄い御もてなしを受けたとか大型契約をしたとか、キャメロンが英中の黄金時代を迎えたと発言したとか、たわごとばかり
    報道しています。
    実はこの大型契約のお金を中国が支払えないと断言しているのは、このブログだけじゃないでしょうか。
    先日アメリカ訪問でもボーイング400機4兆円を買うと言っていましたが、アメリカ人でも本当に払えるのかと疑問に思っている人がいるそうですよ。
    トトメスさんもかつて書いておられましたが、
    世界各地での開発プロジェクトが金が続かず中断しているそうですね。これは他の方もブログで書いておられました。
    そういえば、AIIBで大嫌いなはずの日本を執拗に誘ったり、国連分担金の増額を拒否したりと
    本当に中国に金が無いんだなーと感じております。
    インドネシアの受注の件といい、米国、英国での
    件といい、もう面子だけで空手形を出している状態ですね。
    見てて痛々しいほどです。

  5. はなや より:

    別にお似合いだからいんじゃね?正直イギリスとかと関係なんか持ってもアメリカいりゃ特にいらないしな。先勝国だから金融で好き勝手で金儲け出来る国ってしかイメージないわ。あっ欧州が不景気の時にだけ日本にスリヨルとか

  6. 通りすがり より:

    これから南シナ海で殴りあいしようっていうのに、
    誰が貸しますかね?
    今でさえ1000兆円の借金があり、日米の投資が先細っていて、
    さらにTPPブロック化で稼ぎもなくなるという相手にですよ?
    日本は反日デモで中国撤退モードですし、
    誰が考えても貸しませんよね。
    そこでイギリスが人民元建て中国債の取り扱いをするんでしょうが、
    公定レートが政府の一存で決められる人民元を欲しい人なんていますかねえ。
    他のBRICs債とおなじくジャンク債の仲間入りするだけのようなw

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