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米イージス艦ラッセン 南沙諸島哨戒作戦を開始 中国と対峙

横須賀で撮影されたDDG-82「ラッセン」
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引用:http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-e0-3a/dda164takatsuki/folder/1004302/42/45166142/img_2?1310757927

米海軍は以前から予告していた南沙諸島での、中国が占拠している人工島12カイリ以内の、哨戒活動を開始しました。

注目されていた艦艇の種類は予想されたような低武装の巡視船ではなく、最新のイージス艦が投入されました。

「航海の自由作戦」

2015年10月27日朝、米海軍第7艦隊水上戦部隊に所属するイージス艦ラッセンが、南沙諸島で「航海の自由作戦」を開始しました。

ラッセンの第15駆逐隊は横須賀海軍施設を母港とし、横須賀に配備された米空母や海上自衛隊と緊密な連携をしています。

ラッセンは27日の午前6時30分に公海上から作戦を開始し、スーピ礁とミスチーフ礁から12カイリに接近したと報道されました。


27日の海上哨戒は3時間以内に終了したが、米海軍は作戦を定期的に継続する意図を持っていると考えられます。

米海軍は既に最新の哨戒機P-8ポセイドンなどを使用して同海域の哨戒活動を行っていて、中国軍戦闘機の威嚇を受けたりしています。

日本の海上自衛隊も何度か南シナ海の哨戒に参加したが、中国軍の施設からは離れた海域で実施していると推測されます。

米イージス艦による「航海の自由作戦」が発動されるまでに様々な伏線があり、9月には習近平が訪米し米中首脳会談を行っていました。

9月25日に米中首脳会談が行われ、米側は中国に対して、南シナ海での埋め立てを中止するよう、強く申し入れていました。

こうした首脳会談では「緊張緩和」をアピールするのが恒例で、冷戦時代の米ソ首脳は形だけでも親密さを演出していました。

だが首脳会談でも南シナ海に関する前向きな話し合いは行われず、険悪な雰囲気のまま、習近平主席はアメリカを去りました。

習近平主席は2013年6月にも米国を非公式訪問し、オバマ大統領と首脳会談を行い、この時は世界中の注目を集めました。

オバマは世界を米中2カ国で統治する「G2」なる概念を提唱し、中国をアメリカと同等の超大国として受け入れる姿勢を示しました。

オバマの中国への不信感

この時習近平は「太平洋には両国を受け入れる十分な空間がある」と言い、太平洋を2分割する提案をしました。

ハワイ、グアム、サイパンより東側は「アメリカ領」で、日本、フィリピン、台湾を「中国領」にするという19世紀の列強のような提案でした。

オバマが習近平に不信感を抱き始めたのは、恐らくこの時からで、以降少しずつ中国への態度が変わって行きました。

前回の習近平訪米から2年しか経っていませんが、中国経済の不振ぶりが際立っており、「アメリカを超える」どころか現在のGDPにも捏造疑惑が出ています。

ラッセンは1999年進水アーレイ・バーク級イージス艦で、最新の装備を備える強力な水上艦です。

同時に10機以上の戦闘機やミサイルを迎撃できるほか、弾道ミサイル迎撃システムを搭載し、ミサイル防衛網の一翼を担っています。

横須賀の第15駆逐隊に所属しているので、普段は北朝鮮を警戒したり、東シナ海から南シナ海を警戒していると考えられます。

ラッセンが所属している第15駆逐隊は米海軍第七艦隊に所属し、同艦隊には最近空母ロナルド・レーガンが配備されました。

レーガンは配備されたばかりで現在は観艦式に姿を現したり、体験乗船をしたりのんびりしているが、もうすぐ本格運用が始まるでしょう。

ラッセンの後ろには第七艦隊とレーガンが控えているし、海上自衛隊も南シナ海で哨戒活動を活発化させています。

9月15日、黄海上空で中国戦闘機が米哨戒機に攻撃態勢を取った事件がありました。

公海上を定期パトロールしていた米海軍のRC-135偵察機に対して、中国軍のJH-7戦闘機2機が緊急発進した。

9月には中国海軍の軍艦数隻が、北太平洋ベーリング海の米国領内を航行したことも明らかになっています。

米軍艦フォートワースを追い払った中国艦「塩城」、
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引用:http://blog-imgs-42.fc2.com/j/a/p/japan4war/blog_import_5139a6b3dfa44.jpg


「フォートワース事件」

2014年には中国軍戦闘機が米海軍の哨戒機P8を追尾したり異常接近を繰り返し、墜落寸前になっていました。

数年前には米軍の電波情報EP3に中国空軍のF-8戦闘機が「空中戦」を仕掛けて、中国戦闘機が落下する事件もありました。

自衛隊機にも2015年5月と6月に、哨戒機の数メートル後方を中国戦闘機を追尾して攻撃体制を取った。

今回アメリカが「航海の自由作戦」を決行するに到った極め付きの事件が、2015年5月に起きた「フォートワース事件」でした。

5月11日、米海軍の沿岸戦闘艦「フォートワース」(LCS)は南シナ海の南沙諸島周辺海域をパトロール中でした。

「フォートワース」は排水量3000tの小型高速艦で、速度が47ノット(一般的な軍艦は30ノット程度)も出せる。

見た目がとてもかっこいいのだが、装備は海上保安庁とあまり変わらず、短距離対空ミサイルと速射砲しか搭載していません。

非武装の船を派遣したのはオバマ大統領で、「中国を刺激しないように非武装の軍艦に限定しろ」と注文をつけたのでした。

同海域に居た中国軍の最新フリゲート艦「塩城」がフォートワースを追跡し、「中国の領海」から出て行くよう命令されました。

「塩城」は駆逐艦や護衛艦に匹敵する正規の軍艦で、対艦ミサイル、対空ミサイル、大型ヘリも搭載しており、フォートワースなど敵ではありません。

米海軍がもっと小さい軍艦ではなく最新のイージス艦を投入したのは、この事件の失敗を教訓にしたのでしょう。

言ってみれば「フォートワース事件」はアメリカの威信を傷つけ、より強力な対抗措置に出る原因を造ってしまいました。

コメント

  1. 暗黒星雲 より:

    中国はアメリカと争っても、勝ち目がないのはわかっている。
    アメリカ海軍は、中国が手を出せば喜んで叩くだろう。
    中国は、手を出さないようにするしかない。
    ただ、国内の強硬派や便乗派が、どこまで騒ぐかがカギ。
    騒げば騒ぐほど習近平は危ない。
    経済状態がさらに悪くなると相乗効果で政権が倒れる。
    アメリカは尖閣における中国のように常に領海内航行を実施するべきだ。
    短期間で終われば、意味がない。
    中国の国際法破りを許しては、アメリカの威信が地に落ちる。

  2. ナカソネ より:

    何度も申し訳ないが、もうひとつ。仮に中国がアメリカの艦船の通過に対しては黙認しても、基地の建設を止めなかった場合、アメリカはどこまでやるのか。基地の建設は進んでいるのに、ただ単に12海里内に船を通しているだけなんてことはいくらなんでも無いでしょう。その場合基地に対して軍事行動が あり得るのか。

  3. eagleoff より:

    中国元のSDR構成通貨入りやAIIB実施を控えているので中国政府は今回の米駆逐艦の(中国の主張する)領海内航行に関しては基本黙視では?
    尤も駆逐艦1隻(プラスP-8程度)ではあまりインパクトないのでは・・・

  4. なはや より:

    南シナ海で中国と共謀はないだろ。そうしたら日本も不信感持つし中国以外のアジアを反米にするからな。中国経済って言うが経済だけで中国の味方をするのは無い。

  5. ナカソネ より:

    もうひとつの疑問。もし今回の南シナ海の件が茶番劇ではなく本気だったら、SDRを米国認めますかね。ラガルドやイギリスは押していますが。米国は拒否権ありますよね。、

  6. ナカソネ より:

    最悪のパターンは米国と中国が内通していて、アメリカ大統領選挙のため 米国艦船がただ12海里を通るアリバイを作り中国が知らん顔をすること。この可能性はありますか。教えてください。

  7. ナカソネ より:

    米国が敵国認定で中国保有米国債を無効にするのが最高のパターンですが、それは夢見すぎですかね。

  8. ナカソネ より:

    との程度の船を仕向けるかと思いましたが、イージス艦ならまずまずですね。まさかいきなり空母とはありえなかったでしゅう。問題は12海里以内に米国侵入したことで、面子の国中国がどう出るでしょか。何もしなければ国内が弱腰とキンペイを避難するでしょう。小競り合い程度あるかもしれません。

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