政府が莫大な補助金を出しても、自然エネルギーには金が掛かります
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引用:http://image.slidesharecdn.com/random-150424021240-conversion-gate02/95/-19-638.jpg?cb=1429842502


アメリカの州では、100%自然エネルギーで発電すると宣言する例が相次いでいます。

既に80%以上を自然エネルギーで発電している州も存在するが、これらは日本でも成立するのでしょうか。


カリフォルニアとハワイ

最近いくつかの都市や国が、100%のエネルギーを再生可能エネルギー(以下自然エネルギー)で賄うと発表しています。

大半は2050年までの目標、など将来の計画ですが、既に達成している都市も存在しています。

一方日本では自然エネルギー普及は不可能だとして、国が制限する方針を示しています。
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アメリカのカリフォルニア州では、2030年までに自然エネルギー比率50%が義務化されました。

同州は2013年末に20.9%を達成していて、2020年までに電力販売量の33%するとしています。

カリフォルニアは映画のロケが盛んなように、ほとんど雨が降らず太陽光発電に適し、適度な風もあるので風力発電にも適しています。


また広大な未利用地があり州が用意すれば土地代は無料であり、水力発電にも適しているなど世界で最も適した地域だと言われています。

カリフォルニア州では最初から、電力使用量の10%を水力発電が占めていて、これを除く自然エネルギーは実は10%以下でしかない。(2013年)

ハワイ州ではカリフォルニアよりもっと野心的な目標を掲げています。


2050年までに消費電力を100%自然エネルギーで賄う、という法案が議会で可決されました。

ハワイはカリフォルニアと違って大きな河川が無く、広大な遊休地が有る訳でもないがどうするのでしょうか。

何しろハワイの地価は一部の大都市を除けば、全米一高いので有名で、オアフ島は東京の平均よりも高い。



ハワイの謎

ハワイは2015年に15%、2020年に25%、2030年に40%、2035年に70%、2050年に100%にする目標を立てています。

2015年の段階で既に、自然エネルギーの割合は23%を超えていて、目標を早める事を検討しています。

ハワイの自然エネルギーの内訳は(2012年資料)約30%が風力、約24%が廃棄物、約21%が地熱、約15%が太陽光、水力とバイオマスが合計10%でした。


この中の「廃棄物発電」が目を引きますが、ゴミ焼却炉の熱でお湯を沸かし、蒸気タービンで発電する物のようです。

当然公害が発生するし(放出しないようにするでしょうが)、CO2も発生するので、日本で言う「クリーンエネルギー」とは違います。

バイオマス発電も木材などを燃やして発電するので、火力発電の一種であり、これも違うように思われます。


これらを除いても地熱、風力、太陽光、水力で自然エネルギーの3分の2を占め、自然エネルギーは総発電量の約4分の1を占めています。

このうち地熱発電の発電量は100%地理的条件で決まり、「日本でもやろう」と言っても不可能です。

ハワイでは従来100%近く火力発電だったので、電気料金が米本土の3倍であり、自然エネルギーは価格競争で有利でした。


ハワイの電気料金は1kWh当たり40円以上で、日本の24円すら大幅に上回っています。

日本の太陽光発電買取価格は初年度が42円だったので、ハワイではこの価格でも普通に売れる事になります。

これがハワイで自然エネルギー導入が進んでいる理由で、最初から電気料金が高すぎました。


ハワイと似たような自然条件の沖縄では、最も安い北陸電力の2割り増しの料金ですが、3倍という事はありません。

これは要するに沖縄の電気料金が高くならないように日本政府が優遇しており、特に石油石炭税が全額免除されています。

沖縄も政府の優遇措置が無ければ、普通に本土の2倍3倍のような電気料金になるのでしょう。


原発1基分の発電には山手線の面積が必要で、しかも悪天候の為に原発は維持する必要がある。
HYRF
引用:http://inzynieria.com/uploads/images/orginal/epefoqsjhshudoyipklbvcvahyysfygfwdoowvibfmicqcxgvfqjdoflsmgu.jpg



原発より金が掛かる自然エネルギー

ハワイは高すぎた電気料金のお陰で自然エネルギーに転換したほうが安くなり、急速に普及が進んでいます。

アメリカでは他にも2014年に16州が、20%を超える自然エネルギーを導入していました。

アイダホ、オレゴン、ワシントンの3州は既に80%を超えていますが、大部分は水力発電でした。


アメリカ全体で発電量に占める水力の比率は実は日本より低いのだが、地形に恵まれた州では50%以上を水力で得ています。

こうした州の多くは風力や太陽光発電にも適しているので、自然エネルギーの割合は既に70%以上だったりします。

急速に進むアメリカの自然エネルギーですが、実は政府による大量の補助金がばら撒かれています。


アメリカでは風力発電と太陽光発電は、送電網とインフラ設備が政府の補助金で建設され、コストに含まれていません。

風力、太陽光を維持するには電力を安定させるため、同じ規模の火力発電を準備しなければならない。

これらのコストを含めると、太陽光や風力は確実に、原発などよりも電気料金が高くなります。

「今日は雨が降って風がないから発電しません」は許されないので、今までと同じ火力や原発は維持する必要があるのです。


また成功例とされるカリフォルニアでは自然エネルギー導入後に、電気料金が約2倍に値上げされました。

同じくドイツや欧州の自然エネルギー推進国も、2倍から3倍に電気料金が上昇する傾向が見られます。

日本では原発事故後に値上げされましたが、2倍にはなっていません。


自然エネルギーは地球に優しいが、恐ろしく金が掛かるとは言えるでしょう。