アイオワはクルーズ氏の支持団体が強かったので、米メディアはトランプ氏の2位を勝利と報じた。
引用:http://a.abcnews.com/images/Politics/160201_gostream_iowa_trump_16x9_992.jpg
米大統領選はアイオワで候補者を選ぶ民主共和の党大会が行われ、ヒラリーとクルーズが勝利しました。
両党とも僅差で決着はつかず、トランプ氏の2位を失速と見るか勝利と見るかで分かれています。
大統領選初戦は両党とも大混戦
2016年は米大統領選が行われるが、第一弾となるアイオワ州党員集会が民主・共和両党で開催されました。
意外な事だがアメリカでは国民が直接大統領を投票で選ぶ直接投票を行っていません。
まず投票をする代議員を各地で選び、代議員は誰に投票するかを予め表明しているので、代議員が投票します。
民主・共和両党の大統領候補者を選ぶ方法も、やはり代議員を選んで各地域から選出します。
選び方は必ずしも決まっておらず、小さな集会場では挙手をして人数を数えたりします。
投票の場合も誰が誰に投票したか、分かるようにしている場合が多く、日本の選挙とはまったく違います。
住民の誰が誰に投票したか分かってしまう事が、住民をヒートアップさせ、大統領選が盛り上がる要素になっている。
各党の候補者を決める党員集会はアイオワ州で始まるのが恒例で、3月1日のスーパーチューズデイで決するとみられます。
スーパーチューズデイでは14州で党員集会と予備選挙が実施され、7月の全米党大会で大統領候補に指名されます。
党大会はアイオワで始まり2月9日のニューハンプシャーへと続き、この2州を制した候補が勢いを持つと言われています。
アイオワを制したのは民主党ではヒラリーだったが、サンダースとの支持率は僅か0.3%に過ぎませんでした。
共和党はクルーズ氏が制したが、トランプ氏との差は3%で、しかもアイオワはクルーズ氏の「縄張り」で勝利は予想されていました。
トランプ氏の勢いが目立つ
日本のテレビ、新聞は「勢いがあったトランプ氏が負け、失速した」と報道したが、アメリカでは逆の見方をしています。
CNNテレビは「トランプ氏の勝利」を報じ、危機感を募らせていました。
何故負けたトランプ氏が勝利したかというと、1位のクルーズ氏はキリスト教福音派の牧師もしていた事がある。
クルーズ氏の支持団体はキリスト教福音派であり、アイオワ州は全米でもキリスト教福音派が強く、事前調査でも勝利は予想されていました。
CNNはむしろ僅か3%差でトランプ氏が2位だった事に驚いていたのでした。
トランプ氏はアイオワがクルーズ氏の「地元」である事から、テレビ討論をすっぽかして、ニューハンプシャーに行っていたほどでした。
もっともクルーズ氏が27.7%、トランプ氏が24.3%、ルビオ氏が23.1%なので、3人が並んでいたと言えます。
民主党はもっと激戦でヒラリーが49.9%、サンダースが49.6%でした。
次のニューハンプシャーではトランプ氏が事前調査で優勢であり、もし2位に大差をつければ主導権を握るでしょう。
CNNは両党とも伝統的な「主流派」が苦戦して毒舌を吐くような一匹狼の台頭を許しているとする。
共和党はクルーズ氏、トランプ氏ともに人種差別主義の過激派だそうで、サンダース氏は「社会主義者」を自認している。
ルビオ氏はキューバ移民の子で、元不法滞在者で強制送還を命じられた事もあった。
大統領就任時はレーガンの69歳が最高齢で、それ以上は居ない。
引用:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/85/01c2f4bb9b0d5af057dcc8d7d2ebacfc.jpg
大統領選は若い方が有利
共和党はクルーズ氏、トランプ氏ともに移民に厳しいので、両者が共倒れしてルビオ氏が共和党候補になるのは充分に有り得ます。
この候補者の中に入るとヒラリー・クリントンが最も平凡で、目立たないのが分かります。
ヒラリーのライバルであるサンダース氏は74歳であり、アメリカ大統領が2期8年勤めるのを考えると、任期途中で寿命は尽きるでしょう。
ヒラリーも実は68歳の「お婆さん」なのだが、サンダースよりは若く見えます。
民主党で気になるのは個々の主張よりむしろ、候補者が高齢な事で、アメリカ人は若い大統領に夢を見るところがあります。
トランプ氏は69歳、クルーズ氏は45歳、ルビオ氏は44歳なので共和党候補の2人は若いです。
安定しているが平凡で新味の無いヒラリー、勢いがあるトランプ、ダークホースのルビオ氏、過激派のクルーズ氏といったところです。
過去の米大統領は圧倒的に50代以下の若い人が多く、高齢でも65歳まで、最高齢が69才のレーガンでした。
共和党の若い2人は、選挙戦で意外に支持が伸びるかも知れません。