アメリカは原油価格が暴落したのに「馬鹿みたいな増産」を続けたが結局は自滅した。
引用:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/fop/commodity/images/2.shale_crude_150220.png
世界最大の投資会社、米ゴールドマンサックスは今後原油価格は上昇相場に転ずると予想している。
原油価格が130ドルから30ドル割れまで落ちた現在、かなり大胆な予測と見られています。
ゴールドマンサックスは原油上昇予想
原油価格が急落して産油国の経済破綻が囁かれた16年1月中ごろ、世界最大の投資会社が「原油は値上がりする」と言い出した。
果たしてゴールドマンサックスの予想はポジショントークなのか、実現可能性が高い予想なのでしょうか。
ポジショントークとは自分が持っている方に皆を誘導する為、自分に有利な事を言いふらす行為のことです。
ゴールドマンサックス(以下GS)は過去に何度も痛いポジショントークをやらかした事があり、超円高の時には円安予想をしていました。
GSによると原油価格急落によって生産が十分に落ち込み、供給過剰が解消されると、年末には原油価格が上昇相場に転ずる。
特に米国のシェールオイル生産が16年前半に日量57.5万バレル減少すれば、相場が反転するとしています。
シェールオイル生産が実際にどのくらいかというと、16年1月で約920万バレル/日だったと発表されています。
GSの説明ではこれが僅か57.5万バレル減少し、860万バレルになれば、原油価格が上昇し始めると言っています。
これが本当なら原油価格は思ったより小さな需要の変動で、大きく上昇したり暴落しているようです。
フィナンシャル・タイムズによると米資源企業約140社中、3割か4割が1年以内に資金難に陥る。
また2015年に破綻した資源企業は42件に達し、今後も破綻が続くと見られています。
シェール企業が破綻すると生産が減るように見えるが、アメリカの仕組みではA社がB社に吸収されるだけです。
米シェールオイル減産で原油価格は上昇する
実際この1年でシェールオイルの生産量は0.1%減っただけで、実質同じでした。
だが大手シェールオイル企業3社は、40%から60%設備投資を削減すると発表し、新たな採掘は減少するでしょう。
人員削減と新たな採掘減少によって、シェールオイルは次第に減少していくでしょう。
シェールオイル生産大手コンチネンタル・リソーシズは2016年末に、2倍に上昇し、1バレル60ドルになるとの見方を示した。
ハムCEOは米シェール会社の減産によって、原油過剰は年内に解消されるだろうと話しています。
ハムCEOによれば1バレル30ドル以下ではコストの半分しか賄えないので、急激な減産が起きる。
シェールオイルは原油を採掘した「すきま」から採掘するので1ヵ所で2・3年しか井戸が持たない。
従って新たな採掘のための設備投資が削減されれば、2・3年でシェールオイルは枯渇します。
原油が供給不足になり価格が上昇しても、シェールオイルは枯渇しているので、価格はしばらく上昇を続けます。
再び米資源会社が設備投資して生産量を増やすには1年以上掛かるので、その間原油価格は上昇するでしょう。
原油価格が下落したとき、OPEC、米シェール企業、ロシアなどは減産するどころか増産して敵を倒そうとしました。
先にギブアップしたのは結局米資源企業で、勝者はOPECやイランになるでしょう。
ゴールドマンサックスの原油価格上昇予測は米国のこうした状況が背景にあり、あながち嘘八百ではなかった事になる。
過去に大きく予想を外した実績があるGSの予言は、今回は的中するのだろうか。
コメント
この見通しが本当なら
ロシアとの領土交渉が不利になるかな。