へし折れた部分には建物を支える柱や壁が無かったようです
引用:http://livedoor.blogimg.jp/yukawanet/imgs/7/6/766812bd.jpg
台湾で大きな地震があり、9棟ほどのビルが倒れ、就寝中の住人が閉じ込められたとされています。
台湾は1999年の地震で大きな被害を受けたが、それ以前に建てた建築物は全て違法建築だった疑いがある。
台湾南部の地震で多くの建物が倒壊
2月6日午前4時前、台湾南部でマグニチュード6.4クラスの強い地震があり、台南市などで大きな被害が出ました。
台湾には震度に相当する発表がないが、大きなビルが複数倒壊していて、震度5以上と推測されます。
台南市ではマンションやビルなど9棟が倒壊し、5棟が傾いて住民に大きな被害がでました。
7日現在で18人がなくなり480人が負傷、6日時点で100人以上が不明となっているようです。
給水塔や倉庫なども壊れているようで、半壊した建物は無数にある。
台南市街中心部の永康区では特に被害が大きく、16階建て高層マンションがへし折れて倒れ、建物が潰れています。
マンションには96世帯が入居し、256人が住んでいて、多くの人は就寝中だったとみられます。
捜索が続くにつれて、犠牲者の数は増えていて、最終的に100人を超える可能性が高い。
地震で倒れてしまう台湾の建物には、ある深刻な欠陥があるのが分かっています。
コンクリートの柱や外壁の中には、工事で使用した空き缶やゴミなどが埋め込まれていて、施行ミスが指摘されています。
ところがこういう手抜き工事は台湾では普通の常識であり、手抜きと思われていないほど横行しています。
リサイクルという言葉があるが、台湾では現場で発生した「ゴミ」は現場の地面や柱の中に埋めるのが普通です。
市街地の古い建物は100%違法建築
それどころか台湾の市街地にあるビルは、ほぼ100%違法建築で、緩い台湾の建築基準すら守られてはいません。
台湾ではビルの下に歩道が通っている事が多く、雨に濡れないので親切だなあと思う事があります。
だがそれはビルの下に歩道があるのではなく、歩道を占拠して勝手にビルの一部に組み込んでいるのです。
ビルを建ててから増設する行為も横行していて、新築時と現在の階数が違うなどは当たり前です。
上方向に増築するのは理解できますが、さらに横方向にも増築して歩道を囲ったり、公有地にはみ出したりしています。
こんな具合に台湾の建築規制は、在って無きが如しなので、工事の施行現場でやっている事も、推して知るべしという事になります。
台湾では1999年9月にも、南部でマグニチュード7.6の地震があり、M6以上の地震は数年に一度発生しています。
台湾の地震は海ではなく、陸地の浅い場所が震源地の場合が多く、激しく揺れる事があります。
倒壊したマンションの写真では鉄筋が少なく、しかも細いのが印象的で、柱といえる支柱も見当たらない。
薄い壁で四方を囲って強度を確保する構造で、飛行機の体当たりで崩壊した9.11の貿易センターと似ている。
そして例によって上と横に増築されていたようで、歩道部分にはみ出していたと考えられます。
因みに違法増築した後で転売すれば、新しい持ち主にも古い持ち主にも責任は無く、なんとなく合法になるらしいです。
建物の一部を歩道にする親切設計、ではなく歩道の上に勝手に建物を建てている
引用:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/80/9aadf68ab3778dfe090c1933ace0169c.jpg
不良工事は今も続いている可能性
違法建築は2000年代になって改善されたとされるが、施行不良問題はどうにもなりません。
塗料や資財を入れていた大きな一斗缶とか、資財を包んでいた梱包材をコンクリートを流す前に、柱や壁に埋め込んでいます。
2000年代に、世界的に(少し)有名な企業の建設中の建物を偶然見た時には、柱や壁を「ゴミ捨て場兼トイレ」にしていました。
建設現場ではトイレ問題は重要な事項ですが、台湾では建物自体をトイレ化する事で解決していました。
倒壊したマンションも良く観察すれば、柱の中からトイレットペーパーなどが発見される筈です。
危険だとか汚いというより、自分が作っている建物に、どうしてそういう事ができるのかが理解できなかった。
文化的な事は短期間では変わらないので、10年後の現在も劇的には改善されていない可能性が高いです。
こうした欠陥建築がすべて安全な建物に変わるには、まだ数十年は掛かるでしょう。