増えたから産むな、減ったから産めといっても、そう都合よく行かない。
引用:http://livedoor.blogimg.jp/akb48matomemory/imgs/6/d/6da48df2.jpg
中国の出生数が、一人っ子政策を廃止したにも関わらず、急激に減少しているのが分かりました。
中国は20年後には人口減少に転じると予想されているが、大幅に早まるかも知れません。
予想外の出生数減少
中国国家統計局は2015年の人口統計を発表したが、前年より32万人減少したと公表した。
一人っ子政策は2013年に緩和され、夫婦どちらかが一人っ子なら2人目を認めると変更になっていた。
さらに2015年7月には事実上の廃止の方針が発表され、12月に法制化し、2016年1月から施行しました。
16年1月1日から一人っ子政策は廃止されたが「2人目の出産を認める」となっていて3人目は認めないらしい。
2人っ子政策とも呼ばれているが、廃止の効果が出るのは2016年分の統計からだと考えられている。
しかし1979年から導入されているので、現在適齢期の男女はほぼ100%夫婦どちらかが一人っ子の筈でした。
この事から中国政府は事実上2人目の子供を許可した2014年と2015年には、出生数が増えると予想していました。
15年の本土の人口総数は13億7462万人で680万人増加、出生数は1655万人で32万人減少した。
人口が増えたのは710万人の老人が増えた事になり、高齢化の進行が裏づけられました。
国家統計局は15年の新生児数を1700万人から1800万人と予想していたので、100万人も少なかった。
2016年分からは「2人っ子政策」が通年で実施されるが、事実上2014年から実施されていたので、効果は無いかも知れない。
予想外の出生数減少に中国の人口学専門家や役人たちは、衝撃を受けているとの事です。
人口ボーナス期終える中国
中国の人口はいつかはピークを迎え、2030年代には減少するのではないかと言われてきました。
既に労働人口は減少していたものの、総人口の減少は遠い未来だと考えられていました。
だが急激な出生数減少が既に始まっているので、総人口の減少も大幅に早まるかも知れません。
中国の専門家は2つの原因を指摘していて、一つは適齢期の女性の数が減り、2つ目は適齢期の女性の出産願望が低下したからだという。
国家統計局によれば中国女性の合計特殊出生率、いわゆる出生率は2014年に1.4人であり、日本の1.42人を下回っている。
さらに中国では一人っ子政策の影響で、男子を産み女子は中絶する夫婦が多いので、もともと女性が少ない。
13億7000万人のうち、男性が3376万人多いという統計が発表されているので、男女をならした出生率はもっと低くなります。
同じ人口を維持するのに必要な出生率は2.1人なので、人口が減り始めるまでに回復するのは不可能でしょう。
この事は中国経済にも深刻な影響を与えると考えられます。
人口が増えた国には経済の「人口ボーナス」が加算され、例えば米国は人口増加率1%程度なので、その分GDPが押し上げられます。
少なくとも人口増加率分から、その2倍のGDP拡大効果があるので、中国のGDP拡大も人口増加の恩恵を受けてきました。
もし日本の人口増加率が1%あれば、事実上まったく成長していないのに、1%から2%GDPが増えるわけで凄い効果があります。
子供を産まない権利は簡単に変わらない
しかも人口ボーナスは数十年間続くので、数十年間に渡って年1%から2%、何もしないで経済成長するのです。
逆に人口が減り始めると、どう考えてもマイナスのボーナスというか罰金を支払う破目になります。
日本がいくら努力しても経済が拡大しないのは、人口減で吸収されている面があります。
人口増加が続いてきた国では非常に長い間、「人口を減らす政策」で人口増加を防いできた場合が多い。
女性の「出産しない権利」や「結婚しない権利」があるとか、こうした考えは国が人口抑制政策を取ってきた結果、国民に広まりました。
もっと以前には女性は(男性も)必ず結婚しなければならず、子供は必ず産み、男は子供を養うべきとされていた。
国の政策によって「子供を作らない権利」みたいな考えがその国の文化になると、もう簡単な事では変わりません。
日本で人口が減ったから「さあ今度は子供を産め」と言っても、女性たちが従う筈がありません。
社会のシステムも、子供一人しか作らない事が前提になっているので、お金が掛かったり保育園が足りなかったりします。
中国でも子供を産まない、1人しか作らないのが文化になっているので、これを変えるには何十年も掛かるでしょう。
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