真ん中に建っているのが世界2位599mの平安国際金融中心
引用:http://s3.amazonaws.com/kpf.com/All-Projects/K-R/Ping-An-Finance-Center/Ping-An-Finance-Center_H.jpg
ビルゲイツは2015年ごろ中国の2年間のセメント使用量が、アメリカの100年間を上回ったと指摘していた。
中国経済の成長のほとんどは、政府による土木事業や建設工事に支えられています。
毎年アメリカと日本を作る
資本主義国では民間経済が大きく発展し経済成長するが、中国は違っていました。
中国経済は民間経済はあまり発展せず、国家主導で成長してきました。
不動産開発の大手も地方政府か共産党幹部が関与しているし、公共工事もそうです。
日本など先進国ではGDPの過半数を消費が締めているが、中国では「投資」が占めています。
投資といっても株を買う事ではなく、経済用語ではいわゆる「公共事業」全般を指しています。
中でも巨大なのが不動産投資と同時に行われる公共工事で、この2つで年10%以上の経済成長を維持してきました。
公共工事の巨大さを表す統計として、中国が2011年と2012年の2年間に使ったセメントが、アメリカの20世紀合計を超えてしまいました。
アメリカの殆どの建築物は築100年未満なので、中国は2年ごとにアメリカ合衆国を建造している事になります。
正に人類史上最大の土木工事で、ピラミッドや万里の長城を越えたと言えます。
これだけではなく、既に中国は毎年日本の鉄道に匹敵する鉄道路線を建設していました。
毎年新幹線と同じ距離の高速鉄道建設
中国は2008年から2013年まで毎年50兆円を鉄道の新規路線建設だけに投じていました。
何を大げさなと思うでしょうが、次の数字を見れば事実だと分かります。
中国高速鉄道は2008年の開業から僅か6年で1万9000kmに達し、平均すると日本の新幹線2,600kmを毎年建設している事になります。
さらに日本の地下鉄路線の総延長800kmを毎年建設し、年間8000㎞の鉄道路線を建設しています。
中国では鉄道建設費を鉄道会社(国営)に支払わせていないが、それでも9割の路線が赤字になっています。
高速鉄道路線約1万9000kmに対して、黒字は1318kmに過ぎません。
中国鉄路総公司の2014年上半期の経営状況は、3兆4000億元(約58兆円)の負債を抱えていました。
繰り返しますがこの負債に鉄道建設費は含まれず、運行や維持費だけの金額です。
赤字額は上半期だけで53億元(約900億円)だったので、年間では約2000億円の赤字という事になります。
鉄道の建設と都市開発、不動産開発は同時に行われるが、これも鉄道同様に膨大な赤字を出している。
鉄道関連の債務だけで300兆円以上あると推測しても、誇大な数字ではないと思います。
高層ビルの呪いとは
世界には「高層ビルの呪い」と呼ばれる伝説があり、世界一の高さのビルを建てた国は、経済崩壊するとされている。
日本もバブル崩壊前後に東京都庁など高層ビルを建てまくって、伝説の一部を形成している。
1920年代アメリカでは高層ビルラッシュが起きて、1929年に大恐慌が発生しました。
中国は2000年代にやはり高層ビル建設ラッシュがあり、今度は中国だという訳です。
NYにしても東京にしても、実は土地面積を計算すると高層ビルを建てる必要はなく、無くても良いそうです。
無くても良い無駄な高層ビルを建てまくるのは、その国がバブル経済に陥っている有力な証拠になります。
原油高を背景にドバイや中東は競って「世界最高の高さのビル」を建てたが、直後に原油価格が暴落しました。
マレーシアでペトロナス・ツインタワーが建てられた後、アジア通貨危機が発生しました。
台北101というローソク立てみたいな巨大ビルが建った直後に、ITバブル崩壊で台湾ハイテク企業は破綻しました。