あっけないほど軽々と初飛行したが、ここまでに20年もの歳月がかかっていた。
引用:http://tk.ismcdn.jp/mwimgs/a/0/1140/img_a0ed54ecdab0204de5dd64077e8cb9dd298148.jpg
三菱と防衛省が開発していたステルス実証機がようやく初飛行したが、ここまで実に20年という歳月が掛かっていました。
日本はF2戦闘機の開発に事実上失敗し、次の国産戦闘機への布石として、密かに研究してきました。
初飛行までの20年間
防衛省と三菱重工業が開発していた国産のステルス実証機「X2」が名古屋飛行場から初飛行しました。
4月22日午前8時50分、小牧工場に隣接する滑走路から飛び立ちました。
離陸に合わせてF15戦闘機2機が飛来して、先導するように離陸し飛び去っていきました。
初飛行は約20分ほどで、岐阜方面の訓練空域で上昇下降旋回などを行ったあと、午前9時10分に岐阜基地に着陸しました。
ステルス実証機は2015年11月11日に初飛行したMRJと同じ小牧工場で開発され、同じ滑走路から離陸しました。
MRJの初飛行に成功し、開発に目処がついたことで、ステルス実証機の開発に注力したとも推測できます。
ステルス実証機は約7年間394億円を投入し、戦闘機開発の技術実証を目的として開発してきました。
始まりは1995年に初飛行し2000年に航空自衛隊で運用を開始したF2戦闘機にあり、防衛庁(当時)はこの戦闘機を失敗と見做していました。
当初の要望では双発エンジンの大型機で米海軍のF18をベースにするか、国産双発機を開発する予定でした。
だが当時の米政権は両方を拒絶し、なるべく性能が低くなるように、単発のF16をベースにする戦闘機の共同開発を申し入れて来ました。
国産開発するかF16ベースかで揉めた末に、日本では戦闘機用国産エンジンを作れないと判断し、米国の要求を受け入れたとされています。
米側は日本の足元を見透かして、要求を拒否出来ないと見ていました。
F2戦闘機の反省
こうして完成したF2戦闘機は、対艦ミサイル4発を搭載して飛行できる以外は、これといって特徴のない機体になりました。
航空自衛隊の主力戦闘機F15は、最初の配備から既に30年以上が経過しているが、F2ではF15の後継機は勤まらない。
各国の戦闘機はマルチロール(多目的)化していて、支援戦闘機と限定しているF2は、いかにもコンセプトが時代遅れでした。
F2戦闘機失敗の教訓から、2000年代には次期国産機の構想が始まり、実験機を開発するべきという声が上がりました。
次期戦闘機は絶対に国産化するべきと強く主張したのは、2000年4月から2001年4月まで首相を務めた森嘉朗だったとされています。
森氏は首相に就任すると国産航空機産業の復活を提唱し、次々と国産化計画の実現を指示しました。
それらが旅客機のMRJ、C2輸送機、P1哨戒機、そして国産戦闘機に発展していきました。
森が指示したのは国産戦闘機開発だったが、防衛省ではF2の経験から米国の妨害を受けないよう「技術実証機」として開発を始めた。
森首相の後も小泉首相、安倍首相、福田首相と森氏に近い人物が首相を独占し、麻生政権でも影響力を持っていました。
2008年には民主党に政権交代して「事業仕分け」が始まったが、既に中止出来ないほど計画は進んでいました。
2012年から尖閣諸島や竹島騒動で国防への関心が高まり、中国やロシアの次期戦闘機の高性能ぶりが報道されました。
日本はF22の導入を希望したが米国に拒否されて、低性能なF35を押し付けられ導入を決定しました。
技本が公開した将来戦闘機DMU案、研究は国産戦闘機に反映される
引用:http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-e1-8e/ddogs38/folder/420863/97/39157297/img_10?1420465471
新型国産戦闘機は2030年までに開発予定
だが日本はF35を主力戦闘機にするつもりはなく、あくまで老朽化したF4ファントムの代用品として導入します。
F35の開発は難航していて、基本的な設計ミスもあって、とてもF15が果たしてきた「圧倒的な制空権」は確保できません。
2015年に防衛省は国産戦闘機の導入を検討すると発表し、事実上開発をスタートしました。
F2戦闘機と同じく、鍵を握るのは高出力で耐久性に優れた国産エンジンの実現で、IHIが開発を進めています。
防衛省の技術研究本部、通称技本では数年前から次期戦闘機の構想を発表していて、既にデザインも公表されています。
国産ステルス戦闘機のイメージ画を見ると、F22を大型にした印象です。
ステルス戦闘機はミサイルと燃料タンクを機体の中に搭載しないと、ステルス性が低下するので、機体が大型化します。
大型の機体にはより高出力のエンジンが必要になり、より開発が困難になるでしょう。
ステルス実証機X2はステルス性などの技術を確認したら役割りを終え、新型戦闘機は2030年までに配備を予定しているようです。
それまではF15の改良とF35が日本の空を守る事になるでしょう。
コメント
F-2も今ではAAM4やAAM5の運用能力が付加されて、立派なマルチロールファイターなんだけど?配備時の自衛隊のFI/FSの区分から、今でもFSよりなのは否めないけどね。FSX計画の当初の構想とはかなり違った機体にはなったけど、少なくとも失敗作ではない。あれが失敗作なら世の中に成功作とよべる機体などほとんどなくなる。
最近の防衛施設庁の動きから後継機はほぼ確実なレベルで国産(仮に共同開発になる場合でも少なくとも日本主導の開発になる。各国の開発計画の現状を見る限り時期的に共同開発計画となる見通しは低いけど。それに船頭が多すぎてF-35が山に登りかけた経験や現在の各国の経済状況の点からみても共同開発となる可能性は低い)となって日本独自の運用条件によりマッチした機体になるだろうから、将来においてそれと比較したら失敗とみなされるように変わる可能性ならあるかもしれない。
ステルス機実戦配備までの一番の障害は、
周辺国でも国内世論でもなくアメリカ様の意向だろうなぁ
またどうせ潰されそう
3 に書かれているように、今の F2 はかなり優秀だと聞いています。
クリントンの大統領就任は1992年ですよね?
F2の初飛行は1995年です。
ごり押しされてから3年で初飛行まで持っていくって、日本の技術力ってかなり凄くないですか?
ちなみに、議会の無茶ぶりに対して、拒否権まで発動してF2への技術移転を認めたのはパパブッシュですよね。
現在のf2は、優秀な機体なんですがね。初期の頃の欠点を殊更言いたてて、ダメの烙印を押した奴等を俺は忘れない。改修して良くなってたのにさ。石破みたいな屑に生産終了に追い込まれて、この有り様。自民党もたいがい売国奴がいるから注意だな。
エンジンを自主開発出来たのが大きい。
素材技術では世界トップクラスなので経験を積めばいいものが出来ないはずはない。
軍需産業に転用可能な研究は中国韓国他にスパイされないようにもっと対策をするべきだ。
大学の研究室からは技術がどんどん盗まれていたのでは?
半導体が衰退したのはそのせいだと思う。
F22は高性能だけど価格がな・・・
日本に輸出もしないだろうし。
戦闘機は開発費が高騰して、使用年数が長くなってる傾向だから当面は今の奴使うしかない