赤字でも国営銀行が資金を貸し付け生産を増やし、経済活動を維持している
引用:http://tk.ismcdn.jp/mwimgs/3/7/-/img_37d41f51788aa81458b88fed419d5459450331.jpg
鉄鋼は世界で7億トンの過剰生産で、大半は中国によるものだが、さらに生産を増強しています。
赤字で工場を稼動させ、生産そのもので経済活動を維持するという、恐るべき経済政策です。
世界の半分の鉄を生産する中国
中国の過剰生産で世界中の鉄工所が赤字に陥り、閉鎖されていますが、中国はさらに増産を決めました。
すでに全世界の鉄鋼生産の過半数を中国が占めていて、米国の4倍に達しています。
中国の鉄工所の大半も赤字に陥って、生産調整の為に一時閉鎖されていました。
日本や欧米の鉄工所も次々に縮小されたり閉鎖され、鉄鋼価格は少し回復しました。
中国の鉄鋼生産は2015年に約12億トンに達し、年間4億トンが過剰に生産されています。
このうち1億1000万トンが捨て値で輸出され、イギリス、アメリカ、ドイツなどの鉄工所を閉鎖に追い込んだ。
輸出量は少ないようだが、イギリスの年間生産量の10倍を上回っています。
政府は余剰生産を5年以内に解消させると言っているが、鉄鋼業者はむしろ生産能力を拡大している。
生産しても赤字だというのに、どうして中国の鉄鋼業者はさらに工場を増強したのか疑問が生じます。
中国政府は大規模なリストラ方針を発表し、大手鉄工所に生産を集中させ、小さな鉄工所を閉鎖するとしています。
リストラされない為には生産能力を増強する必要があり、さらなる余剰生産を招いています。
鉄鉱石価格は資源価格下落で30ドル台になっていたが、2016年になって60ドル台に回復しました。
赤字で生産し経済活動を維持
すると鉄鋼価格も上昇し、3月に入って中国の製鉄所は一斉に大増産を始めました。
一ヶ月ほどの間に5000万トンも増産したとみられ、このうちかなりが赤字価格で輸出されるでしょう。
中国政府はこれを黙認し、生産そのもので経済活動を維持しようとしています。
鉄鋼が売れようが海の底に沈めようが、工場で生産している間はGDPが上昇するからです。
欧米のアナリストは中国の大増産によって、夏以降に鉄鋼価格や鉄鉱石が再び暴落すると予想しています。
中国発の鉄鋼バブルはまだまだ治まりそうもありません。
4月18日にはOECDに鉄鋼主要国が集まって生産調整を話し合ったが、中国が拒否して決裂しました。
当然ながら中国以外の国は、中国の生産減少を要求したが、中国は中国以外の生産調整を要求しました。
世界で7億トンの鉄鋼生産が余剰だが、このうち4.3億トンが中国でした。
結局のところ中国は過剰生産を解消せず、生産を続けて赤字の輸出を拡大させるでしょう。
ここで疑問なのは、中国の鉄工所が赤字なら運転資金が底をついて廃業する筈なのに、誰が資金を出しているのかという点です。
むろん銀行が貸しているのだが、中国の銀行は国営であり、結局中国国営銀行が資金を出して、工場の稼動を続けさせているのです。
コメント
中国からの輸入を制限するしかない
中国は反発するだろうが
それは中国が一枚岩の場合に限る
中国共産党は北京上海など都会を優遇している
経済的に後回しにされて来た地方とに分かれている
輸入はこれら地方に70%以上からとし
経済が発展した都会からは30%以下とすれば
中国は一枚岩になれない
事によると輸出だけの問題で済まないかもしれない
日本は高付加価値の特殊鋼にシフトするだけなんだなあ。
クズ鉄より安い中国粗鋼とケンカしてもしゃあない。
ぽーつます
末期症状ですね
英国のキャメロン首相は習近平のご機嫌をとって、ウェールズのタタ・スチール製鉄所を閉鎖に追い込まれている。
すんでのところでウェールズ自治政府に一部国有化されて約1.5万人の雇用は守られた。
英国は三枚舌外交で外交上手だと思っていたけど、最近はそうでもないらしい。
流石、『大躍進運動』を再評価する習首席はぶれない。
韓国が90年代以降日本に仕掛けたように、ダンピング戦を仕掛けてるんじゃないですかね
ダンピングで他国の産業を破壊できれば、中国の世界征服は近づくのですから