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イギリスEU離脱 国民投票迫る オバマ大統領が残留訴え

ナポレオンはイギリスに敗れて欧州統一に失敗したが、メルケルはイギリスを服従させられるだろうか。
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引用:http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/015/862/14/N000/000/000/125333317350516319238_Waterloo-02.jpg

EUからの離脱を問うイギリスの国民投票が6月に行われるが、賛成反対が拮抗しています。

離脱反対派は「離脱すればイギリスは衰退する」と主張し、恐怖を煽ろうとしています。

イギリスのEU離脱可能性が高まる

イギリスがEUを離脱する可能性が高まっているとして、米オバマ大統領が訪英し、残留を呼びかけています。

離脱派はアメリカからの不当な圧力だと反発を強めているが、アメリカもかなり焦っているのが伺えます。

イギリスがEUを離脱するとどうなり、なぜアメリカが困るのでしょうか。


まずオバマやキャメロン首相の悲観派の予測では、離脱したイギリスは孤立して衰退します。

オバマ訪英に先駆けて、アメリカの元財務長官8人が、残留を呼びかける書簡を送っていました。

オバマはロンドンで会見を行い、英国は強い欧州を先導してこそ繁栄し、米国にとっても大いに関係があると語りました。

オバマはまた、米国とEUが自由貿易交渉を結ぶとき、英国が外される可能性があると脅し文句をつけ加えた。

イギリスの新聞にも寄稿し、英国人はEUに止まるよう投票をするべきだと求めました。

あからさまな干渉や脅しは、反発を招き逆の結果をもたらす場合もあり、例えば中国の台湾への恫喝は、いつも逆の結果を招いています。

欧州連合(EU)離脱の国民投票は6月23日に実施されるが、世論調査では離脱・残留とも4割で拮抗しています。

キャメロン首相が国民投票を決断したとき、この数字は残留が離脱の2倍もあり、否決されると踏んで決定しました。

その後「パナマ文書」が公開され、キャメロン首相の一族が租税回避地で脱税して資産を増やしたのが発覚した。

世論は反キャメロンに傾き、残留を訴える首相に反発して離脱派が勢いを得ている。

ドイツの強欲とイギリスの反発

2015年夏にドイツのメルケル首相が「無制限に難民を受け入れる」と唐突に発言し、100万人以上の難民が短期間に入国した。

EUに国境はなく、移住を拒否してはならない合意もあったので、難民達は欧州で好きなように移動し、パリやベルギーでテロを起こした。

イギリスは難民や移民を制限する方針を示したが、ドイツは規約違反だとして難民受け入れを迫った。

イギリス人は反発しEUから離脱するべきという機運が強まり、ドイツはEU規約を少し変更し、各国の事情で移民や難民を一時制限できるようにした。

これがこの1年ほどの出来事ですが、EUの規約を決めているのはドイツであり、フランスやイギリスはドイツの決定に従うだけなのが分かる。

ましてその他のEU加盟国は、ドイツの州知事や市長よりも権限が小さい。


どうしてこうなったかというと、1980年代に欧州は衰退が著しく、ドイツだけが成長していました。

欧州最大の大国のもとに各国が集結し、アメリカ合衆国のように「欧州合衆国」を作ろうとしたのがEUでした。

当時のドイツは東西統一の過程で不安定だったので、他の国より特別に優遇され、権力と経済的利益がドイツに集中しました。

EU成立によってドイツは関税なし、為替変動なしでEU諸国に輸出できるようになり、輸出で得た金で周辺国に投資して支配を強めました。

通常、貿易輸出国は日本のように、輸出が増えると円高になって、輸出がストップしてしまいます。

ドイツにはこれが無いので無制限に輸出して大儲けしました。

EUは先進的ではなく懐古趣味

ここで気がつくのはドイツが輸出した分だけ、他のEU加盟国が損をする制度で、イタリア、ギリシャ、東欧諸国が次々に経済破綻しています。

ドイツのメルケル首相はこれを「ギリシャ人やイタリア人は怠け者だが、ドイツ人は優秀だから成功している」と露骨な言い方で見下しています。

イギリスも貿易赤字国なのでドイツの輸出によって打撃を受けており、EU加盟の利点とどちらが大きいかは微妙です。

例えばイギリスは国内で製造した自動車を低関税でEUに輸出できるが、反対にドイツ車も入ってきます。

イギリスはユーロに加盟していないので、ドイツからの輸出が増えるとユーロ高になり防止機能が働く。

他のEU加盟国はドイツと単一通貨のユーロを導入してしまったので、経済植民地のようになっている。

EUの始まりは古くはナポレオンによる欧州統一や、ヒトラーによる欧州統一構想、古くはローマ帝国による統一などがありました。

欧州統一構想は、生まれては崩壊してきたもので、新しい考え方でも何でもありません。

そして統一欧州を崩壊させるのに、大きな役割りを果たしてきたのがイギリスで、ナポレオンとヒトラーはイギリスを統一できずに敗れ去りました。

ローマ帝国もイギリスが議会制民主主義というものを始めて衰退が早まり、崩壊への重要な役割りを果たしました。

島国のイギリスは大陸と統一する利点は少なく、統一されたから陸続きになって輸送費が安くなる訳ではありません。

EUから離脱すれば孤立するかも知れないが、最初から地理的に孤立しているのでした。

イギリス離脱で打撃を受けるEU

イギリスがEUから離脱しても、急に衰退するかは疑問ですが、むしろEU側が打撃を受けると見られています。

イギリスが抜けたEUを想像して見ると、ドイツ一国が独裁的な権力を握り、子分のように従うフランスという姿が見えます。

まるでヒトラーの全盛期とフランスのヴィシー政権のようで、とても気持ち悪い。

EUは国家の連合体ではなく、最終的に統合して国家を廃止する予定になっているので、ドイツが加盟国を合併します。

各国の首相や大統領も最終的に廃止して、EU大統領がアメリカ大統領のようになります。

よくこんな気持ちの悪い制度を考えたものだと思いますが、日本でも鳩山首相が「日本、中国、東アジアでアジア合衆国を作ろう」と中国に呼びかけていました。

幸い鳩山首相には人望がなく、各国首脳は相手にしませんでしたが、欧州では現実のものになったのでした。

EUの経済的利益は率直なところ、年率0.2%以下というところで、これはEU成立後の加盟国の成長率を見れば分かります。

EU成立後の経済成長率は、日本よりは高いがアメリカより低く、世界の平均よりも低く止まっています。

EU離脱してもイギリスにはそれほど打撃はなく、むしろEU側が大きな打撃を受けるのではないでしょうか。

アメリカから見ても、イギリスが抜けたEUは価値観が異なり、制御しづらいと映るでしょう。

NATOの結束が弱まったり、ドイツの発言力が高まりアメリカと対立するかも知れません。

コメント

  1. 通りすがり より:

    アメリカが反対するって事はアメリカにとって不利益があるって事ですからねぇ。
    抜けてEUがアメリカと対立してくれた方が目を付けられる可能性が減りいいですね。
    そいやちょっと前にイギリスは日本に同盟持ちかけてましたね。脱退したら再び同盟を呼びかけてくるでしょうねぇ。
    アメリカの干渉を和らげるためにもイギリスとも同盟してもらいたい。

  2. ローレライ より:

    『難民進駐軍』はイギリス人もドイツ人も拒否だろう。

  3. かさ より:

    アメリカにとっては全部まとまった方が、内政干渉しやすいからです。

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