資源高、Wカップ、オリンピックでブラジルは飛躍するかに思えた。
引用:http://wallpaperswiki.org/wallpapers/2012/10/Christ-The-Redeemer-Rio-De-Janeiro-Brazil-600×1024.jpg
ブラジルのリオでは8月にオリンピックが開催されるが、国内では混乱が続いています。
大統領は汚職で弾劾、経済はマイナス成長、ジカ熱と小頭症が発生し、そしてオリンピックが夏に迫っています。
ブラジルの経済失速
ブラジルでは大統領弾劾の手続きが進められ、ルセフ大統領が失職する可能性が高まっています。
経済は不況で失業率が増加し、ジカ熱の大流行にも襲われて、オリンピックの開催が危険視されている。
ブラジルの現状はどうなっているのだろうか。
ブラジルのGDPは2015年にマイナス3.8%、2016年もマイナス3%予想と冴えず、財政赤字は年間でGDP10%に達しています。
通貨のレアルは1年間で30%下落し、失業率は10%を超え、失業者は300万人増加して賃金は4%減少しました。
それでも2015年の後半には、まだ大した不況ではないという見方が実感として大勢を占めていました。
半年前は失業率7%台だったが、元々「南米気質」と言われるほど楽天的で働くのが嫌いだから、それが適正水準だと思われていました。
若者はブラブラし年よりは働かないのがある意味正常で、一家を支える男だけ働けば良いのだった。
だが2016年に失業率10%を超えると、家族を養う男性も失業し始めて、事態は深刻になりました。
そこに追い討ちを掛けるように襲いかかったのが「ジカ熱」で、ブラジルの将来人口にまで悪影響を与えています。
ジカ熱の流行が始まったのは2015年5月頃とされていて、そのころから小頭症の新生児が増え始めました。
最初関連性は分からなかったが、10月から12月に約3000人もの小頭症新生児が生まれ、新生児の0.4%に達しました。
不況に追い討ちをかけるジカ熱
政府は非常事態宣言を発令し、「なるべく子供を産まないように」呼びかけたが、ブラジルでは中絶を禁止しています。
また小頭症かどうかは生まれてくるまで分からなかったり、生後数年後に分かる場合があります。
唯一の確実な防止方法は、ジカ熱が収まるまで妊娠しない事だというので、子供を作るのに慎重になっています。
オリンピックを控えて「女性はブラジルに渡航しないように」呼びかけている国も出ています。
ルセフ大統領は不正と汚職で弾劾手続きが行われていて、議会の決定が出ると、失職する可能性があります。
ブラジルがオリンピック開催を決めた頃、中国・ロシア・インドと共に「BRICS」として日米欧に替わるとすら言われていました。
ブラジルは2004年頃から2013年頃の「資源バブル」でBRICSと共に急成長したが、資源価格暴落で経済も失速しました。
2000年代は中国が世界経済の半分を占めるというような予測を専門家が出して、「だから資源価格は上がり続ける」と言っていました。
そうした空想からあらゆる資源の権利が買いまくられて、実際の需要の何倍もの値段に吊り上げられました。
好景気の頃のサンパウロは朝まで営業する店に若者が集まり、眠らない街だったが、今は夜になると閉店する店が多い。
物価上昇率は6%を上回っており、デフレの日本から見ると羨ましいが、当のブラジルはそれどころでは無いという。
賃金が4%減り、GDPマイナス3%の国で物価が7%も上昇すると、実感として何割も値上がりしたのと同じになる。
リオデジャネイロ・オリンピックは2016年8月5日に開催が迫っていて、施設はほぼ完成しているが、かえって混乱を深めている。
大統領の汚職を巡って、100万人以上の抗議デモが複数回起きていて、オリンピックの浪費への反対も強まっている。
コメント
大統領の弾劾手続きが始まってるから、
オリンピックどころじゃないんだよなあ。
こういう後進国は世界の覇者のごとく成長すると言われてはその後色々と問題が起こり後進国のままってのがどっこも起こってますねぇ。
『オリンピック後破綻』の『ギリシャの道』を歩んでいる。