最初全路線を中国が受注する事になっていたが、結局ゼロになりました。
引用:http://www.globalnewsasia.com/photo/2_58914025572772.jpg
タイと中国は2014年に高速鉄道建設で合意したが、その後ずっと揉め続けていました。
合意した1路線についても金銭面で両者の言い分が折り合わず、事実上白紙に戻された。
一旦は中国が受注
タイは2010年に中国の企業と、5路線の高速鉄道計画を進めるのを議会で決定しました。
だが2011年の政変で親中政権が倒れ、中国との合意は白紙になり、国際入札が行われる事になりました。
2014年にまた政変が起こり、親中の軍事政権が樹立し、高速鉄道計画は二転三転しました。
中国とタイは2014年12月、ラオス国境のノーンカーイから首都バンコクを結ぶ867kmの建設で合意しました。
中国の高速鉄道をラオスまで延伸し、タイの高速鉄道と繋げる計画を中国側は示し、5000億バーツ(約1兆6670億円)を出資する事になっていました。
タイ政府は2015年1月に、中国側の出資額を増やすよう要求し、その後ずっと条件で揉め続けていた。
中国は合意した筈の条件を変更するよう要求し、タイ側も署名しようとしませんでした。
中国のインフラ輸出では契約書を交わして逃げられなくしてから、「本当の交渉」を始めるのが常套手段です。
2015年10月にはインドネシア政府が中国と高速鉄道計画で合意しているが、中国側は驚愕の変更要求をしています。
この計画では全額を中国が出し、インドネシア政府は無料で高速鉄道を建設するとなっていました。
中国側は一旦契約を交わした後で、駅の数を倍に増やし、開発権利を全て中国が所有すると言い出した。
それはまだしも高速鉄道そのものも、建設費の償還が終わったら中国政府の所有になると言っています。
中国とタイの合意が白紙になる
インドネシア政府の支出ゼロにするため、沿線の土地開発で利益を得て、鉄道建設資金を捻出するとしている。
そしてお金を出す「出資者」なのだから全額を支出する中国政府の所有になるのは「資本主義」の原則だと、共産主義の国が言っているのでした。
開いた口が塞がらないが、中国はアフリカや南米でも、この手の乗っ取り詐欺のような契約をしていました。
タイ軍事政権は中国と合意した翌月の2015年1月、日本に高速鉄道計画への参加を呼びかけて、プラユット首相が訪日しました。
2015年5月には運輸大臣が来日し、バンコク・チェンマイ間高速鉄道の合意文書を交わしました。
タイの軍事政権は「日本と中国を天秤に掛けて、いい条件を引き出している」と自画自賛しています。
中国は市場から金利2%以上でしか資金調達出来ないが、日本は1%以下で調達できるので、資金力は日本の方が有利です。
2兆円の事業で金利が1%違うと200億円の差になり、しかも返済期間20年だから4000億円もの差が出ます。
タイと中国が2014年に合意した路線は起工式まで行われた後で、中国がまたゴネて、鉄鋼を中国から輸入し中国人労働者を使うと言い出した。
しかも中国人労働者に支払う賃金はタイの賃金より高く、差額は中国側が儲ける。
合意したのは5000億バーツだったが、5300億バーツまで値上げされ、まだまだ上昇が見込まれて、着工も署名も行われませんでした。
2016年3月になって軍事政権首相は、タイ中合意路線のうち、中国を除外して3分の1だけ建設し、資金はタイ政府が支出すると発表しました。
日中どちらも儲けなし
システムと車両は中国製を使用するとしながら、中国との共同開発は事実上撤回されました。
もっとも今後中国が、タイ側の条件を飲んで最初の合意条件に戻すなら、考え直すかも知れません。
だが中国が日本と同じ金利1%以下で融資するためには、20年間で2000億円以上自腹を切らねばなりません。
すると1兆円程度の事業を請け負っても完全に赤字で、中国側に経済的利点はなくなります。
では中国が撤退して日本が総取りし、万々歳になるかとえば、日本にもさほどの利益をもたらさないでしょう。
日本側は元々ギリギリの値段を提示している上に、金利は1%以下で、車両などは現地生産になる可能性が高い。
中国に取られまいとするほど、日本は利益を削り、下手をすれば持ち出しに成るかも知れません。
日中両国のメンツを賭けた戦いなので、撤退すれば東南アジアから追い出されたと言われるでしょう。
それは中国も同じなので、インドネシアでやったように「無料でシンガポールまで高速鉄道建設」くらいは言い出しかねない。
コメント
タイはどちらかというと富裕層が軍部と結びついて民主派が政権をとるたびにクーデターでひっくり返すということをやっている。
軍部は中国との結びつき(多分お金)が強くウィグル族の中国への強制送還もそのせいではないだろうか?
民衆は親日でも軍部はお金次第?
悪く言われることの多いタイのインラック前首相ですが、今は軍の暫定政権から監視されているような身分。
昨年暮れ日本に行きたい申請するも却下されました。
インラック氏は英語ができますから英語圏に行きたいと思うのが普通。
かといって中国でもなく日本に行きたいと希望した。
これをもって首相でなく1人の女、母親の視点で見た場合、少なくとも日本が最良の国ということなのでしょう。
それにしてもインラックと会談した際のオバマのデレデレした写真は演技でなく本気のデレデレで、あんな顔はミシェル夫人にさえ見せることもないと思われますね。
>>1
和諧号鉄道が中国全土に張り巡らされてせいで、
数万キロの赤字路線が誕生し、
停車駅周辺の不動産バブルが沸いて弾け、
数年のGDP上昇と引き換えに巨額の借金と不良債権を生み出しました。
ブレーキの壊れた大型ダンプが坂を下ってる状態で、
中国経済崩壊の一因になっているのですから、
扱えもしない技術を教えた日本は反省するべきでしょうね。
インフラ整備は国の基幹事業ですが、中国に籠絡されて中国製の導入を図る指導者は売国奴だということですね。
中国に新幹線技術を手取り足取り教えた日本が愚かという事