韓国造船業は、発注が回復したとき日中に仕事を奪われる、という理由で赤字でも縮小しない。
引用:http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/d/0/-/img_d053b4349b025e95a61cb09b26128425283382.jpg
韓国の造船業は「御三家」のサムスンと大宇が1月から3月まで受注ゼロに終わり、韓国全体でも9隻しか受注できませんでした。
過去の受注で1年分以上の仕事があるが、世界経済が低迷し発注が激減し、しかも安い船はほとんど中国に取られました。
韓国造船御三家
世界的な景気低迷で海運輸送量が減少し、輸送単価が下がり、新規の造船発注が減少しました。
日中韓が造船受注で熾烈な争いをしていたが、この構図に変化をもたらしています。
韓国の造船大手3社、ヒュンダイ重工、サムスン重工、大宇造船海洋はいずれも巨額赤字を計上しました。
ヒュンダイ重工は1兆5400億ウォン(約1490億円)、サムスン重工は1兆5000億ウォン(約1460億円)の赤字。
大宇造船海洋は5兆5050億ウォン(約5200億円)の赤字を計上した上、2兆4333億ウォン(約2383億円)の損失を隠していました。
韓国産業銀行は大宇造船を支援しないと表明し、事実上経営破たんしたが、買い手が居ないので国が支援して存続しています。
韓国産業銀行は韓国政府が設立した国策銀行で、産業を育成する役割りを持っていました。
政府は韓国産業銀行を通じて大宇造船を支配し、その時々の大統領が身内を良いポストに付けたりしていた。
事実上の国営造船所として、放漫経営の末に3年連続の赤字を出して、経営破たんしました。
韓国政府は今度はサムソン重工に大宇造船を買い取れと言っているが、サムスン・大宇ともに3000人のリストラを予定しています。
大宇造船は国営造船所として海軍の潜水艦を建造し、輸出までしているが、多くの問題があって1隻も稼動していないとされている。
韓国の造船は1980年代までに日本の造船会社が日本政府の要請を受けて、戦後の賠償の一環として無償で技術供与した所から始まっています。
日中韓の低価格競争で衰退
安い物を大量に作るビジネスモデルで、もっと安い中国の造船業によってシェアを奪われています。
2016年1月から2月の受注は、1年前の同じ月に比べて20分の1の8万5700CGTに止まりました。
一方日本は円安などを背景に、10%台に落ち込んでいた世界シェアを30%近くに上げ、中国・韓国・日本がほぼ並んでいます。
世界の造船シェア上位3社は、長い間韓国の3社が独占していたが、3位のサムスン重工と今冶造船が入れ替わりました。
日本の造船業もプラント事業で赤字を出したり、三菱重工が豪華客船で巨額赤字をしているが、復調してきています。
中国は小さな造船所が無数にあるので、企業シェアとしては低いが、最近まで世界最大の国別シェアを誇っていました。
中国の造船業も、低価格を武器に技術を必要としない船を大量に建造するモデルで、世界経済の落ち込みによって急激に受注を減らしている。
2012年に韓国は中国に抜かれて世界2位になり、2015年後期は日本にも抜かれて世界3位にシェアを減らしました。
造船受注は低価格舶は中国、高価格舶は日本という住み分けが進み、挟まれた韓国は両方から仕事を奪われています。
受注が減っているから生産能力を削減すれば良さそうだが、政府と造船業界は生産能力を懸命に維持しようとしています。
ここで生産能力を減らしてしまうと、造船需要が回復したときに受注できず、中国と日本に奪われてしまうからです。
巨額を赤字を出し続けてもこのままの規模で存続させる方針なのだが、いつ需要が回復するかは分かりません。
韓国造船3社は、受注ゼロが続いたとしても1年以上の受注を抱えており、持ちこたえられると考えています。
造船業は他の製造業と同じく、人件費が安い国が有利な産業であり、そこに止まっている限り決して先進国にはなれない。
それは日本も同じなので、円安で低価格の船を大量に作ったとしても、国の将来に繋がるとは思えない。
コメント
韓国は潰れそうになっても国が資金注入してくれるからいいなぁw
まあ国自体もドルでの借金で崩れ落ちそうだけど。
佐世保重工を買収した名村造船とは佐世保と隣の港町の伊万里湾にドックがある。ほんの15年ぐらい前は佐世保重工と名村造船には差が無く。売り上げも収益額も株価も同程度だったが、ここ10年で差がついた。
そんなふうに造船業も日本では再編や合理化などが円高地獄で進んだ。
韓国は、今からその地獄が始まるだけやん。
何を喚いているのか?これから本格的に泥沼に入るやろ。
世界の景気と船の耐久年数を勘案すれば
何社か倒産しないと供給過剰でしょう。
日本も中堅造船会社が潰れましたが
あれで済むかどうか。。