放射性廃棄物は地中で数百年保管し、放射能レベルが下がるのを待つ
引用:http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/05/05010101/06.gif
福島第一を除いて9基の原発の廃炉が決まっており、次々に事業計画が発表されています。
新たな「巨大市場」に参入する企業や、廃炉の危険性への危惧など思惑が交錯しています。
日本の原発が次々に廃炉
日本では2011年の福島原発事故以来、いくつかの原発が廃止されたり、廃止が検討されています。
一方で基礎電源としての原発維持も決定されていて、廃炉が大きな課題になっています。
廃炉に手間取れば、新たな反対運動が起きたり、新規建設の障害になるでしょう。
廃炉には1基数百億円の費用と、数十年の期間が掛かるので、新たなビジネスとして脚光を浴びています。
福島第一原発の6基、東海原発、浜岡原発1号2号、敦賀原発1号機など15基以上の廃炉が予定されています。
日本は今まで2001年に解体開始した東海原発の例はあるが、それも廃炉の途中で、完了させた実績はありません。
アメリカには既に廃炉専門業者が存在し、当然日本市場進出を狙っています。
米エナジーソリューションズ社では、日本の廃炉市場は今後10年で10億ドル規模になると見ています。
では原発の廃炉とは実際どんな事で、どのように行われるのでしょうか。
中国電力の島根原発1号機では最近廃炉計画が見積もられたが、総費用約380億円で期間は30年から40年を予定しています。
380億円は巨額ですが、建設費6000億円の1割以下なので、原発のコストに影響を与えるほどではない。
原発の発電コストは1KW当たり、廃炉や新基準安全対策を含めて12円という所で、含めないと10円以下とされています。
廃炉とはどんな事なのか
原発の建設には平均して約4年掛かっていて、1基だけでも年間1千億円以上の巨大産業なのが分かります。
その建設工事が停止したので、原発停止は確実に日本経済に打撃を与えました。
廃炉は30年以上で380億円なので、年間10億円であり、20基を同時進行とすると年間200億円の『産業』になります。
新規建設の5分の1だが、それなりに大きな事業になり、大勢の人が働く事になるでしょう。
廃炉作業の多くは人件費だと考えられるので、380億円は結局中労働者の所得として分配され、何割かは税金として戻ってきます。
事業として考えると公共事業と同じ事で、国はお金を出さなくて良いので、悪い話ではありません。
問題は安全性で、「永久に放射能が残る」「廃炉は不可能」と主張する人もいます。
廃炉とは要するに原発を構成している資材を、放射能汚染度によって分類する作業だといえます。
原子炉そのものなど高濃度に汚染された物質、大量の冷却水、建物のコンクリート、残土など色々あります。
資料によると110万kW級原発1基で約53万トンの廃棄物が出ると想定され、その97%は放射能で汚染されていません。
約3%が低レベルの放射能を帯びた廃棄物で、そのうち少量が高レベルの汚染物質です。
とはいえ反原発派や反対派の人は、「53万トン全てが汚染されている」というでしょう。
アメリカの廃炉はワイルドで大雑把
引用:http://www.jiji.com/news/handmade/topic/d4_quake/gen300-jlp04449648.jpg
廃棄物は穴を掘って埋める
自然界にも放射能はあり、それより少し高ければ、基準値以内でも「汚染されている」と言うものだからです。
廃炉で最も困難なのは、実はこうした人間の心理との戦いになるでしょう。
さて53万トンの3%として約1万6000トンの廃棄物が出るわけで、これを30年で割ると年間500トン以上の放射性廃棄物が出ます。
廃棄物は結局穴を掘って埋めるのですが、周囲に漏れないように防護したうえで廃棄します。
例えば周囲をコンクリートで固めるとかドラム缶に詰めるなどです。
高レベルの放射能を帯びている物質は「穴掘ってポイ」はできないので、事実上永遠にどこかで管理する必要があります。
深さ1000m以上の穴を掘ってマントルに流す案もあるが、実現するのはかなり先でしょう。
かなり深い地中に埋めて長期間管理する事になっているが、具体的な事業計画にはなっていません、
説明では深さ50m以上の巨大な穴を掘り、周囲を分厚いコンクリートで覆って、地下要塞のような施設を作るようです。
その上で少なくもと数百年置いて放射性レベルを下げ、それから先は数百年経ってから考えます。
その頃には放射能を除去する技術や、マントルに廃棄物を送り込む技術が出来るかも知れません。
既に受け入れを検討している自治体もあり、過疎の村にとっては数少ない新規事業になり、国からの優遇措置もあるのでしょう。
コメント
原発の処分費用は石油や天然ガスや石炭よりも運営費用、処分費用が大きい。
原発がクリーンなエネルギーというのは
嘘である。
給料しだいじゃないかな。
福島原発の作業員の時みたいに中間業者が挟まりまくって中抜きされまくったら人は来ないけど月給50万!とか魅力のある給金を提示できたらワンチャン。
そもそも東京とか多少なりに被爆してますからねぇ(町中で放射能物質が発見されたりもよくありますし)本当に気にしてるなら関東はほぼ住めない地域になりますわ。
×ヤナソネ ○ナカソネ
廃炉ビジネが仮に金を生む産業になったとしても夢みる若者は志願しないでしょう。世界は逆に圧倒的に原発建設にはしってるわけです。むしろ日本は高度な建設人材を育てて世界の安全に貢献すべきです。アメリカが日立や東芝に原発脱退を容認しないのはそのためでしょう。
シベリアには『高齢原子炉の墓場』があり『監視組織』が管理している『原子炉の刑務所』である。