ユニクロは中国工場を減らして店舗を増やした。
引用:http://www.fastretailing.com/jp/about/photolibrary/images/photolib_shanghai07l.jpg
日本の中国投資はピーク時の4割まで減り、今年さらに減少しています。
世界からは中国に進出しているが、製造業ではなくサービス業の企業に移っています。
アディダスが中国脱出
ドイツのスポーツメーカーアディダスは2012年に中国から撤退を決め、ドイツ国内での生産を再開しました。
ドイツは一時期、中国で生産した製品をドイツブランドで世界に売ろうとしたが、おおよそ失敗に終わっています。
原因は例えば「テディベアの目玉の位置が一定せず、変な目付きになる」など低次元な事で、客から苦情が相次ぎました。
アディダスは高価格高品質を売りにするスポーツメーカーで、糸のほつれなど製品の劣化は深刻な問題だった。
ユニクロの靴下から糸がはみ出していても問題にならないが、それが数万円のジャケットなら許されません。
日本やアメリカ企業は高品質が要求される製品を中国で製造しているが、アディダスはそのような品質を保てなかった。
そのせいかどうか、近年アディダスの世界シェアは低下傾向で、特に日本のアシックスに客を奪われている。
アシックスは世界3位のスポーツ用品メーカーになろうとしているが、主力の靴製品の90%を中国で製造しています。
このように中国で生産して高い品質を保っている例もあり、一概に全て失敗するとは言えない。
アディダスは2017年からドイツ国内で靴の生産を再開すると発表し、24年ぶりになります。
国内工場はロボットによって自動化され、販売市場に近いことで、流行をいち早く取り入れられるという。
翌18年ではアメリカ工場も稼動させ、「地産地消」への転換を進めます。
そういえばトヨタやホンダは、アメリカで販売する車は、30年前から現地生産していました。
生産国から輸入国になった中国
2016年に入って日本企業の中国撤退も、さらに加速していると伝えられています。
2015年だけでシャープ、ダイキン、TDK、ユニクロ、パナソニックが工場縮小や撤退を決めています。
あれほど「一体」だったユニクロもベトナムに生産拠点を移していて、中国比率を減少させています。
2016年には爆買いで業績急上昇したラオックスが、ひっそりと中国店を閉鎖していました。
2012年に過去最高74億ドルだった日本の対中投資は2015年に32億ドルになりました。
2016年1月から3月までの対中投資は、日本の分だけが「集計中」で現在も発表されていないが、減少したと言われています。
一方で世界各国の対中投資は今年になって増加していて、大半は製造業ではなくサービス業の進出でした。
今後製造業の中国進出はほとんど行われなくなり、進出より撤退が多い状況が続くでしょう。
製造業が中国に進出する事は中国に工場を建てて生産する事で、中国の輸出が増えるのを意味します。
サービス業が中国に進出するとまったく逆に、外国から中国への輸入が増えるのを意味しています。
ボリショイサーカスとかアメリカのシネコンが進出するほど、中国の輸入が増えるでしょう。
日本企業が中国から撤退している理由は、コスト上昇の他に「中国リスク」に原因があるといわれています。
中国リスクの増大
2015年に複数の日本人がスパイ容疑で中国公安に逮捕されていました。
日本の地方議員が冤罪を着せられて逮捕された例もあり、いつどんな理由をつけてでも中国政府は外国人を逮捕できます。
日本企業が中国に支店を置く事はできず、全て変な名前の現地企業になっています。
最初から日本の本社には半分の経営権しかなく、役員の半分は中国人にする事が義務つけられています。
一旦中国に投資した資産は全て中国のもので、トヨタや日産もネジ一本といえど日本に持ち帰ることはできません。
昨日まで合法だった事が朝起きたら違法になっていたなど日常茶飯事で、政府は必ず国内企業を優遇します。
停電、交通事故、病気なども大問題で、中国で病気や怪我をしたら、病気より医師が大敵になるでしょう。
労働争議や暴動は毎日発生し、全土で数千回あるいは数万回発生していると言われています。
中国で物を生産するメリットはどんどん小さくなっていて、今後輸出用に工場進出する企業は現れないでしょう。
中国で拡大しているサービス業とは要するに消費の事で、お金の出所は政府の無尽蔵の借金や通貨発行から来ています。
政府がお金をバンバン印刷して、企業や個人に配って消費しているのですが、政府の借金や輪転機にも、いつか限界が来るでしょう。
コメント
ユニクロが中国マンセーしてた時点でもすでに香ばしかったですからねw
知ってたよ!!
いいことです。